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プロ注目の興國高校・湯谷杏吏選手も驚いたスピードを上げる谷コーチのトレーニング

公開:2020年10月16日 更新:2023年6月30日

キーワード:タニラダー湯谷杏吏谷真一郎

近年のサッカーは「選手のアスリート化」が著しく、どのポジションの選手にもスピードが求められています。試合を通じてスピードを維持しながら、攻守に高い強度でプレーし続けられる選手は「良い選手」と評価される傾向にあります。

ヴァンフォーレ甲府のフィットネス・ダイレクターとして活動する谷真一郎コーチは「スピードの重要性」を実感するひとりです。現役時代はFWとして日本代表に選ばれた経歴を持ち、引退後は柏、仙台、横浜FC、甲府でフィジカルコーチを務めました。プロとして20年に渡り、フィジカルやコンディショニング、そしてスピードアップの指導に力を注いできた人物です。

近年は自身が考案した「タニラダー」を使い、プロ選手からジュニアまで、すべての年代に「スピードアップ」をベースとしたアジリティトレーニングの指導をしています。
(文・鈴木智之、写真・森田将義)


■選手権にレギュラー出場した湯谷杏吏選手がタニラダーパーソナルを受講

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昨今はオンライトレーニングを通じて、日本各地の選手の指導にも励んでおり、高校サッカーの強豪校で、毎年プロ選手を何人も輩出している興國高校(大阪府)の湯谷杏吏選手も、谷さんの指導を受けて、スピードアップ、アジリティ向上に取り組んでいます。

湯谷選手は「走るスピードは普通ですが、守備で相手についていくときに遅れることがある」と自身の課題をとらえていて、谷さんの指導で改善を目指しました。

谷さんはオンライントレーニングを通じて、湯谷選手に「早く走るためのステップワークと走り方」をレクチャーしていきます。

まず谷さんが伝えたのは、「走るときの姿勢」です。速く走ろうとしてよくあるのが、前傾姿勢になり、身体に力が入ってしまうこと。谷さんは「前傾姿勢になり、身体に力が入ると、スピードが出ません」と、姿勢の重要性を伝えていきます。

「陸上のスプリンターの走り方を見るとわかると思いますが、スタートしてトップスピードに乗ると、頭の位置は地面に対して垂直で、ほとんど前傾していません。膝を90度くらいまで上げて、身体の真下を踏み込み、地面からパワーを受け取り、それを前に進むエネルギーに変えています」

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谷さんが指摘する、「遅くなる走り方のポイント」が5つあります。それが「ひざが上がっていない」「姿勢の崩れ」「力んでいる」「腕をまっすぐに振れていない」「かかとで地面に接地している」です。

■湯谷選手がスピードを落としていたポイントとは?

湯谷選手の走りを映像で分析したところ、「腕を斜めに振って走る」癖があることがわかりました。谷さんは「腕を斜めに振ると体幹部が回旋し、ひざが内側に入るので、スピードのロスが生まれます。ひじが伸びている時間が長いと、走りのテンポが上がりづらい。腕を曲げてまっすぐ振ると、連動して脚も振りやすくなります」とアドバイスを送ります。

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さらに「ひざの高さ」にも言及し、「走る時のひざの位置がやや低いのは、日常的に細かいステップで、相手に寄せることを意識しているからでは?」と分析。「ひざをもう少し上げると、6歩かかっていたところが4歩でいけるようになります」と説明し、脚を踏み込む位置、動き出すときに顔を上げることなど、改善点をあげていきます。

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「動きの改善に取り組むときは、映像を使って『自分の動きがどうなっているか』を知ることが大切です。それが理解できないと、どこをどう改善すればいいかがわからない。つまり、トレーニングのしようがないわけです。自分はいまどうなっていて、どこを改善したほうがいいのか。そのために、このトレーニングをするという過程を経ることで、有効なトレーニングになります」

■改善ポイントを理解するとトレーニングの意味が分かる

湯谷選手の動きを分析し終えたところで、正しい動きを身につけるドリルを谷さんが実演します。オンライントレーニングなので、画面の向こうで湯谷選手も真似をして動き、その様子を見ながら、谷さんがアドバイスを送っていきます。

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前後の動きの指導とドリルを終えたところで、方向転換についてもレクチャー。谷さんは「肩、ひざ、拇指球を同じラインに保ち、構えは深すぎず、浅すぎず」と説明し、実演を交えて解説していきます。

谷さんは「この動きを自分のスタンダードにすることができれば、Jリーガーになるだけでなく、その先の世界も見えてくる」と話し、1回目のトレーニングを終えました。

2回目のオンライントレーニングまでに、湯谷選手は個人で走り方、姿勢、ステップワークのドリルを行い、その様子を撮影しました。谷さんは映像を見ながら「トレーニングの成果が出ていますね。姿勢が良くなり、腕振りが改善傾向にあります」と笑顔を見せます。

「一度に全部は難しいので、今日は姿勢と腕振り、別の日は脚の上げに意識を向けるなど、ひとつひとつクリアしていけばOKです。湯谷選手は前傾し過ぎが直り、顔が上がってきました。視野を確保したまま動くという、試合で生きる走りになっています。変化が出てているので、継続すれば良くなっていきます。トレーニングを続けて、新たな走りのテンポを身につけましょう!」

■湯谷選手・内野監督が実感したスピードの変化

<アジリティ前後ターンでの変化>

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湯谷選手も「チームでアジリティテストをしたのですが、良いタイムが出ました。自分としては、もうちょっと遅いと思っていたんですけど」と、変化に驚いた様子でした。

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興國高校の内野監督からも「湯谷選手自身がモチベーション高く取り組めたのかゲームにおける対人対応に変化を感じています!相手のボールを奪う回数が増えたのはアジリティの変化だと思いますし、このプロジェクトを知らない人からも『湯谷ちょっとスピードついてきたね!』と言われるようになりました。」と湯谷選手のスピードの変化について実感をしていることをお話いただきました。

谷さんは「目標としている『世界』と戦うためには、ちょっとした差が大きな差になります。その差を生むステップワーク、身体の使い方を自分のものにしてプレーしていってほしい」とエールを送り、オンライントレーニングを締めくくりました。

身長180cmで足元の技術が高く、判断力に優れた湯谷選手。これにアジリティが加われば、ワンランク上の選手になることができるでしょう。今後の成長が楽しみです。

興國高校・湯谷選手が体験したパーソナルトレーニングはこちら>>


■タニラダーパーソナルトレーニング

「どうしてもスピードが上がらない」「スピードの課題に直面している」といった悩みを抱える小学校4年生以上(プロ選手を含む)の選手向けに、谷真一郎コーチとタニラダーインストラクター陣が、走り方の映像を分析し、スピードを落としているポイントを分かりやすく丁寧に説明、トレーニングを行いながら選手のスピードアップをサポートを行います。
興國高校・湯谷選手が体験したパーソナルトレーニングはこちら>>

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