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考える力

「宿題やったの?」はNG! 子どもが自ら宿題を始めるしつもん術

2014年10月 6日

キーワード:しつもんコミュニケーショントレーニングメッセージ姿勢成長環境親子

子どものことを『見る』より『知る』ようにすること、そして子どものことを知るための『しつもん』は、時間と環境に考慮して行うこと。わが家は前回その2点を実践し、小学2年生の息子との日々がぐんと改善されました。考え方や接し方を変えるだけで、子どもとのコミュニケーションは変わるものです。今回は家庭によくある「困った!」エピソードを、『しつもん』をつかって対処する方法をご紹介します。
 
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取材・文 小林博子 Photo by Masahiko Satoh
 
<<あなたは大丈夫? 親は子どもの行動を誤解している
 
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■相手を否定せずに考えを伝える『I(アイ)メッセージ』

サッカー少年がいる家庭の困りごとのひとつに、「家の中でボールを蹴るのをやめてくれない」ということはありませんか? わが子も、何度注意してもやめてくれませんでした。ボールがテーブルの上のコップを倒して私のカミナリが落ちることもしばしば。どうして何度言ってもやめてくれないのでしょう(泣)。客観的にみると、なんだかかわいらしい行動ではありますが、これが毎日となると母である私のストレスは臨界点を突破します。そこで、しつもんメンタルトレーナーの藤代さんに相談したところ、「そんな困った状況ほど、子どものことを知るためのいいきっかけになるんですよ」と、なんともポジティブなアドバイスをいただきました。
 
最初にお母さんが行うべきことは、頭ごなしにガミガミ怒るのではなく、「家の中でボールを蹴るのはどうしてかな?」とやさしい口調で聞くこと。やさしい口調で、というのがポイントです。「なんで何度言ってもやめないの!(怒)」という聞き方では、子どもは本当の理由を答えてはくれません。怒ることを前提としたしつもんをしても、子どもは怒られないための言い訳や、怒られない模範解答を探すだけです。
 
息子に聞いてみたところ、「やることがなくてつまらないときに、ボールを蹴ると楽しいから」だそう。
 
そんな子どもの純粋な理由を、親はまずは認めてあげるべきとのアドバイスを藤代さんにもらっていたので、次のしつもんをしてみました。
 
「そうなんだ。でもママは家の中でボールを蹴って欲しくないなぁ。どうしてだと思う?」
 
このしつもんには2つポイントがあります。まずは、主語が私で「ママはそうして欲しくない」と自分の意思を伝えていること。これはコミュニケーション手法で『I(アイ)メッセージ』と言います。相手の考えや行動を否定することなく自分の気持ちをしっかり伝えられるので、受け止めてもらいやすい会話術です。こちらの意思を明確に伝えることで、子どもはイメージをはっきり持つことができます。
 
そして、ダメな理由を相手に考えてもらうこと。家の中でボールを蹴るとどうなるのかを、子どもが自分の言葉で言えるように導きましょう。「コップが倒れるから」「近所にうるさいと言われるから」などの理由を母親が言うのでなく、自分で考えて言葉にすることで、ダメな理由を自らの力で理解できるようになります。
 
息子の場合は、「わからない」としか答えてくれませんでしたが、「答えが出なかったら一緒に考えてあげてもいいですよ」という藤代さんの助言を思いだし、時間をたっぷり使って一緒に考えました。すると、「物が壊れちゃうから」という一言が! ほかにもいろいろ理由を出してほしかった気持ちはぐっとこらえ、「そうだよね」と言ってあげるとなんだか嬉しそうな表情に。それ以来、息子は家の中でボールを蹴っていません。
 
「しつもんは、無意識なことを意識化するのに効果的」とはこういったことで、息子の場合、家の中でボールを蹴ってはいけない理由が、「わからない」から「物が壊れちゃうからダメ」に変わりました。自分で考えて言葉にしたことで、わたしに怒られるよりも効果てきめんだったようです。
 
また、理由を一緒に考えたように、同じ目線になってあげることも大切。「親として教える」のではなく、子どもの立場になり、同じことに興味を持って接してみると、子どもは心を開いてくれます。家の中でボールを蹴りたい気持ちは正直わからないのですが(笑)、そんな場合は興味のあるフリをするだけでOKだそう。お母さんが自分の気持ちをわかってくれているという状況は、子どもにとっては嬉しいもの。どんな子でも、きっと言葉が次から次へと溢れてくるものだそう。
 
そんなアドバイスを受けて、今まで完全にスルーしていた『妖怪ウォッチ』に興味があるフリをして、息子にいろいろと聞いてみました。すると、キャラクターやストーリーについて饒舌に語るではありませんか! 藤代さんに、「楽しいことや自分の興味があることは、お母さんに話をしたくて仕方がないはず」と聞いたいたのですが、本当ですね。いままで息子の好きなことにまったく興味を持ってあげていなかった自分を反省するとともに、嬉しそうに話す息子との会話が楽しくなりました。
 

