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2015年1月 6日

小学生から覚えたいサッカーの守備戦術!ACミランコーチが伝授

キーワード:ACミランディフェンス守備練習育成

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インタビューに応じてくれたACミラン佐倉校のルカコーチ
 

■8歳くらいまではボールを奪いにいく姿勢を評価しよう

――逆にいうと8歳くらいまでは、ボールにがむしゃらに奪いに行ってしまうのは問題ないということでしょうか。
 
そうですね。決してすべてがネガティブなことではありませんし、ポジティブな要素もあります。それは全員がボールに触りたいという気持ちを持っているということです。ボールの近くに行くというのは味方や相手にぶつかったり、蹴ったり、蹴られたり、という状況が必ず生まれます。そういうことに対して怖がらない姿勢は、ポジティブな要素と言えるからです。逆に、そのボールから離れて傍観しているような子どもは注意しないといけません。その子どもが人見知りだったり、内気だったり、弱い部分があったりするかもしれませんし、ボールに触りたくないのかもしれない。小さい子どもはボールを保持することに多少なりとも恐怖感があって、ボールを持ったときに失敗を怖がっていることがあります。その意味で、ひとりで孤立しているような子どもは用心深くみておかないといけないのです。
 
――Aのボールホルダーへのアプローチをもう少し詳しく教えてほしいのですが、その具体的なスピードや、止まり方、身体の向きとはどういうものになるのでしょうか。
 
まず大前提として理解すべきことは、子どもたちは全員が一人ひとり違うということです。だから、最初は子どもの自由にやらせることが非常に大切です。子どもにまずチャレンジをさせる。そこで失敗をしてもいいのです。なぜならば、それは子どもがいいと判断して行動に移したものだから、それ自体がポジティブな要素だからです。そのときに、たとえば、子どもが正しいアプローチについて、自分ひとりで解決策を見つけるのが難しいと判断したときはコーチから質問をしていきます。『ボールに対して両足で止まったほうがいい?』『それとも、半身になって構えたら相手は君のことを抜きやすい?』といった具合に。そうやって子どもを正しい方向に導いていきます。それを続けることで、その子どもにとっての正しいディフェンスの方法を身につけていくのです。
 
――では、この2対2の状況でやってはいけない守備とはどういうものでしょうか。
 
この2対2のトレーニングでいえば、日本の場合は常にサイドラインの方向へと相手を追い込むように教えられてきたと思いますが、それは正解ではありません。イタリアでは、Aは常に自分の仲間がどこにいるかをまずしっかり理解することが定石になります。そしてBはAの少し斜め後ろにポジションをとってAがいつ抜かれてもカバーリングできる位置、さらに裏へパスを出されても対応できる位置、そしてCへパスが出たらすぐにアタックできる位置、そのすべてに対応できる位置にポジションをとります。このとき、Aがディフェンスをする身体の方向は、ラインの方向ではなく、常に仲間のBのほうへ相手をつれていくように意識するのです。そうすることで状況は1対1から2対1に変わるからです。
 
――なるほど。
 
もちろん基本的には『ボールがどこにあるのか』などの状況にもよりますし、まさにライン際での攻防であれば、ラインに追い込むことも有効でしょう。ただし、もしも相手のボールホルダーが右利きだった場合、ラインに追い込んだとしても相手は右利きなので逃げながらもクロスをあげられる可能性があります。だから、相手が苦手であるはずの左足の方向へと追い込んで、Bと2対1を作ってボールを奪うことのほうが有効になるのです。逆にいえば、相手が左利きの場合であれば、中央のスペースに相手を入れてしまうとシュートの可能性もあるし、ドリブル突破される可能性もあるので、その場合はライン際へと追い込むほうがベストでしょう。ただ、ある一定の限られたスペースで2対2のトレーニングを行うときには、基本的にAは仲間のBのほうへと相手をつれていくことを考えるようにしてトレーニングを行います。
 
この練習をひたすら一ヶ月おこなえば必ずうまくはなりますが、では、試合になったときにあらゆるシーンに対応できるかといえばそうでもありません。同じ練習を繰り返してしまうと、距離感も同じであれば、グリッドの大きさも同じです。試合では状況が変われば自分たちの仲間との距離感も変わります。ですから、この2対2のコンセプトをしっかりと理解したうえで、試合中のつねに変化する状況にどれだけ対応できるかを大切に見極めなければいけません。
 

■ゴールをするためには、ボールを奪わなければいけない

――日本の小学生年代、12歳頃までに身につけておかなければならない守備というのは、どの程度の内容になるのでしょうか。
 
さきほどの2対2のコンセプトを10歳ころから把握した上で、次の段階として12歳ころになると、チームとしての動き方、たとえば、4人のディフェンスが最終ラインで並んでいるときの隣の選手同士の距離感の保ち方などが身につけるべきことのひとつでしょう。一人が相手のフォワードにアタックしたときに、他の3人がどういう動き方をするのか。たとえば、ひとりが前へ出たときにそのスペースを空けたままにしていればパスを通されてしまったり、誰かに入られてしまいます。この場合には、ひとりずつ横方向にずれていってスペースを埋めることが必要であり、チームとしてのディフェンスを身体で覚えていくのです。
 
大前提として、12歳頃までの子どもに理解してもらわないといけないことは『ゴールをするためにはその前にボールを奪わなければいけない』ということです。ですから、ディフェンスをする意識を高めるためにも、子どもに対しては6歳くらいから、たとえば、ディフェンスの子どもがしっかりと1対1で相手のドリブルを止めたら、そのときにしっかりと褒めてあげることが大切です。よくドリブルを失敗したことを責めてしまうコーチがいますが、そこでディフェンスがボールを奪ったことを褒めることで、小さい頃からディフェンスの必要性を理解し始めるのです。そういう下地があって、徐々にグループで守るという意識、仲間を助ける意識が芽生えていきます。
 
セレクションに受かる秘訣は勇気!ACミランの選考基準とは!?>>
 
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取材・文/杜乃伍真 写真/田川秀之

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