これからの世の中に必要な能力はすべて、遊びとサッカーが育ててくれる

2017年2月14日

「よのなか科」推進の藤原和博さんも太鼓判、「自分で考えるサッカー」が4択問題が通用しない世界を生き抜く力を育む

■サッカーで修正主義を身につける

「サッカーにはルールがあるけど、絶対!というマニュアルはありません。コーチから仮説は与えられるかもしれませんが、その中に正解があるとは限らない。子どものサッカーに熱中しすぎている親や指導者の中には、子どもたちに自分が決めた正解を押しつけようとする人もいますが、サッカーはそういうスポーツじゃありませんよね」
 
ボールを持って次に何をするか? ボールを持っていない周りの選手はどう動くか? パスを出しても良いし、ドリブルをしてもいいというのがサッカーというスポーツです。良い選手は、無限に近い選択肢の中で"納得解"を見つけられる選手と言えるでしょう。
 
「正解があると思い込んでいる親に育てられた子どもは、無意識のうちに正解主義で物事を考えてしまうんです。就職活動がうまく行かないという子に話を聞くと、『自分に合った会社が見つからない』という。これは自分にピッタリ合う会社がどこかにある、それが正解だと信じ切っているからこその考え方なんです。その子には『自分にピッタリ合う会社なんてあるわけないじゃん』と言いますけどね(笑)」
 
「結婚もそう。たった一つの正解(相手)を探しているうちに、あっという間に40代になってしまう。人間は無限に変化できるんだから、正解ではなくその都度修正しながら納得解を導いていけば良いんです」
 
だいぶ変わってきたとはいえ、まだ正解主義が重視される学校教育と、修正主義でないと成長できないサッカーをはじめとするスポーツ。藤原さんは、スポーツを通じて修正主義的な価値観や、考え方を身につけていくことが大切だと言います。
 
「こういうことを教える、実践するのに、サッカーってものすごくいいと思いますよ」
 
今回は、社会や教育がめまぐるしく変化している中で、親は子どもたちにどう接したらいいのか? また、サッカーはどういう関わり方ができるのかについてお話いただきました。次回は、藤原さんが"ナナメの関係"と呼ぶ、スポーツを通じた人間関係、社会との接点の持ち方についてお話しいただきます。
 
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