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攻守に圧倒する完成度で全国大会ベスト8に進んだSCH。激戦区・神奈川を制した要因は「日頃の積み重ね」

公開:2023年1月13日

2022年末に鹿児島で開催された『JFA 第46回全日本U-12サッカー選手権大会』。鮮烈な印象を残しながら、PK戦の末にベスト8で涙を呑んだのが、神奈川県代表のSCHフットボールクラブだ。

各ポジションにタレントを揃え、攻守に高い技術と強度を披露。強豪ひしめく神奈川でチャンピオンの座についたのも納得の完成度であり、大会屈指の破壊力だった。

20年ぶりに『全日本U-12サッカー選手権大会』に出場を果たした、SCHの樋口智哉監督に、U-12年代の指導で大切にしていることを聞いた。(取材・文:鈴木智之/写真:渡邉健雄)

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(グループG、1次ラウンド第3節。ソレアーダ高知(青)vs SCHフットボールクラブ(白))

予選からラウンド16までチームのストロングポイントを十分に発揮

SCHは『全日本U-12サッカー選手権大会』のグループリーグで3連勝を飾り、ラウンド16で、昨年度のチビリンピック王者・オオタFC(岡山)と対戦した。

好チーム同士の一戦ともあり、ピッチサイドに多くの観客が詰めかける中、SCHは對馬羽琉選手、関一成選手といったタレントが個の能力を活かしてゴールを奪取。終わってみれば、3対0の完勝だった。

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(SCHフットボールクラブの7番、對馬羽琉選手)

樋口智哉監督はグループリーグ3戦目を終え、ラウンド16に進むにあたり、次のように話していた。

「神奈川県大会もそうでしたが、選手同士で伝え合う量が増えてきて、主体的にプレーするようになってきました。全国大会では、攻撃でも主導権を握るというところで、彼らの良さであるポゼッションや上手さの部分を発揮することをテーマに臨みました。粘り強い守備から攻撃へつなげるアイデアは、共有できたと思います」

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(ソレアーダ高知戦後、インタビューを受ける樋口監督)

ラウンド16でもストロングポイントは十分に発揮できており、初の全国制覇も視野に入っていたが、準々決勝でアッズーロ(滋賀)の守備を崩すことはできず、PK戦で無念の敗退。大会を去ることになった。

横浜FMや川崎フロンターレなど、強豪が揃う神奈川で揉まれた経験

とはいえ、ラウンド16に進んだチームの中で、攻守の完成度、個のタレント力は、ファイナルに残ったレジスタFC(埼玉)、柏レイソル(千葉)にも、勝るとも劣らなかった。

その一因が、激戦区・神奈川で揉まれた経験だ。いまや"新サッカーどころ"とも呼べる神奈川には、横浜F・マリノス、川崎フロンターレを始めとするJクラブがあり、優勝経験のあるバディーSCなど、全国レベルの街クラブがひしめいている。

全国に出るためには、神奈川予選を勝ち抜かなければならない。SCHは県予選で横浜F・マリノスプライマリー、あざみ野FC、川崎フロンターレ、そして決勝では、「アイリスオーヤマ 第7回プレミアリーグチャンピオンシップ」で優勝を果たした中野島FCに勝ち、出場権を獲得した。樋口監督は言う。

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「神奈川にはレベルの高いチームがたくさんあって、日頃から交流する中で、切磋琢磨させてもらっています。他のチームの指導者は大会中も連絡をくれますし、『優勝して、神奈川に2枠を持ち帰ってこい』と激励されました(笑)」

今年度のチームは神奈川予選でベスト4止まりだったというが、厳しい試合を経験する中で成長し、最後の大会で見事チャンピオンに輝いた。

「神奈川県予選の組み合わせが決まったとき、『この相手に勝って優勝できれば、神奈川代表として、胸を張って全国に行ける』という話をしました。子どもたちも、勝ち上がることに自信をつけていきましたし、一番変わったのは上手さというよりも、粘り強く戦うこと。そして、『自分たちがやるんだ』という意識です。それに加えて、日頃の積み重ねが融合したのが、チーム状態に現れていると感じています」

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日々の積み重ねから「選手の個」と「チームの考え」が融合した学年に

樋口監督にはCOACH UNITED ACADEMYで「中盤からアタッキングサードへ侵入するトレーニング」をテーマに、「パスの選択肢を多く作るための方法」や「スペースの作り方」などのトレーニングを実演してもらった。

「日頃の積み重ね」の部分では、質の高いトレーニングを通じて個を伸ばし、練習試合や大会で強豪と切磋琢磨することで、チームとしての力をつけていった。

20年ぶりに全国の舞台に立ったSCH。U-12を長く指導する樋口監督は、今年のチームについて、次のように感じている。

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「よく『選手が金太郎飴のようになってはいけない』と言いますが、今年のチームは個性豊かな選手が多いです。僕たちは、チームのコンセプトやサッカー理解といった共通の部分は持ちつつ、それをベースにした上で、自分をどう表現するかにこだわっています。その意味でも、チームとしての考えと選手の個性が融合した学年の一つかなと思います」

樋口監督は「サッカーの良さは、自分で考えてプレーできること」と話す。その中で、「指導者が考え方を提示し、子どもたちが考え方を理解した上で、ピッチの中で何を感じて、どう表現するかを大事にしている」という。

「日頃の練習の中で、局面的に、チームとしてこういうことを考えてやろうとは伝えています。僕たちの言い方で『示す』という表現を使っているのですが、チームとしての考え方を示しながらも、アイデアを押し付けるようなことはありませんし、こうした方がいいとは強要しません」

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そこで一区切りつくと、「なんて偉そうに言っていますが、ほとんど父が言っていることなんですよね」と笑顔を見せる。父とは、横浜F・マリノスを始め、Jクラブの監督を歴任した樋口靖洋氏のことである。

「父の影響は小さい頃からあって、そこへの憧れがあったから、自分も職業として指導者をやらせてもらっています。今回も孫を連れて試合を見に来てくれました。僕が子どもの頃も、サッカーのことに関してあまり言ってくる人ではなかったので、試合を見ても『強いな』ぐらいしか言っていませんでしたけどね」

グラスルーツとトップ。カテゴリーは違うが、親子で日本サッカーに貢献する樋口氏。激戦区・神奈川を勝ち抜くのは容易ではないが、今大会の経験を糧に、再び全国の舞台に戻ってくることへの期待は募るばかりだ。

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