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JFAグラスルーツ推進部部長が行く!あなたの街のサッカーチーム訪問

「上手い子たちだけを集めて試合に勝ったとしても、全然嬉しくない」補欠ゼロを体現する公田SC

2017年6月 5日

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日本サッカー協会(JFA)グラスルーツ推進部の松田薫二部長があなたの街のサッカーチームを訪ね歩くこの連載。
 
今回訪れたのは、横浜市栄区で活動する公田サッカークラブ(公田SC)。創立42年の伝統ある街クラブは、「引退なし」「補欠ゼロ」「障がい者サッカー」と、JFAグラスルーツ推進・賛同パートナー制度が掲げる3つのテーマすべてにエントリー。地域の子どもたちにプレーの場を提供し、サッカーの楽しさを伝えるだけでなく、人間形成にも力を入れています。
 
2015年から同クラブの代表を務める冨田兄一郎さんは、JFAが主催するスポーツマネージャーズカレッジ(SMC)の12期生でもあります。「クラブの経営や運営を理解し、公田SCをより魅力あるクラブにしていきたい」。情熱的に語る冨田さんに、公田SCの特色について話を伺いました。(取材・文:原山裕平)
 
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<今回訪問した公田サッカークラブは以下の賛同パートナーです>
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後編:補欠ゼロを実践する公田SCの代表が語る「地域クラブだからこそ、やるべき使命」とは>>
 
■サッカーの考え方は一つではないことを身につけさせたい
公田SCには年少から小学6年生まで、およそ90人が在籍。取材に訪れた日はU-12のカテゴリーがミニゲームを中心に汗を流していました。コーチが一方的に教えるだけではなく、子供たちに質問を投げかけ、それぞれの意見を聞くなど、自主的に考えてプレーさせるという指導法が、印象的でした。
 
冨田さんはクラブの指導理念を次のように語ります。
 
「自分で考えてサッカーやりなさいということですね。ドリブル、パスといろんな手段ありますが、考えるのは本人だよと。選択肢をたくさん持つのが一番だと、そこは強調しています。例えば、ドリブルが上手い子がいれば、ドリブルをしてもいいですけど、頭の片隅にパスの選択肢も入れて、ドリブルをしなさいと言います。考え方は決して一つではないということを、身に付けさせていきたいです」
 
長年、この地で活動し、すでに街クラブとしての成果を挙げているなか、今回、賛同パートナーにエントリーしたのはどういった理由があったからなのでしょうか。
 
「もともと地域の子供たちを集めてサッカーをやってきたなかで、障がい者を受け入れるとか、補欠を作らないというのは、なんとなく理解していたことでした。その想いをクラブ全体で共有し、有言実行にしていきたいと考え、今回、賛同パートナーに申し込みをさせていただきました」
 
実際にこれまでは、クラブとしての共通コンセプトはありながらも、各コーチによって、考え方が統一されていない部分もあったそうです。それが賛同パートナーを宣言することで、コーチ陣のなかにも共通認識か生まれてきたと、冨田さんは言います。

 

■「上手い子を使わずに負けた」というのは親目線の結果論

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松田部長がまず尋ねたのは「補欠ゼロ」のテーマについてです。
 
「上手い子を中心ではなくて、すべての選手にチャンスを与える。それで勝てないと、文句を言われることもあるのではないですか?」
 
補欠ゼロの理想は一方で、勝利や強化に結び付きづらい。そのジレンマに対して、冨田さんは明確な回答を備えていました。
 
「おそらく、それは親目線だと思うんです。上手い子を使わずに負けたというのは、あくまで結果論。本当は負けた理由は、そうじゃないかもしれないですよね。だから、親御さんに対しては、我々の考えを理解して、尊重してほしいと伝えています。みんなを試合に出させてあげたいということは、あらかじめ父兄の方々に話していますし、おそらくこのチームに入っている時点で、理解していただいていると思います」
 
公田SCでは、1年間に様々な大会や試合があるなかで、すべての子どもたちがおおむね、同じくらいの試合数に出られるように配慮していると言います。
 
「かわいそうだと思うんですよね。せっかく遠征に行ったのに、ずっとベンチで声だけ出して、試合に出られずに帰ってくる。子供もつらいでしょうし、親も思うところがあるでしょう。それであったら、連れていかずに、自分の活動場所で練習させたほうがいいと思います。我々は、遠征に連れていけば、必ず試合に出します。そこはぶれずにやっているところです」
 
 

■全員で協力して勝つ喜びを味わわせてあげたい

冨田さんは決して、勝利至上主義を全面的に批判しているわけではありません。勝負事である以上、やはり勝つことが大事だと考えています。
 
「子どもたちには勝つ喜びを味わってほしい。だからといって、一部の上手い子たちだけを集めて、試合に勝ったとしても、全然嬉しくないですね。チームのみんなが全員で協力して、勝つ喜びを味わわせてあげたい。そういう風に思っています」
 
そうした考えの持ち主である冨田さんは、自分たちのチームだけでなく、他チームに対してもその考えを共有してもらうべく、補欠ゼロの大会を開催しました。
 
「もともとあった大会なのですが、それまではそのルールを明確にはしていませんでした。ただ、今回は全員を出すということを条件にしました。近隣の市から5チームが参加してくれましたが、私たちの考えに賛同してくれる指導者が多かったのは、嬉しかったですね」
 
この取り組みには松田部長も感心した様子で、冨田さんの話を神妙に聞き入っていました。 「補欠ゼロ」というテーマを体現する公田SCは、その他のテーマをどのように実践しているのでしょうか。
 
次回は「引退なし」「障がい者サッカー」の取り組みと、公田SCの今後についての話を伺っていきます。
 

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■グラスルーツ推進・賛同パートナー制度ってなに?
この制度の目的はJFAが掲げる『JFAグラスルーツ宣言』に賛同し、共に行動していただける団体と仲間になることで、グラスルーツサッカーの環境改善を推進することです。本制度の賛同パートナーになってもらい、その活動の理念や内容が好事例として日本全国に広く伝わり、JFAと同様の考え方で進められている活動であるという理解が深まることを期待しています。また、さまざまな好事例を多くの方々と共有することで、全国により良い環境が広がるきっかけになればと思っています。ぜひ賛同パートナーとなり、グラスルーツサッカーの環境改善にご協力下さい。
 
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1.あなたの団体・チームの宣言・活動内容等がJFA.jpに掲載されます。
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取材・文 原山裕平

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