■「宿題をやりなさい」では、子どもの心は動かない

もうひとつ、わたしが悩んでいることに「宿題をなかなかやらない。あと回しにしようとする」があるのですが、それも親である私が「帰ってきたらまず宿題をやりなさい」と押し付けるのではなく、本人に「いつやるか」「なぜ、そのときにやるといいのか」「やらなかったらどんなスペシャルトレーニング(罰ゲーム)をするか」を考えさせたほうがいいそうです。
 
こちらもさっそく実践!本人が決めたのは、「宿題はご飯を食べる前にすること」「やらなかったらその日はゲームで遊んではいけない」の2つ。今までは「帰宅後すぐ」を強制していましたが、帰宅後は少しゆっくりしたいので宿題をやりたくなかったそう。そして夕食前にやることにした理由は、食後は好きなことをしたいからだそうです。
 
今まで私は、「宿題はすぐやっちゃいなさい。そうすれば残った時間は好きなことができるよ。だから帰ってきたら最初にやりなさい」と何度も子どもに言っていましたが、すぐやるのは本人には辛かった模様。しかも、「なんですぐにやらないの!」と怒りながら聞いても、当然答えてなんてくれないはずですよね。
 
藤代さんいわく、しつもんにも「よいもの」と「悪いもの」があり、以前の私の例は「悪い」の典型例。親の考え方に無理やり導こうとすることや、自分が想定していた答えと違う答えが返ってきたら怒るのは「悪い」しつもんです。
 
悪いしつもんの代表例は「なんで」を多用すること。「なんで宿題をやらないの」「なんでシュートを外したの」などのしつもんは、「疲れているから」「ピッチが凸凹していたから」という言い訳を導く「尋問」だからです。
子どもへのしつもんには、「why(なぜ)」でなく「how(どうしたら)」がベター。「どうしたら宿題を帰ってすぐできる?」「次にシュートを決めるためには、どうしたらいいかな?」と聞けば、言いわけではなく改善策を考えてくれます。
 

■『しつもん』の3つのルール

よいしつもんは、相手に軸があり、相手の成長を促す問いかけになるもの。その際には子どもに十分な選択肢を与え、どんな答えでも受け止める姿勢でしつもんしましょう。
 
藤代さんのセミナーには、下記の3つのルールがあります。
 
・しつもんの答えはすべて正解
・「わからない」という答えも正解
・答えを「そうだよね」と受け止める
 
これは親子間のコミュニケーションでも同じこと。子どもが考えて出した答えはすべて正解です。否定せずに聞いてもらえるだけで、子どもは認められていると感じ、その後のコミュニケーションを円滑にします。
 
どんな答えだとしても、それは子どもの考え方や本心、大切にしていることを知ることができる貴重なもの。そうとらえると、「すべて正解」と思いやすいのではないでしょうか。しつもんの答えによって相手を知り、引き出した答えを子どもの成長を後押しするためのツールにできたらいいのではないかと思います。
 
親として、今までは子どもを「引き上げる」という立場にいると考えていたのですが、良いしつもんを駆使して子どものことを知ろうとしながら接してみると、親は子どもに「教えてもらう」立場でいてもいいのではないかと感じ、子育てに対する肩の力がスッと抜けました。いままで自分が抱いていた「よいお母さん像」が変わり、よりラクな気持ちでよい関わり合いができるようになった気がします。
 
次回は『しつもん』の応用編。サッカーの試合後につかえる『しつもん』術で、子どもの自己肯定感を引き上げる方法をご紹介します!
 
少年サッカーの心配事はこれで解決!実践的しつもんお悩み相談>>
 
あなたも藤代圭一さんに子育ての悩みを相談してみませんか?
 
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■開催日時
10月22日(水)20:00~22:00
 
■開催場所
ボンフィン落合南長崎
東京都豊島区南長崎4-5-20 iTerrace 4F
 
<アクセス>
大江戸線「落合南長崎」駅直結 / 西武池袋線東長崎南口より徒歩7分
ショッピングセンターiTerraceの駐車場をご利用頂けます。
※ただし、当ワークショップ参加の場合でも割引制度がございません。他テナントの割引制度をご利用下さい。
 
■参加料金
2,000円
※当日受付にてお支払いください
 
お申込みはコチラ>>
 
■お問い合わせ
サカイクワークショップ事務局
MAIL:info@sakaiku.jp
TEL:03-5210-1221(営業時間:平日10:00~19:00)
 
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取材・文 小林博子 Photo by Masahiko Satoh

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