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スポーツ現場のハラスメントに保護者として何ができるのか、「NO!スポハラ」活動ワークショップレポート

公開:2023年10月 3日

キーワード:NO!スポハラ活動スポハラスポーツハラスメントハラスメント

9月17日、スポーツの現場におけるハラスメント根絶を目指す「NO!スポハラ」活動の保護者向けワークショップが開催されました。その模様をレポートします。

 

NO!スポハラ_1.JPG
ワークショップに参加されたみなさん

 

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■子どもたちが安全・安心にスポーツを楽しめるために、保護者ができること 

7月に開催された「NO!スポハラ」活動保護者向けセミナー(オンライン)を受講した方を対象にした実践編のワークショップで、「NO!スポハラ」活動の実行委員である土屋裕睦さんが司会を務め、スポーツメンタルコーチの柘植晴永さん、大学教授でスポーツ心理学の専門家である渋倉崇行さん、コーチとしてオリンピック帯同の実績を持つ松井陽子さんが講師を務めました。

この日は「子どもたちが安全・安心にスポーツを楽しめる社会を作るために、保護者ができることって何だろう」をテーマに、集まった保護者達がグループになってワークに取り組みました。
 

7月開催「NO!スポハラ」活動保護者向けセミナーの動画はこちら

 

■スポハラは指導者と選手間だけのものではない、保護者から指導者へのスポハラも

スポハラ(スポーツ・ハラスメント)ときくと、どうしてもチームの指導者から選手への暴言などをイメージされがちですが、スポーツの現場における関係者の誰によっても、誰に対しても起こりうるという説明からワークショップはスタートしました。

参加者のお子さんがやっている競技は様々でしたが、ハラスメント根絶への意識が高い方ばかりなので、すぐに打ち解けて活発に意見交換をしていました。

 

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■スポハラが起きやすい環境、動機、ハラスメントを正当化する気持ち

柘植晴永さんによる付箋を使ったワークでは、自分から見たチームの状況やほかの選手たちとの距離感・方向性などを付箋と画用紙で立体にすることで「子どもの置かれている状況を俯瞰で見る」時間となりました。

柘植さんによると、画用紙を回転させると見えるものが変わり、何が課題かがわかってくるのだそうです。

渋倉崇行さんのワークでは、なぜスポハラが起きるのかをテーマに、ハラスメントが起きやすい環境や動機、ハラスメントを正当化する気持ちについて書き出しタイプ別に分類し、予防法を話し合いました。

 

・練習環境に人目がない
・チーム運営者や保護者から勝利を求められる
・結果を出すことで進学や就職に有利になるので正当化される

 

など、ハラスメントが起こる理由について、活発な議論がかわされていました。

 

NO!スポハラ_2.JPG
ワークではハラスメントが起きやすい環境や動機、ハラスメントを正当化する気持ちを書き出し、分類した

 

■スポハラを予防するために保護者ができること

松井陽子さんのワークでは、スポハラを予防するために「保護者ができること」「保護者だけではできないこと」をグループで議論しあい、出た内容を発表しました。

グループワークの結果、このようなアイデアが発表されました。

 
・親子のコミュニケーションを深める
・子どもをもっと理解する
・悩みがあったら言いやすい関係性を作る
・子どもの話をよく聞く
・自分の子だけでなくチームの他の子ともコミュニケーションをとり、つらい事がないか探る(練習の時や自宅に遊びに来た時などに声をかける)
・指導者との対話を増やす、関係性を構築する
・ほかの保護者とのコミュニケーションをもっととる
・子どものスポーツに求めるものが何か、ほかの保護者とも話し合う(スポーツは楽しいもの、今日の結果だけでなくもっと先を見よう と共有したい)
・NO!スポハラ活動を紹介する

 

このワークショップに参加するほどハラスメント根絶への意識が高い保護者の皆さんも、これまで「保護者として自分に何ができるのか」を考えたことはあまりなかったようで、このワークに苦戦する方もいました。

それでもグループのメンバーと話しあう中で、自分なりの「保護者の心得」を3つ決めて書き出し、すべてのワークが終了しました。

 

■仲間作りが「NO!スポハラ」のカギ

ワークショップでは、スポーツ・ハラスメントはこのような関係でも起こり得ることが伝えられました。


・指導者から選手
・指導者同士
・先輩から後輩
・保護者から指導者

 

指導者の暴言だけではありません、選手同士保護者から指導者への心ない声などもハラスメントになるのです。それによって、楽しいはずのスポーツが苦しいものでしかなくなってしまいます。

「NO!スポハラ」活動の実行委員である土屋裕睦さんは、閉会のあいさつの中で、「賛同者を作ることの大切さ」を伝えました。

プレーする選手も、指導者・チーム関係者も、保護者もそれぞれをリスペクトしあい、誰もが安全・安心にスポーツを楽しめる社会にするのが「NO!スポハラ」活動の目的ですが、一人で行うのは難しいこともあります。

仲間作りが「NO!スポハラ」のカギ、という土屋さんの言葉に、参加者の皆さんは大きく頷いていました。

他の競技の保護者とのワークを通じて、自分だけでは気づけなかった視点やアイデアを得たり、学びを深める会となったようでした。

 

「NO!スポハラ」活動とは
日本スポーツ協会、日本オリンピック委員会、日本パラスポーツ協会、日本中学校体育連盟、全国高等学校体育連盟、大学スポーツ協会の6団体が2023年にスタート。2013年に発出した「スポーツ界における暴力行為根絶宣言」から10年たち、改めてスポーツにおけるハラスメントをなくし、誰もが安全・安心にスポーツを楽しめる社会をつくることを目指し、情報発信やイベントを実施。スポハラ(スポーツ・ハラスメント)に、みんなが『NO!』と言う社会を目指して活動している。

 

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