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サッカー豆知識

サッカー界から暴力、暴言、ハラスメント根絶のためにJFAが行うコーチへの指導<後編>

公開:2020年9月29日

キーワード:JFAハラスメントフェアプレーリスペクト宣言日本サッカー協会暴力暴言相談窓口

前編では、暴力暴言などに対する日本サッカー協会(以下JFA)の現状の対応や保護者はどうすればいいか、などのお話をうかがいました。

後編では、子どもたちを指導するコーチたちへ協会としてどういう指導をしているのか、それによってコーチたちはどう感じているのかなどを、日本サッカー協会技術委員会指導者養成ダイレクターの鈴木淳さんにお話を聞きました。
(取材・文:前田陽子)

 

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そもそも暴力暴言指導を起こさないために、指導者だけでなく保護者も含め、スポーツに関わるみんなの意識改革が必要なのです

 

<<前編:サッカー界の暴力・暴言指導・ハラスメントの現状とこれから。選手の笑顔を守るためのJFAの取り組み

 

■コーチはもちろん、スポーツに関わる人の意識改革が必要

スポーツ界で暴力暴言が減らない現実に「指導者を含む大人たちの意識改革を促す取り組みが必要だと思います」と鈴木さん。

これはサッカー界だけでなく、スポーツ界全体で取り組まなければならないこと。また、「犯してしまった人への再教育なども徹底していかないといけない」とも。まだまだ根性論で指導する方も存在する現状ではありますが、暴力暴言を減らすためにJFAでは、コーチライセンス取得時の講習で、暴力根絶について学び、考える時間を設けています。

JFA公認指導者ライセンスのC級ではサッカーの競技としての成り立ち、ルールを学びながら指導者の基本的なモラルを意識してもらいます。サッカーが誕生したころは、レフェリー不在でセルフジャッジし、問題があったときに第三者に聞いて解決していました。そういう意味で相手や周りの人をリスペクトしてプレーして、自分たちでコントロールするところも多かったはず。サッカーの競技精神を理解することで、すべての人をリスペクトする気持ちを学びます。

A級、B級では、グループワークを用いて暴力根絶について考えます。現場で行われていることを課題にどういう対策をしているか、そもそもそれを引き起こさないために、サッカー界全体でどういう取り組みをしなくてはいけないのか。

おそらく完璧な答えはないのですが、グループワークなどを通じて暴力根絶の意識を高めることはできています。また、講習の中で受講生たちに暴力根絶の講習会を主催してもらったり、スローガンを作ったりといった取り組みも行なっています。

 

■暴力・暴言・ハラスメントを無くすことを継続して考えることが大事

講習を受けたコーチたちからは「やっぱりもう一度考えなければ」「改めて気を付けなければいけない」という声が多数上がると鈴木さんは教えてくれました。

自身が現役時代に暴力を受けていたというコーチもかなりいるので、そういう人がこれからの指導を考えるきっかけになっていることは確実です。しかし啓蒙活動は難しく、一度の講習で一気に変わるものではありません。

とにかく継続することが大切です。そして過ちを犯してしまった人に対して救いの手を差し伸べることも非常に大事なことだと思っています。やってしまったからと突き放すのではなく、そういう人もサッカーファミリーの一員として何らかの手助けをしなければいけない。一定期間の資格停止や再生プログラムを受けてもらい、きちんと反省し指導者として復活することも開始しています」と鈴木さん。

指導者が何か問題を起こした時は、まず各都道府県のサッカー協会でその行為が本当に行われていたのかなどの調査が行われます。懲罰に値するか否かの審査を経て、6カ月以上のサッカー関連活動の停止が妥当と判断された時にJFAに上がり、再審査となります。6カ月以上の活動停止となった場合には、指導者養成部会で指導が行われています。

暴力暴言などについての講習は、現在はライセンス取得時のみですが、今後はリフレッシュ講習でも義務化したり、そういった講習を必ず受けなければ指導者ライセンスが更新できないような仕組みにすることも考えているそうです。

 

■指導も変わり自分で判断ができサッカーが楽しめる子が増えてくる

以前と指導方法も変わり、暴力暴言を用いて指導するコーチは減ってきています。もしお子さんのコーチがまだ暴力暴言を使いワンマンに指導をしているのであれば、周囲のチームをよく見てください。地域にモデルとなる指導者がいて、子どもたちが楽しんでいるチームが必ずあるはずです。

「これまでは子どもたちは命令される形でプレーをしていて自分で判断ができませんでした。けれど日本のサッカーが変わってきて、コーチたちも変わり、これからは判断ができる選手がどんどん出てくるはずです。

あれやれこれやれと一方的に言われて動くロボットのような選手では、これからは通用しません。本人も楽しくないでしょう。判断ができる選手が生き生きとプレーできるように指導するコーチが実績を上げてくるようになる。そういう選手がサッカー界で重宝され、そういう選手を育てられるコーチが重宝されるようになってくると思いますよ」

子どもたちの技術・判断力は確実に向上しています。JFAではそういう選手が増えるように指導者への講習を行っています。コーチになる資質について鈴木さんは「一番はサッカーを愛している、好きだということ。選手のことを第一に考えられること。そしてコーチ自身が指導することや教えることを楽しめること」と教えてくれました。

暴力や暴言への対策が他競技に比べて進んでいると言われているサッカー界ですが、これからも根絶に向けての啓蒙活動は続いていきます。

 

日本サッカー協会 暴力等根絶相談窓口
対象となる行為の詳細、通報フォームはこちら>>

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取材・文:前田陽子

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