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JFAグラスルーツ推進部部長が行く!あなたの街のサッカーチーム訪問

2017年11月14日

中学生年代も『補欠ゼロ』を推奨 不断の努力で地域唯一のクラブチームとして認められた藤岡キッカーズが描く展望

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日本サッカー協会(JFA)グラスルーツ推進部の松田薫二部長があなたの街のサッカーチームを訪ね歩くこの連載。今回、訪れたのは群馬県藤岡市です。

藤岡市は人口6万6千人ほどの地方都市であり、現在、藤岡市を拠点に活動する中学生年代のクラブチームが一つだけあります。そのクラブが、藤岡の子どもたちや、サッカーを引退することなく一生涯続けたいと思う人たちの受け皿になろうと奮闘しています。

それが今回訪れたクラブチーム、創設50年ほどの歴史を誇る、蹴球団藤岡キッカーズです。(取材・文:杜乃伍真)

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<蹴球団藤岡キッカーズは以下の賛同パートナーです>
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■ジュニアユース創設が決まるも選手集めに苦戦。その原因は...

もともとは「地元でサッカーを続けたい」という藤岡高校サッカー部のOBが中心となって創設された藤岡キッカーズ。県の社会人リーグに参戦する大人のチームのほかに、中学生を対象としたジュニアユースチームを創設しようと動き出したのが今から十数年ほど前のことでした。ここから本格的にクラブチームとしての活動がスタートします。

蹴球団藤岡キッカーズU-15の代表を務める堀江聡さんがこう話します。

「当時は群馬県にジュニアユースチームが10チームほどあったのですが、群馬県のクラブユース連盟の委員長から『藤岡市にもジュニアユースチームを作ってほしい』との要望があり、藤岡キッカーズに白羽の矢が立ったのです。ちょうどクラブ創設40周年のタイミングと重なるときでしたね。藤岡市の子どもたちの受け皿になろうと、まさにゼロから動き出し、チラシを配るなどして地域の人たちに周知すると、やっと25人ほどの子どもたちが集まってくれてスタートが切れました。

ただ、次の年になるとなかなか選手が集まらず......。苦労しましたね。セレクションを開催しても10人も集まらないときもあったし、最初の5年間は存続していくのは難しいと思った時期もありました。でも、近隣のジュニアチームの指導者や保護者の方々が徐々に当クラブの活動に理解を示してくれるようになり、それからは途切れることなく毎年のように加入してくれる流れができていったんです」

当初、「中学校の部活があるのだからジュニアユースチームはいらないという意見もありました。また、ジュニアユースはセレクションがあることから「地域の人たちから敷居の高さを感じられていたんです」と堀江さんは当時を振り返ります。地域との繋がりをもっと太くすることが大事だと考えた堀江さんたちは、ジュニア年代を対象とするスクール活動もスタートさせました。

スクール活動を開始したところ、新たな試みの反響は大きく、どんどん地域の子どもたちが集まってきてくれたそうです。現在、毎週月曜日に開催するスクールには小学1年生から6年生まで約90人が集まります。また、スクールから加入する子どももいるジュニアユースチームも選手が増え、現在では91名が所属しています。

■様々な場面で活動する指導者たち

現在子どもたちを指導する指導者たちは総勢10名ほど。クラブチームとはいえ、皆が無給のボランティア指導者です。ただ、ボランティアとはいえ、我々指導者は子どもたちの未来に触れているわけなので、プロコーチにも負けない気持ちで責任感を持って指導にあたっています。藤岡キッカーズの社会人チームでプレーしたあとに指導者になったというU-15監督の岸憲彦さんはこう言います。

「ここの指導者たちは、藤岡市サッカー協会が主催するキッズスクールで幼稚園生から小3までの子どもたちを指導したり、二、三、四種のトレセンの指導にも関わったりしています。週5日の藤岡キッカーズでの指導以外にも、様々な場面で地域の活動に関わっているんです」

悩みどころは指導者の負担が増えてきたところ。しかし、それでも四苦八苦しながら地域に入り込んでいこうとした藤岡キッカーズの指導者たちの姿勢は、藤岡において徐々に受け入れられていったようです。堀江さんがいいます。

地域の子どもたちのサッカー人口は限られていますから、既存のチームの邪魔をすることはしたくありません。藤岡市でのクラブチーム創設自体、当初は地域から多少の反対意見も出ていたんです。それでも、今では中学校のチームからも理解を頂いて、一緒に練習試合をするほど仲良くお付き合いをさせてもらえるようになりました」

こうした流れは、チームが活動するために不可欠なグラウンドの安定的な確保にも繋がっていったようです。取材に訪れた日は、あいにくの雨模様でしたが、藤岡キッカーズが毎週末使用するという河川敷のグラウンドでは、たくさんの中学生たちがボールを必死になって追いかけていました。その様子を見ながら松田部長が「このグラウンドはいつでも使用できるのですか?」と尋ねると、堀江さんがにっこりと笑顔を浮かべながら答えました。

「週末に藤岡市のイベント行事などがなければ、ありがたいことに藤岡キッカーズが終日使用させてもらっています。創設以来、もう10年ほどずっとここで活動していますね。ここでずっとサッカーをやっていることがわかっているから、ときどきOBたちが戻ってきて一緒にサッカーをやってくれるんです。その他平日には、市内の高校などを使用させていただき、練習しています。」

松田部長が「藤岡キッカーズは、地域の唯一のクラブチームとして受け入れられていったんですね」と感想をもらすと、「そうですね。正直、なかなか指導者の手が回り切っていない現状もあるのですが、チームには50年の歴史があるのでそれを途切れさせちゃいけないと思って活動しているんです」と堀江さん。

■『補欠ゼロ』の取り組みも推進

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この10年ほどで、藤岡のクラブチームとして地域に受け入れられながら認知されてきた藤岡キッカーズ。堀江さんは「自分たちがどこまでできているかわかりませんが、JFAさんが推し進めようとする取り組みに共感しています」と改めて意志を表明してくれました。

クラブでは『補欠ゼロ』の取り組みを積極的に推進しているそうで、練習試合も含めて選手たちの出場機会をできるだけ確保しようと工夫しています。また、将来的には「社会人リーグで活動するチームや、シニアリーグで活動する藤岡のチーム(別組織)と連携を取りながら、『引退なし』の環境を整えていく考えもあります」と堀江さんは将来へ向けた構想を明かしてくれました。

いずれもまだ道半ばのことですが、松田部長が「ぜひチャレンジしていってくださいね」と話すと、堀江さんもしっかりと頷いていました。

後編では、現状のクラブが抱える課題をいかに消化しながら未来へ繋げればいいのか、松田部長とともに夢の実現に向けて展望していきます。


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文:杜乃伍真

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