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グローバルな能力が育つ! サッカーこそ最強の社会勉強

2014年7月 4日

キーワード:サッカー勉強社会

拙著「メッシと滅私 『個か『組織』か?」(集英社新書)では、現在も部活動で起きている厳しい上下関係や、名門高で試合に出られない選手が多すぎる問題などについても指摘しています。これらすべては、ヨーロッパの「個」がしっかりと伝わっていないがために起きる問題です。つまりサッカーの本質的な部分が日本に、ちっとも伝わっていないのです。
 
逆に読者のみなさんにお聞きしたいです。この「文明の衝突」をどう解決していきましょう?
 
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Photo by Steven Depolo
取材・文/吉崎エイジーニョ
 
<<「日本の常識は非常識」という覚悟を持つ者が、世界に通じる
 

■キミはピッチ上で何をしたいのか、それをゲームのなかでどう活かすのか

 
私の考えは、前回の記事『「日本の常識は非常識」という覚悟を持つ者が、世界に通じる』に書いた通りです。サッカーをプレーすることを通じて、この点を子どもたちに問うていくべきです。社会にも「こんな人間が育てられる」と発信していくべきです。
 
まずキミが誰で、どんな特長のある人間なのか。そして、何ができるのか――
 
少しカッコつけた言い方をすると、これこそがグローバルな人材です。自分の専門性を持っている。グループに関わる以上、自分の考えや専門性により、その場を良くしていける。そういった人材です。
 
サッカーのゲームだったら、”ドリブルでチームの力になれる”、”とにかくハイボールは跳ね返すことができる”といった話です。まずは徹底して、「キミはピッチ上で何をしたいのか」を問う。その次に、「ゲームのなかでこれをどう活かすか」を考える。
 
うーん、日本の現状では、子どもたちは「まずは監督の言うことを聞かなければならない」と考えるでしょうか? だとしたら、もうひとつ保護者が子どもに伝えるべきはこの点でしょう。
 
「やりたいことと、やらなくちゃいけないことの折り合いをつける術」
 
試合中にやらなくちゃいけないこと、というのはおそらくは「ハードワーク」のはずです。しかし、これを「ただ頑張るため」にやらないように説明すること。「やりたいことをやるために、やるべきこと」とポジティブに伝えてみてはいかがでしょうか?
 
結局、「既定の時間内で相手より多くゴールを奪うために、どう自分のストロングポイントを活かすのか」という点を考えること。これはつまり、大人のビジネスの世界でいえば、「収益を得る」というゴールを考えることです。
 
目的の達成のために自分のストロングポイントをどう活かすのか。そういう発想法を養うこと。これが子どもがサッカーというゲームをプレーする意味だと思うのです。そういう人材を育てるべき場、という情報を発信していくことが、「サッカーは時に日本の道徳と反するんじゃない?」という「衝突」を和らげる方法なのです。
 

■ヨーロッパサッカーの原液

 
著書のなかでは、筆者自身のあるいたずらの話が出てきます。
 
5年前、都内のフットサルイベントで、エキシビジョンマッチの監督を務める機会があった。日本のアマチュアプレーヤー(おじさんたち)相手にあるお願いをした。試合前に、「ご自身の一番得意なプレーを宣言してください」と。
 
さらに「ポジションは自分の好きなところをやってください。右サイドに3人いても構いません」「チームのバランスは一切考えないでください。個人の力を発揮することだけを考えて。バランスを考えるのは、監督である私が考えることです」
 
ゲームはめちゃくちゃになりました。ほとんどの選手が「宣言」ができず。試合中は監督の顔色を伺うばかり、という。
 
じつはこれが、筆者自身がドイツの地で感じ取ってきた「ヨーロッパサッカーの原液」だったのです! あなたの子どもたちに試したら、どんな反応を示すでしょうか? 
 
メッシと滅私 「個」か「組織」か?
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発売中
出版社/メーカー:集英社新書
 
サッカーは「文明の衝突」だ!
もはや国民的行事となった感のある、サッカーW杯。ヨーロッパでプレイする「海外組」が主体となった日本代表は、以前とは違い、技術や戦術では「世界」と遜色ないレベルに達したようにも思える。しかし、大一番で勝負を分けるのはメンタリティだ。そのメンタリティを形成する文化的背景とは何なのか? ドイツでのプレイ体験もある著者が、深刻なカルチャーギャップを体感した選手たちへの取材をもとに、大胆なサッカー比較文化論を書き下ろした。本田圭佑、岡崎慎司、長友佑都、松井大輔、槙野智章、宮本恒靖、宇佐美貴史、奥寺康彦、パク・チソンなど、現役選手や関係者の貴重な証言が満載!
 
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取材・文/吉崎エイジーニョ

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