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ヴィッセル神戸のスクールが実践!ジュニア年代から数的優位を作るポジショニングを身に付けるトレーニング

公開:2023年2月16日

COACH UNITED ACADEMYでは、指導経験の浅い指導者に向けた、ベーシックなトレーニング動画も配信している。今回、登場してもらったのが、ヴィッセル神戸サッカースクールでチーフスクールコーチを務める金正旭氏だ。

ジュニア年代の指導経験が豊富な金コーチに、U-12年代を対象とした「攻撃における数的優位を作り出すポジショニング(サポート)」を身につけるためのトレーニングを実施してもらった。

ヴィッセル神戸サッカースクールのスーパークラスは、個の強みや特徴、可能性を最大限引き上げることを目的とし、また主導権を握ったボール保持から、連動して攻め込むスタイルに取り組んでいる。そのサッカーを確立するために、どのような指導を行っているのか? 片鱗を知ることのできるトレーニングとコーチングは必見だ。(文・鈴木智之)

この内容を動画で詳しく見る

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パスを受ける前の準備意識とプレーの連続性を高める練習法

最初の動画は「サポートの質を上げるスクエアパス」をテーマに、ひし形のパス&コントロールを実施。

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金コーチは「止める蹴るの基本技術向上に加え、見ることや体の向き、タイミングなど、パスを受ける前の準備意識の向上、徹底化を習慣にさせることを目的としています」と話し、トレーニングに入っていった。

開始前、子どもたちに対して「テーマは数的優位を作った上で、効果的なサポートをすること。どうすればうまくできるかを考えながらやってみよう」と声をかけてスタートした。

設定としては、ひし形にマーカーを置き、マーカーから離れてボールを受けて前方にパスを出す。

金コーチは「パスの質、コントロールの質、受ける前の準備」と声をかけるとともに「パスが緩いと、試合中、DFに取られたり、寄せられてフリーの状況がなくなるかもしれない。グラウンダーの速いパスを、遠い足の進行方向に向けて出すことが大事」とアドバイスを送っていた。

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さらに「ボールをコントロールするときは、マーカーの近くに止めたり、外側に流れると、次のプレーの成功率が下がるので、1回のコントロールで蹴りやすいところに置いて、素早く蹴られるようにしよう」と具体的にポイントを伝えていく。

ボールコントロールに対するレクチャーを終えたところで、受け手の動きにも言及。

「ボールを受ける選手は、1つ前の選手がパスを受け、ボールを蹴ることのできるタイミングでマーカーから離れる」「ボールを受けるときは、オープンの体の向きを作り、ボールと次にパス出す味方を見る」など、ていねいにプレーを解説しているので、動画で確認してほしい。

次に「ワンツーからの縦パス(当てて落として3人目)」の動きを追加。ここでは、ボールを受けるときに「体の向きを作って、前を見た上で、前にパスを出せない状況だから、後ろにいる選手に落とすイメージでやってみよう」「落としのボールでDFを食いつかせる」など、パスの質にこだわるように伝えるとともに、落としのボールを受ける選手の位置、入り方なども詳しく説明していった。

続いては「オーバーラップからのサポート」。ポイントは、1つのプレーで終わらず、連続性を持ってサポートすること。

金コーチは、オーバーラップする選手へのパスに対して「スペースを空けた状態でパスを出すと、受けた選手がプレーしやすい」などの考え方を提示。

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「スペースを空けた状態を作り、パスが出たときにパワーを持って入っていけるようにしよう」

「パスを出すタイミングとスピードをコントロールして、受け手がスピードを落とさない状態で受けられるように意識しよう」

フリーな選手を有効に使うポジショニングとサポートの動き

続いては「2対2+1フリーマン」を通じて、「数的優位を活かすサポートと動き」にアプローチしていく。

「フリーマンを置くことで、狭い局面でも2対1、3対2の状況を作り、優位性を持って攻撃することを狙いとしています。守備側には、数的不利の状況下でのボールの奪い方と、ボールを奪った後の素早い切り替えによって、プレーの連続性を持たせることが狙いです」

トレーニングは20m四方のグリッドで実施。フリーマンは3タッチ以内でプレーする。攻撃はドリブルでコーン間をライン突破し、ボールを奪われたら攻守交代となる。

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金コーチは「プラス1の選手を使いながら攻撃してみよう。いいサポートができれば、局面で数的優位ができるよ」と話し、動きを説明していく。

守備側には「2対2の数的同数を作ること」の重要性を伝え、パスラインを切って攻撃側を狭い方に追い込み、パスコースを限定し、ボールを奪うアイデアを伝えていく。

また、ボールを奪った直後に、素早く切り替えて攻撃のポジションをとることや、数的優位を作ることにも言及しているので、動画で全容を確認してほしい。

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ヴィッセル神戸サッカースクールのスーパークラスでは、チームとしてボールを保持し、攻撃するスタイルを標榜している。そのようなサッカーをするために、どのようなトレーニング、指導をしているのかがよくわかる動画になっている。

サッカーに必要な原理原則を指導しているので、レベルやカテゴリーを問わず、参考になるはずだ。

この内容を動画で詳しく見る

【講師】金正旭/
セレッソ大阪ユースから神戸朝鮮高級学校、朝鮮大学校サッカー部を卒業後、ガイナーレ鳥取、ジェフユナイテッド市原・千葉リザーブズ、HOYO Atletico ELAN大分(現ヴェルスパ大分)でプレー。現役引退後、サラリーマンを経て2013年よりヴィッセル神戸のサッカースクールにて指導を始め、現在ではヴィッセル神戸サッカースクール・チーフスクールコーチを務める。
同時に(公財)西宮スポーツセンター主催のイベント講師やアスレチック・リエゾン・西宮主催のイベント講師としても活動。AFC公認A級コーチ、JFA公認B級コーチ、JFA公認キッズリーダー。

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