テクニック

2022年5月20日

実践で使えるシュートテクニック!点を取る為の「ファーストタッチ」と「ドリブルの仕掛け」を磨く練習法

サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』では、U-8やU-10など、サッカーと出会ったばかりの子どもを指導する際の参考になるトレーニング動画を多数配信中だ。

前回より、柏レイソル、ヴァンフォーレ甲府などでストライカーとして活躍した長谷川太郎氏による「決定力を高めるシュートテクニックを磨く練習法」を公開している。

ジュニア年代に必要な「身体操作」「ボールコントロール」「GKとの駆け引き」などを身につけることができ、フットサルコートのような小スペースでもできるトレーニングなので、ぜひ動画を見て、日々のトレーニングに役立ててほしい。(文・鈴木智之)

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狙ったコースにシュートを打つ為のファーストタッチの重要性

今回のテーマは2つ。それが「狙った場所に蹴る為のコントロール」と「シュートコースを作るボールの運び方」だ。「狙った場所に蹴る為のコントロール」では、「コントロール&シュート」のトレーニングを実施していく。

設定としては、横からパスが出たタイミングで、コーンの間に張られたひもをジャンプしてからボールをコントロールし、シュートに持ち込むというもの。ボールに合わせて体を操り、適切な強さでボールにタッチしてシュートを打つという、実戦の動きが再現されている。

長谷川コーチは「ファーストタッチを意識してほしいので、ひもを設置しました」と話し、こう続ける。

「ひもに近いところにボールを止めると、ジャンプしてひもを越えたときに、ボールをコントロールしにくくなります。また、ひもから遠いところにボールを止めると、体との距離が離れてシュートを打てないので、強く、短くタッチする感覚をつかんでほしいです」

そしてシュートを打つときは、ゴールに対して体を横に向けた状態を作り、GKの動きを確認してから、空いているコースを狙うことがポイントだ。

長谷川コーチは身体操作に加えて、シュートを決めるときに必要な『認知』にも言及し、「シュートを打つときは必ずGKを見て、GKのいない方向に蹴ること」と、繰り返し伝えていった。

「シュートを打つ前に、ゴールを見すぎたり、ゴール方向におへそを向けてしまうと、GKにシュートコースを読まれてしまいます。ゴールに対して体を横に向けた状態で、腰の回転を使ってシュートを打ちましょう」

ほかにも、「ボールを置く位置」や「ファーストタッチでボールを横に動かし、左右どちらのコースにも狙えるようにする」「まず蹴り足サイドのコース(右足なら自分から見てゴールの右側、左足なら自分から見てゴールの左側)を狙い、その中でGKの重心を見て空いたコースを狙う」「間接視野でボールを見ると、速くシュートに持ち込める」など、ストライカーならではの感覚を説明し、具体的な駆け引きを伝えていく。

相手へのドリブルの仕掛け方で変わるシュートコースの選択肢

続いてのトレーニングは「シュートコースを作る、ボールの運び方」を身につけるためのシュートドリル。コーンに対して斜めの位置からドリブルを仕掛け、中央に切れ込んでから、蹴り足サイド(右足なら自分から見てゴールの右側、左足なら自分から見てゴールの左側)へシュートを打つ。

いわゆるカットインからのシュートで、まずは蹴り足サイドのゴールを狙っていく。ここで長谷川コーチが強調したのが、ドリブルで仕掛ける際のスピードだ。

このトレーニングにDFはいないが、実戦を想定して「ドリブルのときにゆっくり行くのではなく、スピードを上げて相手に圧力をかけること。そうすると相手の重心が後ろになるので、足が前に出にくくなる」と説明。

相手に対してドリブルで圧力をかけるために、一歩目を速くすることや、軸足を動かし地面から得られる力を使ってドリブルをし、シュートに持ち込むことの重要性を伝えていった。

「パワーポジション(注・地面からもっとも力を受け取ることのできる足幅))に足を置くと、ボールと一緒にスピードアップすることができます。また、顔を上げてゴールを見るとスピードが落ちるので、間接視野でゴールを見ること。そうするとシュートに速く持ち込むことができます」

次に、蹴り足とは反対サイドを狙う動きにトライ。ここでは、「ゴールにおへそを向けずに、腰の回転でシュートをコントロールしよう」と動き方を伝えていく。

また、「どのコースにドリブルで運ぶか」にも言及。実際にDFがいるイメージを持って、横にドリブルをすることで、シュートの際に、足を出してきた相手の股下を抜くことができる。このような実戦的な駆け引きを教えるのも、長谷川コーチのトレーニングの特徴だ。

「横にドリブルを仕掛けて、まずは蹴り足サイドのコースを狙い、相手がそこを消してきたら、股下を抜いたシュートで逆サイドを狙おう」

「ドリブルのときは相手におへそを向けて、シュートを打つ直前のボールタッチでおへそを隠してみよう。そうすることで、ボールが相手から遠くなる。そこで足が出てきたら股下を抜く。もしくはドリブルで切り替えして、相手の背中をとろう」

長谷川コーチのアドバイス、デモンストレーションは、ストライカーとして生き抜く中で身につけてきたテクニックがベースになっている。子ども向けのトレーニングだが、大人が見ても参考になること間違いないだろう。

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【講師】長谷川太郎/
柏レイソルユースから1998年にトップチームに昇格しJリーガーに。
その後、複数のJクラブを渡り歩き、1999年には柏レイソルでヤマザキナビスコカップ優勝、2005年に所属していたヴァンフォーレ甲府ではJ2日本人得点王を記録。そして、J1昇格へと導く。
2014年海外完全移籍、インドリーグ(1部)ムハンメダンSCに完全移籍し2014年6月限りで現役を引退。
2015年より一般社団法人TREを設立。【TRE2030 Striker Project】〜2030年 みんなで育てよう! W杯得点王〜というビジョンの元、ストライカー育成を行い、自社スクールだけでなく、多くのクラブへストライカーに必要な考え方やスキルを伝えている。2017年よりブリオベッカ浦安で日本初ストライカーコーチとして就任。

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