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創部4年で2度目の全国大会出場!エリート不在も育てて勝たせる"異端"のサッカーチームとは?

公開:2021年12月 8日 更新:2022年6月29日

キーワード:TEKUDAMAテクダマ三木利章個人技女子サッカー指導法練習時間

大阪府堺市で活動するAC.gloria girls U15(グローリアガールズ)は、創部4年目ながら全日本U-15女子サッカー選手権大会に2年連続で出場。また多くのOGが全国の強豪校で活躍しています。チームの監督を務めるのが三木利章さん。個人技の指導に定評のあるコーチで、興國高校から川崎フロンターレに進む、永長鷹虎選手を幼児から高校年代まで指導に関わっていました。

平日練習は週2回(各2時間)。練習場はフットサルコートという限られた環境の中で成果を出し続ける"異端"の指導法について話を聞きました。

■サッカーも人間性も、勉強も!どこでも通用する選手を育てる

三木さんの指導の特徴は、サッカー面では「身体操作」と「ボールコントロール」に重点を置くこと。それに加えて、人間性を高める取り組みをすることで「日本全国、どの高校に行っても通用する選手になる」と述べます。

実際にグローリアガールズのOGは京都精華、大商学園、作陽、日ノ本学園、聖和学園など、高校女子サッカーの強豪校で活躍。2020年度の高校女子サッカー選手権大会準決勝・作陽対大商学園戦では、OG対決が実現しました。

gloriakiji01.jpg三木さんは「OGの活躍が、自分の指導がうまくいっているかのバロメーター」と柔らかな関西弁で言います。

グローリアガールズは平日練習が週に2回。しかもフットサルコートという限られたスペースです。週末はトレーニングおよび試合ですが、それも長時間せず、「試合の日もほとんどは半日で終わらせる」と言います。

ケガをしてほしくないし、勉強もしてほしい。中学生だからこそできることもあると思うので、練習時間を減らしています。女子は十字靭帯断裂等のケガが多いのですが、うちの子たちは平日に週3回休んでいるのと、体操やリフティング、コーンドリブルなど、巧みな身体操作を身につけるトレーニングをしているので、ケガ人がほとんどいません

サッカー漬けではなく、塾に通う時間も十分にあるので、「中3にオール5の選手が2人。中1も1学期の成績でオール5が5人。勉強の特待生で、サッカーの強豪校に進学している子もいます」と話します。

とはいえ、平日の練習が週2回しかない中で選手を成長させ、WEリーグのアカデミーや強豪街クラブと互角に渡り合うチームを作るのは簡単なことではありません。

■他チームより少ない300時間を1.5倍の練習強度で埋める

三木さんは練習時間の少なさを「300時間の壁」と表現します。

「女子チームは、平日練習週3回のところがほとんどです。練習が1回あたり2時間として、1年間が54週なので約100時間。中学3年間に換算すると、他のクラブの子より、練習時間が約300時間少ないことになります」

そのような状況下で三木さんが重視しているのが、トレーニングの強度を高め、目的と目標に向けて、最短で向かっていくことです。あるとき、他県の強豪中学の選手が、グローリアガールズに2日間「サッカー留学」に来たそうです。

「練習が終わったあと、その子がこう言っていました。『2日間の練習で、うちのチームの7日分の練習をしたぐらいの運動量です』って。2時間の練習中、常にボールを1人1個使ってドリブルをしているか、狭いコートで休みなく4対4などをするので、めっちゃしんどいんです。300時間の壁を埋めるためには、1回の練習の強度や濃度が他チームの1.5倍ないと追いつきません。だから、『やるときはやる!めちゃくちゃ頑張ろう』と言っています」

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グローリアガールズのトレーニングは1回2時間。そのうちの40分を個の強化に当てています。具体的には様々な体操、リフティング、ボールタッチ、コーンドリブルなどです。

その後、1対1や2対2などの対人トレーニングを行い、フットサルコート4分の1を使った4対4、フットサルコート2面を使った8対8などのゲーム形式を通じて、グループの中で、どのように個の力を発揮するかにアプローチしていきます。

■エリートぞろいじゃないチームが勝つことに意味がある

「僕はいま、中学生を指導しています。育成はバトンの受け渡しだと思っているので、技術と人間性を備え、ケガのない状態で高校に送り出すことを目的にしています。だから、このようなトレーニングの組み立てをしています。もし高校生の指導をするのであれば、アプローチは少し変わるでしょうね」

2021年度のJFA第26回全日本U-15女子サッカー選手権大会 関西大会では、INAC神戸テゾーロと決勝戦で2対3の接戦を演じ、創部4年目で2度目となる全国大会出場を決めたグローリアガールズ。

三木さんは「うちのようなチームが勝つことに、意味があるんじゃないかと思ってるんです」と話し、こう続けます。

「うちの試合を見た子たちが、『グローリアの子たち、めっちゃ上手い』とか言ってくれるんですけど、小学生時代にトレセンに選ばれていたのは1〜2人程度で、他の子は男子チームでベンチだったとか、小さかったり身体能力も低い選手たちが大半です。そんな普通の選手たちが中学3年間頑張って全国大会に出られたり、強豪校で活躍する姿を見せることで、同じような境遇の子たちに勇気を与えることができると思っています」

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三木さんは、こうした指導法やチームでの経験を、たくさんの子どもたちにも体験してもらえるよう、DVDや書籍を出版したり、ボールコントロールを高める専用サッカーボールテクダマ(TEKUDAMA)を開発するなど、理論と実践の普及にもつとめています。

▲三木さんが開発に携わった「テクダマ(TEKUDAMA)

「自分の体とボールを自由自在に扱うことができて、人間性がある程度できていたら、次のところに行ったときに、高校の先生らも起用しやすいと思うんです。その上で能力が高かったら、スーパーな選手になれるわけです。ただ、能力が低くても、どこの高校でも試合に出られるようにはしてあげたい。そのためには進路選びも大事なのですが、グローリアガールズの5つのコンセプト『運動量、球際、競り合い、声、関わり』をしっかりできるようにすること。上手い下手が関係ない部分については全員に強く求めています」

2021年12月11日開幕する全日本U-15女子サッカー選手権大会では、『過去一 魅せる』をテーマに、晴れの舞台に挑むグローリアガールズ。彼女たちの躍進が楽しみです。

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取材・文/鈴木智之 写真/AC.gloria girls U15(グローリアガールズ)

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