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「子どもを伸ばす親は、これをする」高妻教授の保護者メンタル強化論

よその子も応援する?しない?子どもを育てる、保護者チームワーク

2012年8月 1日

キーワード:コミュニケーションメンタル子どものやる気

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送り迎え、お弁当の準備、試合中の応援と、保護者の皆さんによるボランティアで、ジュニア選手たちの活動は大いに助けられています。家庭だけでなく、練習中や試合中も近くでサポートを続ける保護者の言動が、子どもたちに影響するのは当然。「そうした保護者が対立すれば、子ども同士の対立を招くだけでなく、指導者軽視の風潮を生み、本人の成長も妨げます」と高妻先生。最近チームの雰囲気がよくない、子どもがやる気を出さない。そんな停滞ムードを生み出しているのは、実は保護者自身かも知れません。大人だから考えてほしい、スポーツ活動の中の人間関係。高妻先生にメンタルトレーニングの視点からアドバイスをいただきました。
 
 
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■大人がたくさん集まっても、主役は子どもたち

自分が頑張っているから、もっと他の親にも努力してほしい。あの人の応援のやり方は間違いではないのか。立場や考え方の違う大人が集まれば、いろいろな意見が出るのは当然です。しかし、活動の主役は選手である子どもたち、そして指導するのはコーチです。サポート役の保護者が対立しても、メリットは全くありません。
 
【保護者同士のこんな会話に要注意】
練習が始まる前。ちょっとした言葉から、保護者同士の行き違いが深刻になるケースはありませんか。「前回の練習を見たのですが、合間にお茶の差し入れが多くて、邪魔じゃないかと思うのですが」「え?子どもたちの体を気づかって、ずっとやってきたことですよ。そちらこそ、最近お見えになった割に、いろいろ細かいんですね」……。
 
「この会話では、お互いの立場や考え方の違いが、そのまま対立につながっています。お手伝いができる方となかなか難しい方、あるいは積極的に参加する方と無関心な方など、保護者もさまざまです。お互いの違いを十分考慮して協力し、補い合って選手をサポートする姿勢を大切にしてほしいですね。」
 
今、ジュニア選手の活動では、保護者の皆さんのボランティアワークが非常に大事な役割を担っています。しかし、あまり役割が大きいと負担に感じるのも事実。一人ひとりができる範囲で、無理することなく、同じ活動で一緒の保護者同士が知り合い、友人関係を広げるような気持ちで参加してはいかがでしょうか。
 
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■保護者同士の交流で、チームの一体感を作る

しかもなかには、特定の保護者で仲良くグループを作り、グループごとに敵対するような関係も生まれるようです。
 
【保護者同士のこんな会話に要注意】
練習が終わり、数人の保護者が集まって、自分の子どものポジションやチーム運営についての会話に。「うちの子、どうしてレギュラーになれないんだろうね。ちょっとコーチに直接話をしてみようかな」「そうですよ。絶対にあの○○さんの子どもより、うまいと思いますよ。何か変じゃないですか」……。
 
「この場面に登場する保護者同士で対立はありませんが、これを原因にグループができ、指導者まで巻き込んだ敵対関係に広がりそうな雰囲気です。他の親に敵を作ることは、一番やってはいけないこと。また選手の起用などは指導者が考えることで、保護者の役割でないことも理解してください。」
 
こうした保護者の言動を目にした子どもは、自分たちもグループを作って対立するでしょう。また自分の努力不足に目を向けないで、保護者と同様に「何か理不尽な理由で自分が評価されないのだ」と思い込み、指導者の言葉を素直に聞かないかも知れません。そうして指導に従わないと実力が伸ばせず、練習がつまらなく感じ、やがてサッカーそのものに興味を失うケースだってあるのです。
 
「自分の子はレギュラーになってほしい、その気持ちはわかります。しかしそうした時でも、是非ご自分のメンタルを強く保って、ポジティブなサポートに徹してほしいのです。今のレギュラーポジション、華々しい活躍が、お子さんの最終目標ではないはず。保護者が一体となって応援する姿勢、これは非常に大事です。例えば試合の時、自分の子もよその子もこだわりなく、いいプレーは全員で一生懸命応援して、チーム全体の雰囲気を盛り上げてほしいと思います」。
 
【保護者同士でこんな会話をしていこう】
練習が終わって、来週の試合の打ち合わせで。「今日はありがとうございました。来週の試合、私は仕事で行けないのですが、うちの息子もよろしくお願いします」「わかりました。最近、調子いいみたいですね。一生懸命応援しますよ」「そちらの息子さんも、今日のプレーは周囲にしっかり目配りできて、まさに伸び盛りですよね」……。
 
分け隔てなく応援する保護者を見た子どもたちは、きっとチームで協力してプレーするすばらしさを感じてくれるでしょう。これから選手として大きく成長し、一生スポーツを楽しむ豊かな人生を送るための準備期間にいます。そのスポーツの魅力や楽しさを、大人の人間関係で傷つけないよう、是非ポジティブな応援で後押しをしてあげてください。
 
「子どもを成長させる、保護者同士のいい関係」
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参考文献:『今すぐ使えるメンタルトレーニング コーチ用 』『野球選手のメンタルトレーニング 』『基礎から学ぶ!メンタルトレーニング 』(ベースボールマガジン社)
 
 
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高妻容一(こうづまよういち)//
1955年生まれ。東海大学体育学部教授。国際メンタルトレーニング学会、国際応用スポーツ心理学会など多数の学会に所属。1994年にはスポーツ心理学を背景としたメンタルトレーニングの組織「メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会」を設立し、日本でのメンタルトレーニングの正しい理解と情報交換を目的に活動を続けている。
 
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取材・文/山辺孝能 写真/サカイク編集部

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