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13歳までに身につけたいディフェンスの戦術講座

動画で解説!相手の攻撃を前進させないためにバルセロナの選手が行っていること

2017年2月16日

キーワード:ディフェンスバルセロナ個人戦術守備知のサッカー

昨年の夏に行われた「ジュニアサッカーワールドチャレンジ2016」。FCバルセロナが2年ぶりに優勝を果たし、攻守に完成度の高いサッカーが話題になりました。はたして、彼らの何がすごかったのでしょうか? 今回、この大会を放送したスカパー!さんにもご協力いただき、試合映像を使ってそのプレーを分析しました。
 
これまで13歳までに身につけたいディフェンスの戦術についてお伝えしてきましたが、最終回となる今回は、チーム戦術の後編についてサッカーサービスのアルベルトコーチに解説してもらいました。(文:鈴木智之、映像協力:スカパー!)
 
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前回に続き、ディフェンスのチーム戦術について、ジュニアサッカーワールドチャレンジ2016を題材に、我々サッカーサービスの分析をお伝えしたいと思います。前回の記事では、次の3つのコンセプトを紹介しました。
 
(1)「ボールを失った位置と同一ライン上でプレーをする選手は、ボール保持者にプレスをかけ、プレーの選択肢を狭める」
(2)「相手選手と相手選手の間のスペース(ギャップ)にあるパスコースをふさぎ、ボール保持者を自分たちが守りやすい方向に誘導することで、プレーの選択肢を狭める」
(3)「ボールを失った瞬間に後方のラインに加わり、ボールがあるラインに対して、数的優位を作り出す」
 
ここからは、4つ目のコンセプトについて、説明していきたいと思います。
 

■ディフェンスのチーム戦術(4)

「ボールを失った瞬間にマークすべき選手を意識し、プレーを前進させないようにプレスをかける」
 
相手にボールを奪われた際、ボールに近い選手がプレスをかけに行きます。それ以外の選手は何をすべきでしょうか? FWのラインでボールを失った場合、中盤と最終ラインの選手は、何をする必要があるでしょうか?
バルセロナとヴェルディの試合で見てみましょう。黄色の丸で囲んだウイングの選手がボールを奪われ、ヴェルディのディフェンダーに縦パスを出されてしまいました。
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ウイングの選手は、どの選手がボールを受けられそうかを確認しながら、中盤のラインまで戻り、相手のチームが前進できないよう後方で数的優位の状況を作りました。
 
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その結果、相手のパスミスを誘い、ボールを奪い返すことに成功しました。
 
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また、このプレーには続きがあり、ボールを奪い返したウイングの選手は再び相手にボールを奪われてしまいます。しかし、周りの選手が継続的にプレスをかけることで再びボールを奪い返すことに成功しました。そのシーンは動画で確認してみてください。
 
▼このシーンを動画で見てみよう!
 
まずすべきは「どの相手が我々に危険を及ぼすのか」を認識することです。自分がマークをすべき選手が、相手からボールを受けられる状態なのか、そうでないのか。それを確認します。
 
もし、「この選手は危険を及ぼしそうだな」と思ったのであれば、パスを受けさせないように距離を詰めます。また、自分の背後のスペースを狙っているようであれば、距離をとって対応します。このとき、パスの出し手と受け手の関係性、ゴールまでの距離など状況によって、マークすべき相手との距離感は異なります。その判断はトレーニングを通じて身につけるものであり、我々のスクールやDVD「知のサッカー」で練習メニューを紹介しています。
 
ボールを失った瞬間、どのようにしてプレスに行くのか。これはチームとして、非常に重要なコンセプトです。「ジュニアサッカーワールドチャレンジ」を分析したところ、日本の選手達もボールを失った瞬間や相手ボールのときに、勤勉にプレスをかけてはいました。
 
ですが、日本の選手からは「プレスが弱い」という印象を受けました。選手個々に目を向けると、まるでボールが好きではないかのように、プレスに激しく行けていない場面をよく目にしたのです。
 
これは、指導者が意識付けをするべき部分だと思います。ボールを使った対人のトレーニングをする際に、まずは「相手に考える時間を与えないために素早くプレスに行こう」という話をします。
 
相手ボールのときは、ボール保持者に素早く寄せるという前提を共有した上で、それぞれの練習メニューに慣れさせていきます。最初にプレスに強く行くことを徹底し、素早くプレスに行くことができるようになったところで、ノルマ(ルール)を加えたり、メニューを進めていくようにします。
 
次は、チーム戦術の5つ目のコンセプトです。
 

■ディフェンスのチーム戦術(5)

「パスが通ればシュートに持ち込むことができそうな選手に対しては、パスを受けさせないようにプレスをかける」
 
まず、守備側の選手がすべきは「いつ、その選手に対してパスが入りそうか」を適切に認識することです。相手は足元でパスを受けようとしているのか。それともスペースで受けようとしているのか。そのボールをインターセプトできるのか、そうでないかを適切に認識し、両方に対応できる距離を保ちます。
 
このとき、身体の向きにも気を配ってください。ボールに対して正面を向くと、自分の背後にボールを出された場合、反転して対応するため時間がかかります。必ず、ボールに対して半身になり、どこにボールを通されても対応しやすい身体の向きを作ります。
 
以下のシーンでその様子を見ることができます。攻撃で前がかりになっていたバルセロナからヴェルディがボールを奪い、カウンターとなったシーンです。
 
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ヴェルディの中盤の選手が、右サイドのフォワードにパスを出しました。
 
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しかし、その選手をマークしていたバルセロナのサイドバックが、相手は足元でパスを受けるのか、スペースで受けるのかを的確に予測し、危険なスペースを埋めることでボール奪取に成功しました。
 
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▼このシーンを動画で見てみよう!
 
つづいて別のシーンでも見てみましょう。
 
左サイドをヴェルディの選手が突破し、ゴール前にクロスボールを上げるシーンです。
 
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黄色で囲んだバルセロナのセンターバックは、相手のフォワードがどこでボールを受ける可能性があるのかを常に予測しながら、相手との距離を調整しています。
 
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そして、半身の状態で、ボールとマークする相手の両方を視野に入れ、相手とゴールの間に身体を入れながら、マークを継続しています。
 
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そして、ゴール前の危険なスペースを予測し、インターセプトに成功しました。
 
▼このシーンを動画で見てみよう!
 
この連載で紹介したコンセプトに対して、指導者のみなさんは「どのようにして、選手達に落とし込めば良いのか」と、思案していると思いますが、我々としては、これらのコンセプトを11対11の試合形式のトレーニングで身につけるのは難しいと考えています。
 
大切なのは、様々なコンセプトがある中で、指導者が頭の中で整理をして、どのコンセプトがチームにとって重要か、優先順位をつけて取り組むことです。すべてを同時にトレーニングするのではなく、選手のレベルに応じて、段階を経て身につけていくことが望ましいと考えています。これまで、4回に渡って守備のコンセプトを紹介してきましたが、この記事や講習会を通じて、日本の選手達がさらにレベルアップすることを願っています。
 
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サッカーサービス社/
スペイン・バルセロナを拠点に世界各国の主要リーグの選手、チームなどに対して、コンサルティングを行う育成のプロ集団。フランスの名門パリ・サンジェルマンのアカデミーもサッカーサービスが提唱する指導メソッド「エコノメソッド」を採用している。
 
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文:鈴木智之、映像協力:スカパー!

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