考える力

2011年6月30日

子育ては、あえて気づかないフリをしよう(2/2)

■自分の「強み」と「研究」が生んだ「物怖じしない心」

――高校3年では枚方FCでクラブユース選手権準優勝、大学でもユニバーシアード代表で世界大会優勝した石丸さんですが、Jリーガーになってからは「挑戦」する立場のチームを渡り歩きました。そこで「物怖じしない」ために、どんなことをしたのですか?

「実は僕、今までのサッカー人生で緊張した記憶がないんです。2003年元旦、京都にいたときに鹿島と対戦した天皇杯決勝ですら緊張はしませんでした。

もちろん大きな試合で高ぶったことはありますけど、Jリーグではじめてピッチに立ったときでも緊張はしませんでしたし、天皇杯決勝でも、いつもはアップでキャッキャいっている若い選手たちがみんな無言で顔もガチガチに引きつっている中、先発で一番年上の僕は冷静でしたね。これはいいことではないかも知れませんけど、自分の感情が高ぶることがない。

そういえば天皇杯決勝のときは、その選手の前ではっきりと『お前、緊張してるやろ』と話しました。

この方法は今でも使っていますよ。初スタメンで緊張している選手がいると、試合前にみんなの前でいうんです。『お前、緊張してるやろ』って(笑)。その後に『この状況を楽しみなさい。現状で100%を出せばいい』といいます。これで自分の人生が終わるわけじゃないし、好きならもう1回チャレンジできます。萎縮してできないのが一番もったいない。やろうとすることが大事なんです」

――その一方で、現役時代の石丸監督はいつも平常心でプレーしている印象がありました。

「自分は器用なことはできない選手でしたけど、自分のところに入ってきたボールは誰にも奪われないという、これまで培ってきたポリシーは持っていました。自分が失敗するイメージがほとんどないんですよ。最悪でもボールを取られないことには自信を持っていましたね」

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