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こころ

子どもが自立してのびのびとサッカーを続けるために、親はどう関わればいい?

公開:2013年6月24日 更新:2020年3月24日

キーワード:自立

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  子どもたちにどう接したらいいの?どこまで関わって何をしてあげれば伸びるの?サッカーをプレーする子どもを持つ親御さんの永遠の悩みとも言える、子どもたちへの接し方。今回は数多くの著書を執筆し『子供を自立させる55の方法―親の努力が、子供の才能になる』など、子育てに関する著書も多い中谷彰宏さんに「子どもの自立」についてお聞きしました。
 
 

■子どものためにできること=親の自立!?

「まず一番大切なのは、子どもたちにサッカーを“やらせない”ことですよね」
 中谷さんはしばらく考えた後、優しい口調でこう話し始めました。
 
「自分がサッカーを好きだから子どもにやってほしい。その気持ちはわからなくもないですが『せめて子どもにはサッカーをやってほしい』という気持ちから、サッカーを“やらせる”のは、子どもたちを親の夢の“代償”にしてしまう行為です。子どもを自分の代わりにしてしまうことは、サッカーでうまくいかないという以上に、子どもの人生をダメにしてしまう可能性があります」
 
 いきなりドキッとさせられる言葉が飛び出しました。子どもたちの自立に一番必要で、最初に取り組まなければいけないこと・・・・・・。それは「親が自立すること」だと中谷さんは言います。
 
「子どもに寄りかかるのをやめましょうということです。サッカーを親が子どもに寄りかかるための道具にしないこと。子どもにおんぶにだっこでは、子どもの自立は望めませんよね」
 
 次に中谷さんが挙げたのが「親の口出し」の問題です。
 
「サッカーをしているお子さんを持つ保護者の方はサッカーが好きで、素人なりに一家言持っていたりします。はじめはおとなしく応援していても、ついつい『ここはこうなんじゃないの?』と言いたくなります。これはやはりよくありません。コーチはあるビジョンを持ってロングスパンでサッカーを教えています。それに対して、保護者の方は気になったことをその都度言ってしまう。これでは子どもはどちらの言葉を信じていいかわからなくなります。大抵は一緒に過ごす時間の長い親の言うことを聞くようになり、コーチの指導に従わなくなる。結局、試合にも出られなくなるという悪循環に陥ってしまいます。これは受験でも同じで、塾に行っているのに親が勉強を教え出した子どもは成績が上がらない。東大出身の親は受験勉強のことをよくわかっていますから『邪魔になる』ことを知っていて、勉強に口出しはしないものなのです」
 
 そうは言ってもコーチが正しいとは限りません! そんな反論も聞こえてきそうですが、中谷さんの答えは明快です。
 
「指導方針が合わないと感じたり、コーチに不信感があるのならチームを変わってしまえばいいのです。子どもたちは素直ですから、そのことで真剣に悩んだりするんです。親とコーチの板挟みにしてはいけません」
 
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■親のすべきことはしつけと健康管理

 では、サッカーをしている子どもたちに親がすべきこととはなんでしょう?
 
「しつけと健康管理。これだけです。『靴のかかとを踏まない』。靴のかかとを踏んでいて一流になったスポーツ選手は一人もいません。玄関の靴を揃える、サッカーは宿題をやってから。すべきことはこれだけと言っても、本来やらなければいけないことはたくさんあります」
 
 ゲームのやり過ぎで睡眠不足になっていないか? 朝ご飯をきちんと食べているか? 日常生活に目をやれば、健康管理だけでもやるべきことはたくさんあるのです。
 
「真面目で一生懸命なお母さんに多いのですが『子どものために』とチームの仕事を献身的にやろうとします。はじめのうちはいいのですが、だんだんそれを負担に感じるようになります。これだけしてあげているんだから! と、“子どものため”がまたもや代償行為になってしまいます。頼まれたことはやるくらいのスタンスでサッカーとは距離をとった方がうまくいきます」
 
 親の過干渉が子どもたちの成長チャンスを奪ってしまう。
 
「プロ選手になれるのは一握りです。であれば、社会人になったときにどう生きていくか。サッカーがどう活かされるか。“自立”とは転んだときに自分の力で起き上がれることを言います。親ができる最高に厳しくて、最高に優しい自立を促す方法は、突き放すこと、見守ることです」
 
 子どもたちを転ばせる勇気、そこから自分の力で立ち上がるのを見守る忍耐、子どもを変えるにはまず自分たちが変わる必要がある。中谷さんの言う“親の自立”のポイントは次回に続きます。
 
 
子どもの自立に必要なことは「親の自立」!?まずは見守ることから始めよう>>
 
 
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中谷彰宏//(なかたに・あきひろ)
1959年大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂勤務を経て、独立。91年、株式会社中谷彰宏事務所を設立。【中谷塾】を主宰。全国で、セミナー・ワークショップ活動を行う。【中谷塾】の講師は、中谷彰宏本人。参加者に直接、語りかけ質問し、気づきを促す、全員参加の体験型講義。『14歳からの人生哲学』『中学時代にしておく50のこと』(いずれもPHP研究所刊)など。著作は、920冊を超す。公式サイトはコチラ
 
 
 
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取材・文/大塚一樹 写真/田川秀之(JA杯全農チビリンピック2013全国決勝大会より

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