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考える力

ドミニカに学ぶ!子どもの自己主張は成長をうながす栄養素

2014年10月30日

キーワード:育成

「おれが主役なるんだ」という強い自己主張。筆者は『全世界移動型即席サッカースクール』と題して、世界中の子どもたちとサッカーをしていますが、今回訪れたドミニカ共和国ほど、この自己主張を感じた国はありません。今回は、このカリブ海に浮かぶ野球王国に10日間ほど滞在して感じたことをお伝えします。(取材・文・写真/岡島智哉)
 
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■ブラジルやアルゼンチンよりも強い自己主張

フロリダ半島から約1000キロ南東に位置するドミニカ共和国という国をご存じでしょうか?九州に沖縄を加えたほどのこの島国には、およそ900万人の人々が生活しています。
 
この国では、ベースボール(野球)がもっとも人気のあるスポーツです。ドミニカは多くのメジャーリーガーを輩出し続けており、2013年に行われたベースボールの世界一を決める大会「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」でも全勝優勝を果たしました。
 
一方、サッカーにおいてはFIFAランキング80位(2014年10月30日現在)。今年6月に開催されたW杯ブラジル大会は、北中米カリブ海一次予選で敗退しています。
 
実際、筆者がドミニカに滞在して感じた印象は「これほどまでにサッカーが感じられない国も珍しい」というものでした。
 
スポーツ用品店に行くとあくまで野球用品がメインであり、サッカー用品は隅に追いやられています。野球のグラウンドやバスケットボールのコートはたくさんありますが、サッカーができるような場所はほとんど見つけられませんでした。
 
なんとか、首都サント・ドミンゴで大きなスポーツ施設の隅っこにあるフットサルコートを見つけることができました。
 
そこで、この国の子どもたちとボールを蹴ってみた感想は、「学ぶべきは、サッカー先進国だけではない」というものでした。日本やドミニカの前に訪れていたブラジルやアルゼンチンなどの南米諸国とは一味違ったサッカーが、そこにはあったのです。
 
 

■ドミニカの国民性から生まれる“超個人主義”とは

首都サント・ドミンゴ市にある『Centro Olimpico Juan Pabio Duarte』。大きな野球グラウンドやサブグラウンド、10面ほどが並ぶバスケットボールコート、体育館が備わるスポーツ施設です。その一角に一面だけフットサルコートがあり、小学生~高校生の子どもが20人ほどで、毎日汗を流していました。
 
サッカーをする子どもたちを見ると、野球用のトレーニングシューズを履いていたり、ニューヨーク・ヤンキースのTシャツやボストン・セルティックスのバスケユニフォームを着ていたりと、その姿はドミニカならではと言えるでしょう。
 
実際に彼らのサッカーに混ぜてもらいました。そこでは、ここまでに滞在した国々では感じたことがないほどの“超個人主義”ともいえるサッカースタイルを体感しました。
 
基本的に、チームの勝ち負けよりも、自分がどれだけゴールを決めることができるかを意識してプレーしています。チームメイトにパスを出すということは、味方にチャンスをプレゼントしてしまうこと。
 
決してパスをしないわけではありませんが、パスをするのは自分がゴール前に近づくための言わば最後の手段です。
 
ドリブルで全員を抜き、ゴールを決めることが美学。ディフェンスもしますが、それはあくまでボールを奪ってドリブルをスタートさせるためであり、チームのためではない。そんな“エゴイズム”とも捉えられかねない、異様なサッカースタイルがそこにはありました。
 
ブラジルやアルゼンチンといった南米のサッカー大国の子どもたちと比べても、その自己主張は圧倒的に強いものでした。
 
これにはさまざまな理由が考えられますが、ドミニカの国民性によるところが大きいのではないかと思います。
 
この国の子どもの多くは、将来海を渡りアメリカでプレーすることを夢見て一生懸命野球に取り組みます。
 
そもそも、ドミニカの平均年収は40万円程度。親の立場からしても、国力に乏しい自国を飛び出し、野球を通じて「アメリカン・ドリーム」を掴み富をもたらすことを望みます。
 
そういった背景から、ドミニカの野球スタイルはチームより個ありきで、いかに自分が目立ちメジャーリーグのスカウトの目に留まるかを第一に考えるスタイルです。日本のような「チーム一丸となって」や「One for all」という概念は薄いようです。
 
この国民性がフットサルコートでみた“超個人主義”のサッカースタイルに少なからず影響を与えているように感じました。つまり、「サッカーを個人競技の延長」という発想で捉えている子どもが多いのです。

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取材・文・写真/岡島智哉

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