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健康と食育

選手のパフォーマンスをアップさせる最適な水分補給温度は?

2012年3月22日

キーワード:水分補給熱中症

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スポーツをする子をもつ保護者の皆さんは、熱中症予防への意識も高く、水分補給の重要性も理解していることでしょう。運動により失われた水分やミネラルを効率よく吸収させるために、スポーツドリンクが「水分補給に最適な機能性飲料である」と言われれば積極的に利用し、「いや、それでは糖分を取りすぎてしまう」とされれば、水やお茶も持たせるなど、日々、ドリンクボトルの中身について気を使われていることと思います。でも、その水温については、どのくらいの温度が最適なのか、意外と知られていないのではないでしょうか? 
 
 

■はじめに~どんな実験をしたのか?

実は、日本体育協会や環境省は、5℃?15℃が最適な補給温度であると発信しているのです。しかし、その根拠は乏しく、スポーツパフォーマンスという観点での研究はなされていないのが現状でした。
 
そんなおりに、ステンレス魔法びんでおなじみのサーモス株式会社が、横浜国立大学・教育人間科学部の田中英登教授と「真夏環境下における運動時の最適な水分補給温度」に関する共同研究を行い、運動時の水分補給は5℃~15℃に冷やしたドリンクを摂取することが効果的であるとの実験結果を発表しました。
 
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今回の実験は、男子大学生5名を対象にして、真夏の環境下を想定した気温31℃および35℃でのエアロバイクを使った運動時に、異なる水温(2℃、10℃、22℃)の水分を摂取し、身体の状況を比較したものです。
 
なお、水温5~15℃の目安となるのは、冷水器で冷やされた水や、しばらく流水したあとに出る水道水の温度です。冷蔵庫や自動販売機から取り出したときは通常4?6℃くらい。5℃の水とは、一般的な家庭用冷蔵庫で1日保管した場合の平均温度になります。
 
それでは、実験結果を見ていきましょう!
 
 

■水温10℃での水分補給が、持続的瞬発力を最も高くする!

運動時の持続的な瞬発力を測定するインターミッテントテスト(※1)では、5秒間の運動を10セット実施し、身体的・精神的疲労の度合いを最も強く感じるラスト3セットの平均値を測定したところ、気温31℃および35℃ともに、水温10℃での水分補給が一番良い結果を得ました。
 
※1:間欠的な無酸素パワーの持久力能力を測定するテスト。実験では5秒間の最大努力で自転車エルゴメーターを行い20秒の休憩を挟みながら、10回繰り返しました。パフォーマンスは、体重や体格による差が生じるため、総パワー÷体重で測定します。
 
 

■水温10℃での水分補給が、脱水症状を起こしにくくする!

運動時の水分収支(※2)測定では、水温10℃での水分補給は、気温31℃および35℃ともにマイナスが最も小さくなり、水温22℃での補給はどちらの気温でもマイナスが大きくなりました。つまり水温10℃のほうが運動時に脱水を起こしにくいことを示唆していました。
 
※2:摂取した水分量-(発汗量+尿量)。発汗量は「運動前の体重+飲水量-運動後の体重-尿量」で算出。数値のマイナスが大きいほど、脱水になりやすいことを示しています。
 
水温2℃での補給は、水分収支は水温10℃とほぼ変わりませんが、冷えすぎていることで飲みにくさを感じてしまうためか、積極的に水分補給を行わない事例も見られました。
 
 

■水温で運動の「きつさ・苦しさ」の感じ方も変わる!

水分補給時の水温は、運動時に人が「きつさ・苦しさ」を感じることを表す自覚的運動強度にも関係していました。特に気温35℃の運動時に、水温22℃での水分を補給すると、運動強度感は、最も「きつい」と感じるであろう高い数値を示しました。
 
 

■おわりに~運動時の水分補給は水温5~15℃がオススメ!

以上のことから、田中英登教授は「生理反応および心理反応、パフォーマンス結果を総合すると、水温10℃が望ましいことが分かりました。水温の高い22℃では吸収量が少なくなり、また低い2℃では、飲みにくいと感じ、十分な飲水ができなくなる恐れや身体に負担がかかる可能性がありました。そのため、スポーツパフォーマンス向上という観点においては水温5℃?15℃の水分補給が一番適していると言えるでしょう」と実験の結果をまとめました。
 
このように、スポーツの時に摂取する水分は、5~15℃の水温が最適であると科学的に証明されたわけです。ぜひ、親御さんや指導者のみなさんも、子どものパフォーマンスアップに役立ててみてはいかがでしょう?
 
 
協力:サーモス株式会社//
THERMOS 5-15℃PROJECT
水分補給マネジメント
 
 
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■その他熱中症に関するまとめ

 
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文/山本浩之、写真/木鋪虎雄(2011チビリンピックより)

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