1. サカイク
  2. 連載
  3. バルセロナ発!賢い選手を育てる指導法
  4. 体の成長ではなく"頭の成長"に応じた指導計画が大切

バルセロナ発!賢い選手を育てる指導法

体の成長ではなく"頭の成長"に応じた指導計画が大切

公開:2012年5月18日 更新:2013年6月 6日

キーワード:スペイントレーニングバルセロナ知のサッカー練習育成

ss0.jpg

77AL0200.JPG
 
 
『知のサッカー』でおなじみ、FCバルセロナのメソッド部門責任者をつとめるジョアン・ビラ氏。前回に引き続き「年齢に応じた指導の重要性」について解説してもらいました。今回は、「指導計画」についてです。
 
<< PREV | 記事一覧 | NEXT >>
 
 

■頭の成長に応じてカテゴリーを分ける

サッカーにおいて、「なに」を「いつ」「どのように」教えなければいけないのか。今回はそれについて考えてみたいと思います。これはサッカーにおける「指導計画」です。
 
内容はそれぞれの国、クラブによって違いが出てくるのは当然ですが、そのクラブがどのようなサッカーをしたいか、なにを身につけさせたいか、クラブとして方向性を持つことは、とても大切なことです。
 
指導計画をたてる上で最初にするべきは、選手のカテゴリーをどのように分けるかを考えることです。我々はサッカーを指導する際に、いくつかの年代に分けたほうがいいと考えています。なぜならば、子どもの成長は段階によって変化していくからです。同じようなタイプ、レベルの選手たちをひとつの区分けとしたほうが、より適切な指導をすることができます。
 
カテゴリーを分ける際、体の成長に応じて区分けをするのもひとつの方法ですが、我々はフィジカルを基準に年代を区切ることはしません。我々が考慮しているのは、「サッカーの理解度」です。つまり、頭の成長に応じてカテゴリーを分けます。子どもたちは頭の成長に応じて、物の見方やサッカーの捉え方、理解のレベルが変わっていくからです。
 
頭の中の成長を測るための方法は、選手がどのような意図、判断のもとにプレーをしているかをきちんと分析し、彼らの頭の中でなにが起きているかを想像することです。小さい子どもの多くはエゴイスティックなプレーをしますが、成長に応じてチームプレーを理解するようになっていきます。
 
77AL0478.JPG
 

■子どもが興味を持っていることに対して、指導者が働きかける

私が8歳のチームの指導者であれば、ボールを持っている選手に対して、チームメイトがいい状況にあるときは、パスを出してほしいと考えます。しかし、8歳の子どもの多くはエゴイスティックにサッカーを理解しているので、周りの選手にパスを出すことは考えず、ドリブルで進んでいきます。ボールを持ったときには、「パスはしたくない」とさえ感じているはずです。8歳では、自分が動いてスペースを作り、そこを仲間が活かしてゴールを決めるプレーの大切さを理解してくれる選手は少ないでしょう。
 
そのようなプレーは、8歳の子どもたちはできないし、やりたいとも思いません。そこで、指導者が「こうしなさい」と指示をして、できたらほめる、できなかったら罰を与るような指導をすれば、ロボットのように学ぶことは可能でしょう。しかし、そのような指導では、我々が目指している「賢い選手を育てる」ことから、かけ離れてしまいます。
 
我々は低年齢の子どもに対しては、「子どもたちができて、なおかつやりたい!」 と思うことを指導するように心がけています。6、7歳の子どもであれば、ドリブルやシュートをしたいと思っています。どのようにドリブルをして、どのようにシュートを打てばうまくいくか、それを知りたいと思っています。子どもが興味を持っていることに対して、指導者が働きかける。そうすることで、子どもたちは積極的に学ぶ姿勢を見せてくれます。
 
選手の意識に合ったトレーニングを提供し、成長させること。そして、サッカーの理解度に応じて、吸収できる内容、理解できるレベルを常に考えながら指導をすることが、ジュニア年代において大切なことなのです。
 
 
<< PREV | 記事一覧 | NEXT >>


【PR】サッカー選手が、13歳までに覚えておきたい32のプレーコンセプト

FCバルセロナの選手や世界のトッププロをサポートしてきたスペインの世界的プロ育成集団「サッカーサービス社」が監修したU-13世代の選手向け教材。彼らが分析した「Jリーグ」の試合映像をもとに、選手のサッカーインテリジェンスを磨く32のプレーコンセプトを解説。「知のサッカー[第2巻]」 好評発売中!
※限定2,000名の豪華特典など要チェックの内容です。
 
 
think-soccer-vol2img.png

 

joan.JPG

ジョアン・ビラ・ボスチ//
Joan Vila Bosch
FCバルセロナでクライフと共にプレーし、引退後はバルサの下部組織で14年間監督を務めた。現在はバルサのメソッド部門ディレクターとして、下部組織におけるトレーニングの進化・改善、コーチの指導を担う。監督時代はシャビ、プジョルなど現在のバルサの中心選手を育てた。
 
 
【この記事を読んだ人にはこちらもオススメ!】
1

サカイク公式LINE
\\友だち募集中//

子どもを伸ばす親の心得を配信中!
大事な情報を見逃さずにチェック!

友だち追加
サッカー少年の子育てに役立つ最新記事が届く!サカイクメルマガ
取材・文/鈴木智之、写真/小川博久、取材協力/株式会社Amazing Sports Lab Japan

募集中サカイクイベント

サカイクイベント一覧

関連するコラム記事

コラム記事一覧へ

関連記事

関連記事一覧へ

バルセロナ発!賢い選手を育てる指導法コンテンツ一覧へ(18件)

コメント

  1. サカイク
  2. 連載
  3. バルセロナ発!賢い選手を育てる指導法
  4. 体の成長ではなく"頭の成長"に応じた指導計画が大切