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子どもの疲れやケガを防ぎパフォーマンスを高めるには?

保護者の悩みを谷さんが解決! ≪コンディショニング編≫

公開:2023年1月26日 更新:2023年4月25日

キーワード:コンディショニングリカバリーヴァンフォーレ甲府休息疲労回復谷真一郎

『日本で唯一の代表キャップを持つフィジカルコーチ』で現在ヴァンフォーレ甲府のフィットネスダイレクターとして活動されている谷真一郎さんに子どものコンディショニングに関する保護者の疑問について回答いただきました。

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親ができる子どもの怪我予防とは?
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Q.12歳~15歳にコンプレッションは効果がありますか?
A.効果は期待できますが、自分の筋肉で自分の体が支えられるようにトレーニングしていくことも大切かと考えます。また、適切な圧がかかって効果を得られるので、サイズ選びは慎重に行ってください。特に圧が強すぎると血流を阻害するので注意が必要です。

 
 

Q.腓骨の剥離骨折の原因と予防方法(ストレッチやプロテインの使用は有効?)
A.ひどく足首を捻ってしまったときに、腓骨を剥離骨折してしまうケースが多いかと思います。
足裏の外側荷重(外側のアーチで荷重する)が原因になっていることが多いので、拇指球と踵でしっかりと体を支えて設置することが大切です。スタンスが狭いと外側荷重になりやすいので、適切なスタンスで設置することが求められます。

 
 

Q.半月板を部分切除している人が日々注意すべきこと
A.大腿部の筋力が弱いと膝が不安定となり、膝に負担がかかります。最低でも片足でスクワットをした時に膝が内側に入ったり、グラグラしてしまわないように、つま先と膝の向きが同じ状態で上げ下げできるような筋力を身に付けておくことが必要になります。動きの中でも同様のことが言えるので、膝を安定させた状態で接地できるようにトレーニングしていくことも必要になります。

 
 

Q.ゴールデンエイジといわれる年代にもっともチャレンジしておいた方がよいことは何ですか?
A.ボールのあるなしに関わらず、動きの質を高めて、それをサッカーに結びつけてトレーニングしていくこと。
プレゴールデンエイジにおいては、様々な運動経験や動きの質を高める動きに慣れ親しんでおき、理解力が高まってくるゴールデンエイジにおいて、その動きを、徐々に個人やグループでの基礎的な戦術に繋げていけると効果的だと考えています。

 
 

Q.正しい身体の動かし方、無駄のない体の動かし方を得るための練習方法を知りたいです。
A.それを身につけるのが「タニラダーメソッド」です。

 
 

Q.足の筋肉をほぐすために子ども自身でできるようなことがあれば知りたいです。
A.疲労しやすい太ももの表や裏、ふくらはぎの筋肉を、少し力を入れて摩ったり、軽く握って揉んであげるとほぐれ易くなります。お風呂に入りながら実施できるとより効果的です。

 
 

Q.オスグッドというほど悪化していないが、成長期にひざ下が痛くなる状態では、思い切って数カ月単位でサッカーを休むこともアリなのでしょうか?
A.痛みが強いわけではないようですが、日常的なケアと太ももの前に過剰な負担をかけない動き方を身につけていくことが必要だと考えます。
太ももの前が固くならないように、特にトレーニングの後にしっかりとストレッチや入浴をする。太ももに負担がかかる重心の低さやストップ動作を改善する。それでも痛みが出現してしまった場合には、ケアを継続しながら一時期休むことも必要になってくると考えています。

 
 

Q.運動後のストレッチは最低どのくらいの時間が必要ですか?
A.1つの箇所に対して30秒程時間をかけて、それを何箇所か実施していきます。特に疲労しやすい股関節周り、太ももの表と裏、ふくらはぎに対してはしっかりと伸ばしてあげたいです。一箇所に対して10秒ほどと短いことがよく見受けられるので、最低でも20秒、できれば30秒程ストレッチできると良いと思います。くれぐれも無理に伸ばそうとして逆に筋肉を収縮させてしまわないように、心地の良い伸びを感じるレベルでストレッチします。

 
 

Q.実際のトレーニング負荷のかけ方で気を付けた方がよいポイント
A.次のトレーニング時に、強い疲労が残ってしまっていたり、痛みが出現してしまうレベルの負荷はパフォーマンスを落とすだけでなく、怪我のリスクも高まります。次回のトレーニングまでにしっかりとリカバリー(回復)できる負荷に留めて、良い状態でのトレーニングを継続できるような負荷設定が望ましいです。

 
 

Q.体の硬さと疲労度に関係はありますか?
A.体の硬さ、つまり、関節の可動域や筋肉の柔軟性には個人差があります。大切なことは、自身の良い時と疲労が溜まってきた時の柔軟性の違いを把握することです。疲労度が高くなれば柔軟性は低下してしまうので、しっかりとケアして回復させて、良い時のレベルに戻していくことが必要になります。

