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オフサイドを回避する動き出すタイミングとスペースの使い方。DFラインの背後を攻略するトレーニング

公開:2023年9月22日

強豪ひしめく『第37回千葉県U-10サッカー選手権大会』で、初優勝を果たしたコラソン千葉U-10。ポゼッションを高めてボールを支配し、躍動感ある攻撃的なスタイルを目指すクラブだ。

攻撃では「DFラインの背後のスペース」を攻略することを重視しており、アグレッシブな姿勢を崩さず、相手ゴールを目指す。

そこで今回はコラソン千葉U-10、U-14監督を務める佐瀬祐太氏に「攻撃の選択肢を増やすオフザボールの動き出し(DFラインの背後のスペースへの意識)」をテーマに、トレーニングを実施してもらった。

前編のテーマは「動き出すタイミング、スペースの使い方を習得するトレーニング」。実際の試合で起こるシチュエーションを抜き出し、バリエーション豊かなトレーニングを行う様子は必見だ。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITED 2023年6月12日掲載記事より転載)

この内容を動画で詳しく見る

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DFラインの背後を攻略するには、出し手と受け手のタイミングを合わせる

今回のトレーニングは、U-10の選手を対象に行われた。最初のトレーニングは「DFの背後→フィニッシュ×3」。3パターンの動きで、シュートに持ち込む。

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佐瀬監督は、パスの受け手(シュート役)に対して「動き出すタイミングを意識してやってみよう」と声をかけ、トレーニングがスタート。フィニッシュ1はシュート役がマーカーから離れるタイミングでパスを出し、シュートに持ち込んでいく。

冒頭で声をかけたのが、パススピードについて。「もうちょっと速いボールを出そう」と、パスの質にこだわっていた。

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パスの受け手(シュート役)には、「ボールを持っている選手より先に動き出すと、パスを待たなければいけなくなる。味方がコントロールして、ボールを蹴ることができるタイミングで、マーカーから離れてパスを引き出そう」と、デモンストレーションを交えて、わかりやすく説明。

パス役は試合と同じように、ボールを足元に止めるのではなく、動いたボールを蹴るように意識するとともに、コントロールに時間をかけず、ワンタッチで蹴りやすいところにボールを置くことがポイントだ。

フィニッシュ2はマーカーがついてきたのを見計らい、相手の背後にスルーパスを出すプレーにトライ。

ここでも「出し手と受け手のタイミングがすごく大事」と話し、「人にパスを出そうとせずに、空いているスペースにパスを出そう」とアドバイス。

ほかに「そのボールは試合中、通りそう?スピードとコースが大事」「シュートまで速く」など、実際の試合をイメージしてプレーするように意識づけしていく。

フィニッシュ3は、横パスから縦へクサビを入れ、落としたボールをスルーパスし、フィニッシュに持ち込む。

ここで強調したのが、クサビを受ける選手の動き。マーカーの真横でボールを受けるのはなく、斜めに降りる形でポジションをとることで、プレッシャーを回避することができる。

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パスを通すためには、対角のラインを作ることが重要だが、佐瀬監督は「ボールを持っている選手と同じ部屋に入らない」という表現で説明。

クサビを落としたボールを受けて、スルーパスを出す選手も、その場で待って受けるのではなく、ボールに近寄ってスルーパスのタイミングをうかがい、受け手とタイミングを合わせる。

スルーパスを受ける選手は、外側にふくらむ動きでボールを受けてシュートを打つなど、具体的な動きをレクチャーしていった。

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ボールを持っている味方がどんな状況なのかを意識させる

前編最後のトレーニングは「5対5+1」。外と内に2つのグリッドを作り、外側のグリッド4方向にゴールとGKを配置。

内側のグリッドで5対5+1フリーマンを行い、攻撃側はパス&ランニングで内側のグリッドを突破し、ゴールを目指す(ドリブルでグリッドの外に出てはいけない)。

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ここでは、味方とタイミングを合わせること、パスの方向とスピードなど、それまでのトレーニングで行ったことを実戦形式で取り組むとともに、「最後が大事」と、ゴールを決めることの大事さも伝えていく。

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また、複数人を介したボールの動きにタイミングを合わせ、スルーパスを受けてシュートに持ち込むので、シュート役の選手の動き出しもポイントになる。

佐瀬コーチは「立っているだけではボールをもらえないよ」と声をかけ、味方とタイミングを図ることや、味方がボールを蹴ることができるタイミングで動き出すことなど、ていねいにレクチャーしていった。

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動画の後半では、良いボールの引き出しからパスを受けてゴールする場面が収録されているので、ぜひ映像で確認してほしい。

佐瀬監督は「今回の練習では、ボールを持っている味方がどんな状況なのかを意識させるコーチングが大切です」と話し、「ボールを持っている味方が準備できていないのに、裏のスペースにランニングしてもボールは来ないですし、オフサイドにかかってしまいます。動き出しを始めるタイミングの習得が重要になります」とアドバイスを送った。

動画後編では、実戦形式の中で、背後のスペースへ飛び出すトレーニングを実施する。

この内容を動画で詳しく見る

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【講師】佐瀬祐太/
千葉市内の中学校で外部コーチとして指導者のキャリアをスタート。JFA第46回全日本U-12サッカー選手権大会千葉県大会ではベスト4。選手個人が、長所・短所を理解できるように問いかけ、技術面では「コントロール・ドリブル・パス・シュート」の基礎的な部分を向上させながら、試合で活躍することができるように指導している。

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