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3つのコツを掴めば50メートル走のタイムはグッと縮む! スポーツ科学教授が解説、速く走る方法

公開:2013年9月18日 更新:2024年2月 7日

キーワード:スピードアップトレーニング練習走法足が速くなりたい

体育の授業、運動会、クラブ活動と何かと競走する機会の多い50メートル走。
「少しでもいいから速く走れるようになりたいなあ」
そんなふうに思っている子どもたちは少なくないです。
50メートル走というのは距離が短いだけあって、ちょっとしたコツを掴めば案外簡単に秒数を縮めることができます。
 今回は、日本体育協会のホームページで「速く走るためのポイント」を紹介している宇都宮大学のスポーツ科学の加藤謙一先生に50メートル走を速く走るための3つのコツを教えてもらいました。
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 加藤先生は、3つのコツを挙げます。
1.踏ん張るための足を決めて最高のスタートダッシュをきる
2.腕をしっかり振り、しかし、力まずにリラックスして走ろう
3.ゴールを見据えて、最後まで気を抜かずに走り切る

1.踏ん張るための足を決めて最高のスタートダッシュをきる

距離の短い50メートル走で秒数を縮めるためには、スタートダッシュが何よりも重要です。足で地面を蹴って勢いよく飛び出しましょう。そのためにも地面を蹴る、踏ん張る足がどちらの足なのかを知っておくことが大切です。
ただし、実際にスタート本番になったときに「あれ? どっちの足で踏ん張ればいいんだっけ?」などと、自分でもわからなくなってしまうようなことがしばしば。
そこで、踏ん張るための足を知るための方法を加藤先生が教えてくれます。
「まず腕立て伏せの姿勢をとり、用意ドン!で走ってください。その時に、自分の体を支えた足が、あなたにとっての"踏ん張る足"で、スタートラインで構える時に前に出す足にします。スタートダッシュをするためには、その前の足で地面を思い切りよく蹴って飛び出します。サッカーをやっている子どもたちならば、ボールを蹴るときに軸足になっている足が"踏ん張る足"になっていることが多いはずです」
 前になる足が決まっても、スタート地点にただ突っ立っているわけにはいきません。
 「"踏ん張る足"を前へ出したら、次に、一緒に走る友だちと押し合いっこをしてみましょう。一人で練習をする場合は壁を使ってもいいですね。そのときの膝の角度を確認してください。あるいは、立幅跳びをするときの沈み込んだ姿勢をイメージしてみてください。そのときの膝の角度のままスタート地点に立ちましょう
 視線はまっすぐ前方か、やや下向きに。あとはスタートの合図に神経を集中させます。これでスタートの準備はばっちりです。
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■腕をしっかり振り、しかし、力まずにリラックスして走ろう

 うまくスタートダッシュができたら、腕をしっかり振って走りましょう。
 「体の軸がぶれないようにするために、しっかりと腕を前後に振りましょう。よく、『腕の角度はどうすればいいんですか?』と聞かれることがありますが、気にしないでください。腕がまっすぐではなくて、斜めになってしまっても大丈夫です。大切なことは体の軸がぶれないことだからです。また、腕をしっかり振ってさえいれば、腕の動きと脚の動きは連動しているので、脚は大きく動いてくれます。脚の動きよりも、腕の振りに意識を集中させてください
 腕をしっかり振り、ゴールを見据えて一生懸命に走る。けれど、がんばって走ろうとすればするほど、体はガチガチになって力んでしまうもの。速く走るためには、力まずにリラックスしながら走ることも大きなポイントです。
 ここで加藤先生は、力まずにリラックスして走るための、とっておきの裏技を教えてくれました。
両手に生卵を持って走ってみましょう。力んでいるときは手に力が入ってしまっているので、その力みが肩にも伝わってしまい、身体のバランスを崩す原因になりかねません。両手に生卵を持っていれば、強く握れば卵が割れてしまうので手に力を入れることはできません。すると、肩の力がスッと抜けてリラックスしながら走れるのです。だから、走っているときの両手は、グーでも、チョキでも、パーでも、力んでいなければ、いずれでも構わないのです」
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■ゴールを見据えて、最後まで気を抜かずに走り切る

 腕をしっかり振って、力まずにリラックスして走れるようになれば、速く走れるようになるためのゴールは目前です。最後のポイントは「気を抜かずに最後まで走り切ること」。ゴールラインよりも5m先まで走るつもりで全力を出し切りましょう。以上のポイントさえ押さえれば、「誰でも」「簡単に」「すぐに」、速く走れるようになるはずです。
 「ただし」と、加藤先生は最後にこんな指摘をしています。
 「最近の大学生には50メートル走を最後まで走り切れず、途中で足がもつれて転んでしまう人もいます。長年の運動不足がそういう事態を引き起こしているのです。今の子どもたちも日常生活でゲームばかりしているので、正直、将来がとても心配です。運動不足の状態が長く続くと、スポーツに対して、体が生理的にも心理的にもベースダウンしてしまいます。すると、いざというときに、全力を出したくても出せない体になってしまうのです」
 運動不足を解消するには、やはり、ドッジボールや鬼ごっこなどの遊びが最適なようです。
「『鬼ごっこ』には、急発進や急ストップなどの動きが全部含まれていて、小学生の身体の発育発達にとてもいい影響があります。そういう動きの中から身体の潜在能力は引き出されて高まっていきます。サッカーの指導者には、ボールを使わない鬼ごっこなどの遊びを練習に取り入れている方もいると聞きますが、とてもいいと思いますね。昔ほど外で遊ぶことがなくなった今の子どもたちには、意図的にそういう動きを取り入れて体の能力を引き出していく必要があるでしょう」
加藤 謙一//かとう・けんいち
・宇都宮大学教育学部教授
・宇都宮大学教育学部附属小学校長兼務
・筑波大学体育学研究科修士課程コーチ学修了
・博士(体育科学)
・日本体育学会学会賞(平成12年度)
・主な著書
  小学校 子どもと楽しむ体育の授業―2 これは簡単!陸上運動 走る・跳ぶ・投げる(共著、学事出版)
  疾走能力の発達(共著、杏林書院)
  スプリント&ハードル(共著、陸上競技社)
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取材・文/鈴木康浩 写真/新井賢一(第37回全日本少年サッカー大会決勝大会より)

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