考える力

2011年8月 8日

FCバルセロナと契約の久保建英君。スペインも認めた『状況判断力』と『決定力』

■13歳未満の海外選手との契約は異例

川崎フロンターレU10所属の久保建英(たけふさ)君(10歳)が2011-2012シーズンよりFCバルセロナのカンテラ(下部組織)でプレーすることが決定。2009年に横浜で開催されたFCバルセロナキャンプでMVPに選ばれた久保君は、コーチの目に止まりFCバルセロナスクール選抜としてベルギーで開催されたソデクソ・ヨーロピアンカップに参加。同大会においてMVPに選ばれたました。その後、FCバルセロナの入団テストに参加し、見事合格。

FCバルセロナには、13歳未満の選手はカタルーニャ出身の選手以外とは契約しないという内部規定があるのですが、今回は特別扱いにとなり異例の入団となりました。スペインへは母親及び弟と渡航し、現地ではフォワード登録で2011年9月からリーグ戦でプレーする予定です。

■テクニックだけではない、突出した『状況判断力』と『決定力』

サカイクが今年3月に取材した、元FCバルセロナコーチ ジョアン・ビラ氏(サッカーサービス)のクリニックにも久保君は参加していました。レベルの高いキャンプ参加者の中でも久保君の存在は際立っていました。彼の突出した能力は、個人技はもちろんですが、状況を正しく把握し、ゲームの流れの中で正しいプレーを選択する状況判断力の高さです。『状況把握』『判断』の能力を重視するスペインのコーチ陣も、彼のその能力の高さを絶賛していました。

久保君を指導したジョアン・ビラ氏はバルサのカンテラで14年間指導し、シャビやプジョルなど今のバルサを支える選手たちを育成してきた人物です。彼はつねづね「体の大きさ、背の高さは、いい選手になるための条件ではない。選手を見る時は、技術ではなく頭の中を見る」と話していました。まさに、久保建英という少年はそれを体現した選手だったのでしょう。

さらに彼の能力の高さは、ゴールの決定力にもあります。フェイエノールトやアトレティコ・マドリード、シャルケ、リヨン、マルセイユ、アンデルレヒトといったヨーロッパの名門クラブが参加した前述の国際大会では、久保建英君は6ゴールをマーク、なんとチームの得点の6割が彼によるものでした。

キャンプを運営する株式会社Amazing Sports Lab Japan代表の浜田氏はこう話します。「09年の国際大会に参加した時は、チームの父兄から絶対にバルサ以外とは契約しないでくれと言われました。各国から優秀な選手が集まった中でも彼の能力は別格でしたね」

キャンプ中も、疑問があれば積極的にコーチとコミュニケーションを図り自分のプレーを常に改善していた久保君。その意識の高さも、10歳とはとても思えないほどです。今回のニュースは、古いサッカーファンにとってまるでアニメのような話ですが、彼がトップチームのユニフォームを着て活躍するのも近い話かもしれません。

取材・文/サカイク編集部
写真/小川博久

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■「サッカー選手が13歳までに覚えておくこと」

FCバルセロナの選手や世界のトッププロをサポートしてきたスペインの世界的プロ育成集団「サッカーサービス社」が監修した選手が見て学べるU-13世代の選手向け教材。「Jリーグ」の実際の試合映像をもとに、”よいプレー”と”改善の余地のあるプレー”を徹底解説。トッププレーヤーになるために必要な『状況判断力』『決定力』を鍛えるトレーニング方法を紹介します。
 
 
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