■股関節の動きが良くなるとヒザ痛軽減にも
股関節は球関節のため、あらゆる方向に可動域を持ちます。ボールのような形状の骨がスムースに回転することで方向転換や切り返しがより素早く行えるようになるのです。
また、骨盤を立てて股関節を可動させることで、連動した筋肉にも影響があります。腰痛の原因でもある大腰筋は、インナーマッスルでもあり、正しく股関節を使うことで鍛えられます。また、骨盤底筋や内転筋、ハムストリング(太もも裏の大きな筋肉)などがきちんと機能することで股関節が安定し、ヒザへの負担が軽減するのです。
したがって、股関節の動きが良くなると、ジュニア年代も悩まされる「ヒザの痛み」の予防にもなります。
(写真はU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2017より)
松井さんは、日本の方がスペインに比べヒザの痛みを抱える子が多い印象だと言います。これも良い姿勢が身についていない事や股関節がうまく使えていないことに原因があるのです。
お子さんが「ヒザが痛い」と言い出す前に、正しい姿勢と股関節のボール(球体になっている関節部分)をスムースに動かせるようトレーニングでケガの予防に努めましょう。
ケガ・痛みなくサッカーを楽しむために、予防の知識を得てわが子の快適なサッカーライフをサポートしましょう。
松井真弥(まつい・しんや)
アスレティック・トレーナー。2010年より10年間、スペインのリーガ・エスパニョーラ1部の名門RCDエスパニョールでトレーナーを務める。帰国後は2011年から14年までJリーグのベガルタ仙台でトレーナーとして活動。現在は千葉市にある鍋島整形外科にて身体のケアや身体の使い方によるケガ減少の指導を行っている。不定期で走り方教室を開催中。
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文:原山裕平、写真:新井賢一(U-12ジュニアワールドチャレンジ2017)