 
 

Q.リカバリーについてゴールキーパーとフィールドプレイヤーで異なる観点で気を付けることはありますか?
A.ゴールキーパーはフィールドプレーヤーに比べて、上半身の疲労度が高くなります。日常のストレッチなども下半身だけでなく、上半身の筋肉に対しても意識を向けてケアしてあげることが大切になります。

 
 

Q.体幹トレーニングは毎日同じものをした方が良いのか日を開けていろんなトレーニングをしていった方が良いのか知りたいです。
A.体幹トレーニングは、目的や狙う筋肉の違いによってたくさんの種類があります。常に求められる安定性に繋がる種目は毎回プレーをする前に実施すると効果的です。多くの種目を毎回実施するのは、時間的にも身体的にも難しい部分があるので、毎回実施する種目と日によって変える種目の2種類を用意して短い時間で実施できて、それを継続していけると効果的です。

 
 

Q.小学生の練習で大事なことは何ですか?
A.低学年であれば、ボールを触る、蹴る、追いかける、ゴールを決める、ボールを奪うといったサッカーのベースになる部分に対して純粋にプレーすることを楽しめること。高学年では、ボールに関わる技術、ボールに関わらないオフ・ザ・ボールの動きが上達すること、仲間と共にゴールを目指す、ゴールを守るといった本質的な部分に対して喜びを感じながらプレーすることを楽しめること。低学年も高学年のいずれも「楽しさ」を感じながら、自分の好きなプレー、得意なプレーを見出していくことが、その先に活きてくると考えています。

 
 

Q.膝を痛めている子が普段でもできる正しい身体の使い方をするために簡単に取り入れられることはありますか?
A.膝を痛めた原因となる動き方を修正していく必要があると思います。
正しい身体の使い方ができるようになるためには、まずは良い姿勢で立ち、良い姿勢で動けるようになっていくことが必要になります。そして、より楽により速く動ける重心の高さやターンの仕方を身につけられると、膝を始め、他の箇所に対する怪我のリスクも軽減していけます。

 
 

Q.ケガや体調不良から復帰する前後のメンタルケア、声かけなどについて知りたいです。
A.怪我や体調不良の後、すぐに以前のプレーをすることは難しいです。
また、以前のようにプレーできないことをネガティブに捉えたり、無理をして更に痛めてしまうことも多々あるので、少しずつ焦らず慣れさせながら戻していくことを選手自身、選手同士、指導者と共有しながら進めていけると良いと思います。

 
 

Q.ジュニアプロテインは飲んだ方がいいですか?
A.補助食品はあくまでも補助なので、食事で足りなければ補った方が良いですし、トレーニング後の食事環境が整わない場合なども活用できると良いと思います。まずは本当に必要なのかという観点から日常の食事と向き合ってみることが大切かと思います。足りているのに過剰に摂取することは望ましくありません。何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」の観点で検討してもらえたらと思います。

 
 

Q.骨折を防ぐためにできることはありますか?
A.骨折を防ぐために、骨自体を強くすること、骨折につながるような動きを避けられることの2点が挙げられます。成長期には骨を形成していくためにカルシウムが絶対的に必要になり、またカルシウムを吸収しやすくするためのビタミンD等の摂取も望まれます。カルシウムは体内で生成できないので、食事から摂取するしかありません。
また、骨折につながることが多い、転んだ時の手のつき方や転がり方もトレーニングしておくことが大切です。

 
 

Q.怪我しやすい人の特徴って何ですか?
A.怪我しやすい人には代表的な2つの特徴があります。
1つ目は、疲労を抱えている状態でもプレーをしてしまう頑張り屋さん。
疲れていても頑張ってしまい、徐々に身体に負担がかかり、怪我に至ってしまうケース。
2つ目は、動きの質が低く、身体に負担がかかり、怪我に至ってしまうケース。
この2つを改善回避していければ、怪我のリスクは一気に軽減してきます。

 
 
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●谷真一郎(ヴァンフォーレ甲府・フィットネスダイレクター)

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筑波大学在学中に日本代表へ招集される。同大学卒業後は柏レイソル(日立製作所本社サッカー部)へ入団し、1995年までプレー。 引退後は柏レイソルの下部組織で指導を行いながら、筑波大学大学院にてコーチ学を専攻する。その後、フィジカルコーチとして、柏レイソル、ベガルタ仙台、横浜FCに所属し、2010年から2019年までヴァンフォーレ甲府のフィジカルコーチを務め、現在はフィットネス・ダイレクターとして幅広い年代の指導にあたる。『日本で唯一の代表キャップを持つフィジカルコーチ』

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