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テクニック

DFとの駆け引きとポジショニング―豊田陽平選手のテクニック②

2013年10月 2日

キーワード:ポジショニング

前回はサガン鳥栖の豊田陽平選手の『ポストプレー』を取り上げましたが、今回は中盤からより相手ゴールに近い位置へ迫ったとき、そこからどのようにシュートに結びつけていくのか。豊田選手の『ゴールパターンにおけるポジショニング』について、解説したいと思います。
 
<<ポストプレーで攻撃を組み立てる―豊田陽平選手のテクニック①
 
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■自身が持つ2つの武器「高さ」と「スピード」

まず、強じんなフィジカルを誇る豊田選手は、高さだけでなく、スピードを兼ね備えているのが大きな特徴です。相手ディフェンスラインが高い位置を取り、裏のスペースが空いている場面では、自慢のスピードを生かして鋭く飛び出し、ゴールをねらいます。豊田選手が今シーズン27節までに記録したオフサイドは29回(リーグ2位)。いかに相手の最終ラインのぎりぎりのポジションで駆け引きを行っているのか、その意識の高さが表れた数字と言えるでしょう。
 
逆に相手がペナルティーエリア内にまで下がり、裏のスペースが狭くなっている場面では、クロスボールから自慢の高さを生かしたヘディングでゴールをねらいます。27節までに豊田選手はヘディングで7得点を挙げました。全16得点のうち、PKの3点を除くと、実に半分以上の得点がヘディングで生まれていることになります。
 
高さとスピード。自身の2つの武器を、相手ディフェンスラインの様子に合わせてゴールパターンにつなげているのです。
 
そしてこのとき大切になるのは、『ポジショニング』。どちらのパターンでも、ゴールを意識したポジションを取るときの豊田選手は、多くの場面で相手の反対側のセンターバックとサイドバックの間、すなわち『ファーサイド側』にポジションを取ります。それはなぜか?
 
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■身体能力とテクニックを活かした「ポジショニング」とは

イメージしてみてください。相手のセンターバックは、ボールを見ていると背後側の豊田選手が見えづらくなり、豊田選手を見ているとボールが見えなくなります。つまり、あえてファーサイド側に立つことで、『ボールとマークを同一視野にとらえづらい』という問題を相手に引き起こすことができ、豊田選手へのマークが外れやすくなるのです。
 
もちろん、ポストプレーが必要な場面ではもっと相手センターバックの前に出て体を張る必要がありますが、味方が中盤にボールを持ち運んだ場面では、ストライカーはこのようなゴールを意識したポジションをとります。
 
ただし、このファーサイドのポジショニングは、豊田選手ならではのセオリー。誰にでも通用するわけではありません。身長の低い選手の場合、裏へ飛び出すときはスピードを生かせるので有効ですが、クロスからゴールをねらうときは要注意です。せっかくフリーになっていても、相手センターバックが届かないほどの高さで流れてきたクロスは、その裏で待っている自分も届かない可能性が高いでしょう。豊田選手の高さとジャンプ力があってこそ、そのままヘディングで叩き込めるのであり、身長が低い選手の場合は、たとえば佐藤寿人選手のようにニアサイドへ走り込み、相手の一歩手前で合わせるようなパターンのほうが向いているでしょう。
 
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『ポジショニング』は、ストライカーにとって非常に大切な要素です。自らの身体能力、テクニックを生かすためには、どのようなポジションを取ればいいのか。自分に似たタイプのプレーで結果を残している選手のポジショニング、体の向きをよく見て、研究すれば、大きくサッカースキルが向上するはずです。
 
 
清水英斗(しみず・ひでと)//
フリーのサッカークリエイター。ドイツやオランダ、スペインなどでの取材活動豊富でライターのほか、ラジオパーソナリティー、サッカー指導、イベントプロデュース・運営も手がける。プレーヤー目線で試合を切り取ることを得意とし、著書は、『あなたのサッカー「観戦力」がグンと高まる本』『イタリアに学ぶ ストライカー練習メニュー100 』『サッカー観戦力が高まる~試合が100倍面白くなる100の視点』『サッカー守備DF&GK練習メニュー100』『サイドアタッカー』 『セットプレー戦術120』など多数。
●twitterID:@kaizokuhide
 

 

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文/清水英斗 写真/新井賢一

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