健康と食育

2018年10月22日

Jリーガーも意識しているコンディション調整のための調味料の選び方

元日本オリンピック委員会強化スタッフで、現在はスポーツ栄養WATSONIAの代表としてプロスポーツ選手から企業まで広く栄養サポートをしている管理栄養士、川端理香さんに食事の大切さを教えていただきます。

これまで、どうして朝食をたべないといけないのか木綿と絹豆腐のどちらが身体を大きくするのに効果的かお魚の脂で血液がサラサラになり持久力もアップするお話など、お子さんの身体を大きくすることや力を引き出す食事について教えていただきました。

前回は、料理の味付けに欠かせない調味料が、じつは使い方次第でサッカーのパフォーマンスにも影響が出てくることをお伝えしました。後編ではJリーガーも実際にやっている調味料の選び方などをご紹介しますので、ぜひみなさんも実践してみてください。

 

<<関連記事:納豆のタレがパフォーマンスアップに影響!? Jリーガーも驚き!意外な盲点だった調味料のはたらき

(Jリーガーも実践する調味料のはたらきとは ※写真は過去のサカイクキャンプのBBQ風景)

 

■ノンオイルの方が栄養吸収率が悪い?

さて調味料の後半は、まずはドレッシングについてお話ししたいと思います。

ドレッシングをノンオイルにしているご家庭もあるかと思いますが、意外にノンオイルドレッシングはお薦めできないこともあります。

理由の一つ目が脂溶性ビタミンの吸収です。ドレッシングをかけるサラダには、葉野菜だけでなく、トマトや人参、かぼちゃなどの緑黄色野菜などを使うことも多いでしょう。これらはカロチンやビタミンEなどの脂溶性ビタミンが豊富です。

 

脂溶性ビタミンは字のとおり、脂に溶けるビタミンなので、脂質と一緒にとることで吸収があがるのです。ですから、脂質を含まないノンオイルドレッシングよりは、オイルドレッシングの方がビタミンの吸収があがることもあるわけです。

 

さらにノンオイルドレッシングのデメリットとしては、前編のめんつゆにもでてきた果糖ぶどう糖液糖が使われていたりすることです。脂質は糖質の2倍のエネルギーなのですが、脂質を抑えれば相当な糖を摂取できることは想像できるでしょう。

だからノンオイルドレッシングを選ぶ際には、やはり原材料をしっかりチェックしたいものです。

 

■「酢」は食欲増進をして疲労回復効果も

ではJリーガーはサラダに何をかけて食べているかといえば、市販のドレッシングではなく、油と塩と酢で食べています。

 

油は数年前まではオリーブオイルが主体でしたが、ここ最近はオメガ3がとれる亜麻仁油やえごま油を使う選手が多いです。

 

これらは魚脂と同じ効果があるからです。

 

塩は、前編で紹介したようにミネラルが多いものを使います。酢に関しては、黒酢にしてアミノ酸を多くとる選手もいれば、バルサミコ酢やりんご酢などを使ってエネルギーを補給しながら食べやすさを求めている選手もいます。

 

せっかくなので、ここで酢のお話もすると、米酢や穀物酢、果実酢など酢にも種類がありますが、糖質が多くエネルギーが補給しやすいのは果実酢になります。

 

食欲がない時などに、もしお酢のドリンクを飲む場合は、飲みやすさもありますが果実酢にすれば他の酢よりもエネルギー補給がしやすいのです。

 

また、よく酢は疲労回復効果が高い調味料と思われていますが、もちろんそれだけでなく、あの酸味をうまく使えば食欲増進作用があります。食事量がおちると疲労がとれにくいことがありますが、そういった場合に使える調味料の一つです。

 

■砂糖は悪者じゃない

(「食べる」ことは身体をつくること。しっかり食べて大きくなりましょう ※写真は過去のサカイクキャンプの昼食風景)

 

そして最後は「砂糖」です。
みなさんの中でも砂糖は控えめにしているとか、砂糖のかわりにはちみつを使われている方も多いかと思います。

 

とかく悪者にされやすい砂糖ですが、糖は身体を動かすエネルギー源であり、砂糖はエネルギー補給として即効性があるので成長期の子どもには大切な栄養です。過度に摂取しない限り「悪者」ではありません。

 

糖質が消化される前にブドウ糖になり、代謝機能に働きかけることでエネルギー源に変わるのですが、その時にビタミンB1が必要になるので、砂糖を料理に使う際にはビタミンB1が多い食品をメニューに取り入れるようにしましょう。

 

ビタミンB1は疲労回復に効果的な栄養素ですが、砂糖をとると、より多く必要になります。実は米やパスタなどの主食(糖質)を摂る際もしっかり摂取したいビタミンなのですが、砂糖やはちみつをとる時は余計に意識したいのです。

 

そうです、はちみつの場合も必要です。ちなみに砂糖とはちみつの大きな違いは、ミネラルが含まれているかどうかです。どちらも糖質自体はかわらないためビタミンB1が必要になることは覚えておきたいものです。

 

ちなみにJリーガーの中には、砂糖やはちみつではなく、ココナッツシュガールクマパウダーといった糖を使っている選手もいます。

 

これらは血糖値をあげにくい糖質なので、それによって血管が傷つくことなどを予防している選手もいます。

 

今回はせっかくなので一般的な調味料の選び方だけでなく、Jリーガーの調味料への意識等もお話ししてみました。

 

今回で連載は最後となりますが、これまで紹介したことはJリーガーがとりいれている一部にすぎません。でもぜひ一つでもとりいれてみてください。

 

選手の体はコラムを読むだけで終わるのでははなく、食べることで変わるのです。
ぜひ行動していただけたら嬉しく思います。

 

<<関連記事:Jリーガーにもいる、食事に気をつかっているのに大きくならない、ケガを繰り返す選手たちの誤った認識

 

川端理香(かわばた りか)/管理栄養士
スポーツ栄養WATSONIA代表。元日本オリンピック委員会強化スタッフ。2004年アテネオリンピックでは「VICTORY PROJECT」のチーフ管理栄養士として、2008年北京オリンピックでは強化スタッフとして全日本男子バレーボールチームのサポートを行う。
Jリーグでは、これまで浦和レッズ、東京ヴェルディ1969、ベガルタ仙台、サガン鳥栖、FC岐阜、コンサドーレ札幌などのトップチームや、横浜FマリノスやFC東京などの個人選手や、プロ野球選手やプロゴルファーなどのサポートも行っている。また、企業の栄養アドバイザーや大学、専門学校の講師を務めるなど多岐にわたって活動。
著書に『サッカー選手の栄養と食事』『子どもの身長を伸ばす栄養と食事』『10代スポーツ選手のケガ予防の栄養と食事』(大泉書店)、『カラダの悩みは食べ方で99%解決する』(ゴルフダイジェスト社)など多数。
1

関連記事

関連記事一覧へ