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あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

試合中にどんな声を掛け合えばいいのかを理解させる指導を教えて

公開:2019年10月25日 更新:2019年10月26日

小6だけど、練習や試合中に声を出す子がいない。恥ずかしさもありそうだが、そもそもプレーの指示やフォローについてどんな声かけをすればいいのかわかっていないみたい。

中学以降もサッカーを続けるなら必要なスキルだし、今のうちに身につけさせたいけど、どんな指導をすればいい? とのご相談をいただきました。みなさんはどんな工夫をされていますか。

今回も、これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、「有効な」声を出せるようになる練習や指導アプローチをアドバイスします。
(取材・文:島沢優子)

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(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)

 

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<お父さんコーチからの質問>

こんにちは。U-12年代の指導をしている者です。

悩みは、練習や試合中に声を出す子がいないことです。恥ずかしいのもあるのかもしれませんが、プレーの指示やフォローについて、どんな声かけをしたらいいのかよく理解できていないようなのです。

中学以降もサッカーを続けていくなら、より高度な連携は必要になりますし、お互いの声掛けは重要になると思うので今のうちに身につけてほしいのですが、どのような声を出したらいいのかを理解させ、その上で声を出せるようにする練習メニューはありますか。

グラウンドでの練習だけでなく、座学で伝える方がいいのでしょうか。

 

<池上さんのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。

「高学年なのに、試合中に声を出しません」
「仲間同士でコーチング(声掛け)をしません。それぞれバラバラでプレーしています」

今回ご相談されたこととまったく同じようなことをよく聞きます。

■まずは声を出してパスをもらう練習から始めてみよう

例えば、先日、あるところで講習会に呼ばれて行ったときのことです。5年生のチームに、7人でフリーランニングしながらボール二つでパスを回すトレーニングをしてもらいました。

ボールが欲しい何人かの選手は「パス!」と仲間に声掛けします。よって、子どもたちは声を出した選手にしか出しません。そこで、一度止めて「全員、パス、と声を出した人にだけボールを渡しましょう」と伝えました。

「パス!」「はい、こっち!パス!」と、うるさいくらいにみんなが声を出し始めました。パス、パスと、うるさいくらいで、見ていたコーチたちが苦笑いしながら耳をふさいでいました。

コーチの方々には「このトレーニングいいですね」と言われました。

見ていると、指導者が「声を出せ」と言うと、選手たちは「頑張ろう!」「一点返そう」と士気を上げるための声を出しているようです。試合の中で苦しいときにそういった声はもちろん必要ですが、もっとプレーをうまく進めるために必要な声があります。

「こっち、パス!」「左にスペースあるよ」「左にまわせ」「ライン、もっと上げよう」そのような、チームとして円滑にプレーするための声掛けが重要ですが、そんな声を出す子がどのチームにもいません。いたとしても非常に少ないようです。

まずは声を出してパスをもらうということを始めてみましょう。そうすると、子どもたちはボールがほしくて、相手がどんな態勢なのか、すぐにパスできる状況かどうかに関係なく仲間を呼びます。

いま、もらえなかったね。どうしてかな?
どうすればよかったかな?
どのタイミングだったらパスをもらえる?

そんなことを考えてもらいながら、よりよいタイミング、よりより方向はどこかといったことを覚えていくと、本当に大切な声が出せるようになり、味方も聞けるようになります。声を出していなければ、他の人の声を拾う感覚も身につきません。

A「いま、右サイドでフリーだったんだけど、聞こえなかった?」
B「聞こえたけど、余裕がなかった。次は意識するよ」

そんなやり取りをしていると、次はもしかしたら、Bのほうが先に「右のスペース、あがって!」と先に言えるかもしれません。

 

■声かけの有効性を経験を通して理解してもらう

そんなふうにより戦術的なコーチングができるには、まずはサッカーの成り立ちを知っておかなくてはいけません。攻撃ならば、相手守備をはがす、揺さぶるといったこと。守備ならば、ボールに行く、カバーする、空いたスペースを埋める。そのような基本的なことです。

このことをきちんと教えたうえで、チームとして連携するには声掛けが有効だということを経験を通して理解してもらいましょう。

注意すべきは、「声を出しましょう」と言って練習をすると、子どもたちは単純に声を出せばいいと思ってしまうこと。

「はい、パス!」と立ち止まってもらっているケースが多いです。出すほうも、スペースではなく、人に出してしまう。パスを呼んで、動いた先のスペースでもらう。呼ばれた先のスペースに出す。日本の子どもができない部分です。

そんな子たちには「本当の試合だとそういうことは少ないよね。パスと言ってからどこかに動いてもらおう」と話します。

また、2対1のワンツーを声を出しながら行ってもいいでしょう。ボールを持っている側が「はい、ワンツー!」と言いながらパスを出す。受ける側は「はい!ここ!」などといって息を合わせます。

そのような声を出さないと成功とは認めませんよ、というルールにするだけで、子どもたちは声を出し始めます。それを続けると、声を出すことでワンツーをすることはもちろんのこと、タイミングを計って声を出すことも意識化できます。

最終的には相手選手などそのときの「雰囲気」を感じて、味方とのあうん呼吸でできるのが一番ですが、小学生の間は「はい、ワンツー」の声を出してやればいいと思います。

 

次ページ:多くの子どもがただ見ているだけで声を出さない理由

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コーチからの質問に池上正さんがお答えします(チームの指導の悩み、例:年代がバラバラなチームの練習メニューなど)※記事になります

※質問の文言を記事にさせていただくことがあります。その際はプライバシーには配慮します。

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文:島沢優子

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