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「全日本U-12サッカー選手権大会」で川崎フロンターレU-12が見せた"フロンターレらしさ"

公開:2022年1月19日 更新:2022年10月17日

2021年末、鹿児島で行われた「第45回全日本U-12サッカー選手権大会」で、ベスト16に進出した川崎フロンターレU-12。グループリーグを全勝し、3試合で22ゴールを奪うなど圧巻の攻撃力を披露した。

近年、トップに昇格する選手を次々に輩出し、日本代表にも多くの選手を送り込むようになったフロンターレアカデミーは、どのようなことを意識しながら指導しているのだろうか? アルビレックス新潟ジュニアとの試合後、川崎フロンターレU-12の石川邦明監督に話を聞いた。(取材・文:鈴木智之/写真:渡邉健雄)

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(グループK、1次ラウンド第1節。アルビレックス新潟(オレンジ)vs 川崎フロンターレ(水色))

質の高いビルドアップや多彩な攻撃で試合をコントロール

ジュニアサッカー激戦区・神奈川県を制し、全国大会に出場した川崎フロンターレ。初戦のアルビレックス新潟戦は、前半5分、8分と立て続けに木村風斗選手がゴールを決めると、全天海選手、川田朔太郎選手も2ゴール。終わってみれば、8対1の圧勝だった。

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(2得点を決めた川崎フロンターレの木村風斗選手)

なかでも印象的だったのが、最終ラインからのビルドアップだ。相手の出方を見て、中央を使うのか、サイドを使うのかという見極めが的確で、高い技術と相まって、試合をコントロールした。

石川監督は「相手の状況に応じてプレーすることは、日頃から意識させているので、その成果が出たのかなと思います」と話した。

「うちはフロンターレなので、(ボールを)止める・蹴る・運ぶは、どのカテゴリーでも大事にしています。ただ、特別なことはなく、ボールを正確にコントロールすることや、次のプレーを意識してコントロールすること、味方が欲しい場所に、状況に応じたスピードで蹴ることなど、どのチームも意識していることだと思います」

育成に必要なのが、ベースと余白だ。指導者が教えすぎて、選手の持つ余白を埋めてしまうと、型にはまって小さくまとまってしまう。一方で、教えなければベースが身につかず、成長していくための土台が小さくなり、必然的に積み上げられるものも少なくなる。

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フロンターレの選手たちのプレーからは、ベースと余白が良いバランスで成り立っているように見えた。全日本U-12選手権はジュニア年代の日本一を決める大会だが、そこがゴールではない。選手たちはまだ12歳。これから続いていく、サッカー人生の入り口に立ったに過ぎない。石川監督は言う。

「普段のトレーニングでは型にはめず、余白を持ちながら、自分の考えでプレーさせることを意識させています。フロンターレなので攻撃面に目が行きがちですが、今年の6年生には、守備の強度はかなり求めています。トップチームの鬼木監督も攻撃から守備のところはすごく意識しているので、僕らも見習わなければいけないし、ベースがないとできませんからね」

「11人制につなげることを意識して指導しています」(石川監督)

全日本U-12サッカー選手権が終わり、小学6年生は8人制から11人制へと移行していく。12歳までは土台づくりであり、そこからの積み上げが大切になる。

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「トレーニングでは、12歳で終わらないように、11人制につなげることを意識しています。中1から中2にかけて、フロンターレのチームカラーと言いますか、らしさが色濃くなっていきます。私はジュニアの監督になって1年目で、去年まではジュニアユースを担当していました。それぞれのカテゴリーがどういうことをしているのかを把握しながら指導できるのと、大元にはフロンターレのスタイルがあるので、その部分のズレはあまりないのかなと思います」

取材の中で、石川監督から「フロンターレらしさ」という言葉を何度か聞くことができた。トップチームに確固たるプレーモデルがあり、アカデミーへとスタイルが受け継がれることで、選手育成の筋道ができ、チームの強化につながっていく。

「フロンターレらしさとは、行き着く場所、辿り着く場所だと思っています。うまくいかなくなったときに『うちってこうじゃなかったよね』と立ち返ることができるので、指導しやすいですし、次のカテゴリーにつなげやすい。選手を選考するときの目安としても、わかりやすいと感じています」

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(アルビレックス新潟との試合後にインタビューを受ける石川監督)

フロンターレのアカデミーから巣立った選手に、日本代表の三笘薫や田中碧、板倉滉、三好康児などがいる。技術と判断、そして強さを備えた彼らは、まさにフロンターレらしい選手と言えるだろう。

石川監督は「(OBの存在は)子どもたちのモチベーションになっていますし、こちらからもその話をよくします」と笑顔を見せる。

アカデミーからトップチーム、そして日本代表へとつながる系譜に、全日本U-12選手権に出場した選手が、どれだけ連なっていくのか。彼らの今後が楽しみだ。

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取材・文:鈴木智之/写真:渡邉健雄

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