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テクニック

縦パスを入れるタイミングとスペースの作り方。Jリーグ屈指の育成クラブが行う後方からボールを運ぶ練習法

公開:2023年3月12日

2022年の「明治安田生命J1リーグ」王者に輝いた、横浜F・マリノス。育成組織であるプライマリー(U-12)は、トップチーム同様に後方からボールをつないでビルドアップし、ゲームを支配する攻撃的なサッカーを目指している。

ジュニア年代において、自陣からのビルドアップは身につけておきたいスキルではあるが、高い技術と判断力が求められるため、難易度は高い。そこで前回より、プライマリーを率いる土井孝徳監督による「ビルドアップから前進する縦パスと横パスの使い分け」をテーマにしたトレーニングを公開中だ。

後編では「ゲーム形式の中でボールを前進させるトレーニング」を通じて、実戦に近い強度の中で、ビルドアップに必要な要素を身につけていく。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITED 2023年1月4日掲載記事より転載)

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全て前に運ぶという意識ではなく、逆サイドを使うことも考える

後編のテーマは「ゾーンや場面を想定した、最終ラインからのビルドアップトレーニング」。まずは「6対6+2GK」のトレーニングからスタートした。

設定としては縦52.5m、横40mのグリッドを3つのゾーンに分け、システムは2-3-1+GKで実施。攻撃、守備ともに「前方のゾーンへのみ、1人ずつ参加してOK」というルールだ。

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ゴール前は攻撃2対守備2(+GK)の状況になるため、攻撃側は素早くフィニッシュに持ち込むこと。守備側はボール保持者に寄せながら、周囲と連携して守ることがポイントになる。

ビルドアップに関して、前のゾーンの選手は、ボール保持者の状況を観ながらポジションをとること。ボールを持っている選手は、前に縦パスを入れるタイミングを逃さないことを意識させるように、コーチングしていく。

土井監督は「前を観たり、前方を意識することで、守備の選手が動く。そこで駆け引きをした上で、サイドの選手とつながって、相手の守備ラインを突破していく」という動きを説明。

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具体的には、「右サイドバックがボールを持ったとき、中盤の選手が顔を出してパスコースを作る。しかし相手がそこへのパスに対してインターセプトを狙っていたら、右前にいるサイドハーフに出して、その選手が中央のセンターバックに出し、ドリブルで前進して左サイドに展開する」という動きを丁寧に解説し、「全部前ではなく、だめだったら逆サイドを使えるように」と実演を交えて、理論的にプローチしていった。

パスを繋ぐことを目的にしない。大切なのは攻撃方向を意識すること

続いてのトレーニングは「7対7+2GK」。実際の試合(8人制)と同じ状況で実施する。

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土井監督は「ビルドアップのとき、DFがGKからボールを受けるときに、何を気にしなければいけないか。前の選手も関わりを持つこと。前に行けないときは逆サイド。両方を選びながらやれるようにしよう」と、これまでのトレーニングを通じて、ポイントとしてきたことを簡潔に伝えて、プレーがスタートした。

土井監督は「前を観ながら」「斜めのパスコースを観れるように」「(ボランチは)角度を作って受けよう」「ボールが移動している間にディフェンスを観よう」といった声掛けで、選手たちに働きかけていく。

ビルドアップというとパスに意識が向きがちだが、マリノスの選手たちは最終ラインでボールを持った際に、前方へスペースがあるときは、タイミングの良い持ち上がりで局面を打開していた。そのあたりの技術、判断、スピード感などもぜひ参考にしてほしい。

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トレーニング終了後、土井監督は次のように話した。

「このトレーニングのポイントは、ビルドアップをテーマにしながら、ゴールを目指すという目的を忘れないように、攻撃方向を意識させることです。ボールを持つこと、パスを繋ぐことが目的にならないことが大切です。守備側には、試合を意識した強度を要求し、その中でビルドアップができるようになることを求めていきます」

さらに、ジュニア年代を指導するコーチに向けては、以下のようなメッセージをくれた。

「小学生年代では選手がトライし、ミスをすることで、できるようになることもたくさんあります。指導者としては、トライする環境を整えることが大切だと思っています。ぜひ今回のトレーニングを、日々の活動の参考にしていただけたらと思います」

今回の動画は「ビルドアップをどのように指導すればいいのだろう?」と悩む指導者にとって、非常に参考になるトレーニングだ。

プレーの本質は同じなので、ジュニアの指導者だけでなく、ジュニアユース、ユース以降の指導者もぜひ動画を見て、日々の指導に役立てていただければと思う。

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【講師】土井孝徳/
桐蔭横浜大学を卒業後、2003年から自身がジュニアユース時代に所属していた横浜F・マリノスで指導者としての活動をスタート。横浜FMでは、プライマリー年代やジュニアユース年代を中心に10年間、指導に携わった。2013~2014年はFC岐阜U-15の監督も経験。その後、2015年から再び横浜FMへ戻り、現在は横浜F・マリノスプライマリーで監督を務めている。

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