健康と食育

2018年8月21日

ミネラルって何なの!? Jリーガーにもいる、食事に気をつかっているのに大きくならない、ケガを繰り返す選手たちの誤った認識

■「レモン○個分のビタミンC」は意味なし!?

(柑橘類には疲労回復に効果があるビタミンCが多く含まれる ※写真は過去のサカイクキャンプの夕食風景)

そこで今回は、果物の中でも特に意識したいビタミンCについて紹介したいと思います。ビタミンCは疲労回復かぜの予防に必要な栄養素です。疲れているとき、身体が弱っている気がするときは、ビタミンCを多く含む果物を選ぶことがポイントなのです。

まずビタミンCが多い果物というとレモンをあげる選手が多く、商品の告知などでも「レモン○個分のビタミンC」と謳われることが多いので、レモン=ビタミンCの認知度は高いと思います。でも例えばレモンにビタミンCが多く含まれていたとしても、酸っぱいのでレモン1個全部食べることは難しいですよね。大事なのはそこなのです。

トータルの含有量よりも、食べられる量かどうかでの判断が大切です。

レモン以外でビタミンCが多い果物は、イチゴ、柿、そしてグレープフルーツなどの柑橘系です。逆に前回紹介したバナナぶどうなどには、ビタミンCはほとんど含まれていません。

それとビタミンCは、まとめて摂るよりも何回か分けて摂ることが理想です。なぜなら摂りすぎたビタミンCは吸収されず、尿として排泄されてしまうからです。ですから、1食でまとめてイチゴを食べるよりも、3食で数粒ずつわけて食べた方が効率よく吸収されるのです。

いかがでしたでしょうか。

果物を例に、ミネラルという栄養素はないことや、果物の種類によって含まれるビタミンの量が違うということなどをお話ししました。

今まで果物を食べるとき、なんとなく好き嫌いや色あいなどで果物を選んでいた方は、前回お伝えしたバナナのようにエネルギー補給ができる果物を求めているのか、それとも疲労回復のビタミンCを求めているのか、体の声を聞いてみたり目的によって選んでみてもおもしろいかもしれません。

<<関連記事:1本でご飯一杯分のエネルギー補給! 食欲がない時におすすめ、バナナとスポーツの関係

川端理香(かわばた りか)/管理栄養士
スポーツ栄養WATSONIA代表。元日本オリンピック委員会強化スタッフ。2004年アテネオリンピックでは「VICTORY PROJECT」のチーフ管理栄養士として、2008年北京オリンピックでは強化スタッフとして全日本男子バレーボールチームのサポートを行う。
Jリーグでは、これまで浦和レッズ、東京ヴェルディ1969、ベガルタ仙台、サガン鳥栖、FC岐阜、コンサドーレ札幌などのトップチームや、横浜FマリノスやFC東京などの個人選手や、プロ野球選手やプロゴルファーなどのサポートも行っている。また、企業の栄養アドバイザーや大学、専門学校の講師を務めるなど多岐にわたって活動。
著書に『サッカー選手の栄養と食事』『子どもの身長を伸ばす栄養と食事』『10代スポーツ選手のケガ予防の栄養と食事』(大泉書店)、『カラダの悩みは食べ方で99%解決する』(ゴルフダイジェスト社)など多数。
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