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インタビュー

2015年8月21日

「日本に足りない"人間力"をサッカーで養ってほしい」村井チェアマンの想い

キーワード:Jリーグ子育て

■サッカーの“原体験”を増やすために親にできること

――こうした取り組みや考え方を広げるためにJリーグではどういうことをやっていきたいと考えていますか?
 
村井 サッカーは国際的に開かれたスポーツです。人間力を鍛えるためには、様々な環境に身を置くことが大切ですから、国際的な大会に積極的に出て行くことが大切です。少し上の年代ですが、U-14のJリーグ選抜がスウェーデンで行われた世界最大規模のユース大会「ゴシアカップ」に参加しました。一つ上のU-15のカテゴリーで、200以上のチームが参加した大会で3位になったのですが、普段とは違う環境に身を置く、異文化に触れるという経験を積むことで子どもたちはいろいろ考えたと思うんです。
 
また、日本では、国内でずっと選手のキャリアを積んで、トップの選手になって初めて海外へ行くケースもまだ見受けられますが、強豪国のメキシコでは、9歳からどんどん海外に出て試合をして、ある程度の年齢までに国際試合を100試合以上経験しているというケースが珍しくないと聞いています。これらの事例を通じて、国際経験をより多く積む環境を整備していく必要性を強く感じました。たとえばJリーグが主導して、日本にこうした海外のクラブに来てもらう大会を作ったり、積極的な海外交流を行ったりということをどんどんやっていきたいと思っています。
 
――子どもたちへの刺激、経験という面では、海外のサッカーを含めたトップレベルのサッカー、また身近なプロリーグであるJリーグを観戦することも大切だと思います。
 
村井 それはとても重要だと思っています。より多くの子どもたちにスタジアムに足を運んでもらうために、各クラブが地域の特性を活かしそれぞれに様々な取り組みをしていますが、たとえばジュビロ磐田は、毎年市内の小学生を招待し一斉観戦デーを設けています。FC岐阜やファジアーノ岡山など複数のクラブでは、「夢パス」といって、小学生は無料で試合が観られるというチケットを発行しています。
 
――たしかに子どもにとってはサッカーをやっていた、ボールを蹴ったことがある、スタジアムに親と一緒に行ったことがあるというのはある意味での原体験になります。一方でサッカーをやっている子どもたちはサッカーをプレーするのに忙しくてスタジアムに足を運べないという問題もあります。
 
村井 それはありますよね。私も息子がプレーしていたとき、年間180試合というのはちょっとやりすぎだなと今になって反省しています。見て学ぶこともたくさんありますし、サッカーを体験するというのはプレーだけではありません。私も高校時代に、全国2連覇した浦和南高校を倒すためにサッカーに打ち込みましたが、サッカー番組『ダイヤモンドサッカー』を見るのも大好きで、ブンデスリーガをはじめ、世界のサッカーの素晴らしさに触れ、ワクワクしていたものです。あの時のドキドキ、ワクワク感が、紆余曲折あって今こうしてサッカーの仕事に関わっているエンジンになりました。「サッカーで街が元気になる!」という確信があるのも、そうした原体験があるからなんです。
今はテレビでいくらでも世界のサッカーに触れることができますが、スタジアムで生で見るのはやはり違います。ダイジェストでしか試合を見ない、ゴールシーンしか見ない子どもが増えていると聞きますが、ぜひ90分間通してみてほしい。目の前の選手たちのプレーを、身近なお手本にしてほしいと思います。
 
サッカーファミリーとしての村井チェアマンのお話いかがだったでしょうか? 炎天下の中、子どもたちに混じって走り回り笛を吹いていたサッカー少年のお父さんが、Jリーグのトップにいること、子どもたちのサッカーに思いを共有していることは、これからのJリーグ、日本サッカーにプラスになるはずです。これからも子どもたちのサッカーを取り巻く環境、自分たちで積極的に考えてプレーするサッカーの普及などでご一緒できればと思っています。
 
 
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村井 満(むらい みつる)
日本プロサッカーリーグ理事長(Jリーグチェアマン)。埼玉県生まれ。高校時代はGKとしてプレー。早稲田大学卒業後、日本リクルートセンター(現リクルートホールディングス)に入社。同社執行役員、リクルートエージェント(現リクルートキャリア)社長などを歴任。忙しい仕事の傍ら、サッカーペアレントとして息子の通う少年団の引率、レフェリーをこなし、週末をサッカー三昧で過ごす。人材支援事業を通じてJリーグのセカンドキャリアに関わるようになり、2008年からJリーグ理事を務め、2014年1月31日に第5代チェアマンに就任した。
 

Jリーグウェブサイトはこちら>>
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村井 満のアディショナルタイム>>
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聞き手・構成 大塚一樹

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