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テクニック

1対1で大切なのはDFの狙いを見極めること/マルバサッカースクールの相手の状況で選択肢を変える練習法

公開:2021年9月 3日 更新:2021年9月 9日

2019年の『バーモントカップ(第29回全日本U-12フットサル選手権大会)』で、マルバ千葉とマルバ茨城がともに3位に輝くなど、個の技術に定評があるマルバサッカースクール。東京、千葉、埼玉、茨城、山形、熊本など各地でスクールを展開し、スキルフルな選手を多数輩出している。マルバといえば、ドリブルでの1対1の仕掛けだ。スピード、テクニック、状況判断に優れた選手達のプレーは一見の価値がある。

そこで「サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』」では、マルバサッカースクールの根本久敬コーチに「相手を見て、ドリブルまたはパスの選択肢を見極める練習法」というテーマで指導を実践してもらった。前編のテーマは「1対1の強化と数的優位を生かしたトレーニング」。マルバが実践する、スキルフルな選手を生み出すための指導を紹介したい。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITED 2019年11月25日掲載記事より転載)

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相手がどこのコースを消しているのかを見極めて侵入する場所を決める

根本コーチは「マルバでは1対1のトレーニングを中心に、相手がどう守り、どうボールを取りに来るのかを見ながら、パスかドリブルかを判断しながらプレーすることを大切にしています」と説明し、トレーニングがスタートした。

最初のトレーニングは1対1。コーンを通過ゲートに見立て、左右にある2つのコーンの間をドリブルで進み、シュートを打つという流れだ。

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根本コーチは「相手に守られていない場所を通過しよう。ファーストタッチでボールを動かしながらやってみよう」というアドバイスを送るとともに、「相手に寄せられているか、寄せられていないか。コースを切られているか、切られていないかを見よう」と、相手の状況を見ることの重要性を伝えていた。

ルールとして、横からのボールを受けてドリブルが始まるので、攻撃側の選手は「ボールが動いている時に、相手のディフェンダーがどこのコースを消しているか」を見る必要がある。さらには「相手の動きを見て、逆の方向に進む」など、駆け引きの部分にも意識づけをしていった。

続いては、1対1の設定は変わらず、攻撃、守備ともに正面の立ち位置からスタートさせていく。今度はパスを受けてスタートではなく、攻撃側がボールを足元に持った状態でスタートをする形なので、ドリブルスピードをすぐにトップに入れる緩急も重要になる。根本コーチからは「相手がどっちに行くかを見よう」「(守備側が)下がってくれたら、前に進もう」とアドバイスが送られていた。

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相手がプレスをかけてこなければパスではなくドリブルを選択する

2つ目のトレーニングは「1対1+1サーバー」。攻撃側は単独でドリブル突破をするか、サーバーを使って2対1を作る、もしくはサーバーをおとりにしてドリブルを仕掛けるなど、様々な判断と駆け引きが養われる設定になっている。

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根本コーチは「DFがどこを守ろうとしているかを見ながらやろう。パスコースなのか、ドリブルのコースなのか。相手が動いたら、自分も動きを変えればいい」と、相手を観ることの重要性を繰り返し伝えていく。

ルールとして「サーバーはどこに動いてもOK」なので、斜めのパスコースがなくなったら、守備側の背後に周りこみ、新たなパスコースを作ることもポイントとなる。

そうすると、守備側は背後の選手へのパスコースが気になるので、コースを消すために動いた瞬間を攻撃側の選手は見逃さず、ドリブル突破を仕掛けるといったプレーも出やすくなる。

根本コーチは、守備側が奪いに来ていない状況で、攻撃の選手に「相手はボールを奪いに来ていない。パスを待っているんだから、ドリブルで前に進めばいいんじゃない?」とアドバイス。「相手が何を守ろうとしているのかを見よう。サーバーを使うのが目的ではなく、前に進むのが目的。必ずパスを出す必要はないよ」と、状況に応じて判断を変えることの重要性を説いていた。

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前編最後のトレーニングは3対2。ここでは、真ん中でボールを持っている選手に対して、対面するDFが何を守っているか、サイドの選手はどのコースをカバーしようとしているかを観ることをコーチング。ボールに関わる選手の数が増えたことで、周りの選手との関係性の中で、どう動くかといった部分にアプローチしていった。

マルバの選手は全体的に技術レベルが高く、それを実戦の中でどう活かすかといった判断、駆け引きに働きかける指導が印象的だった。コーチングの内容も非常にわかりやすいので、指導対象の年齢を問わず、多くの指導者にとって参考になるだろう。

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【講師】根本久敬/
1979年10月17日生まれ。柏レイソルU-18-柏FCを経て、2005年よりマルバサッカースクールでコーチを務めている。

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