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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

あいつにはパス出すな!"選手いじめ"をするコーチ問題

公開:2019年1月23日

キーワード:いじめコーチスポ少チック症状パワハラ卒団小学生少年団指導者

コーチに「うざい」と直接言われ、チームメイトには「あいつにはパスを出すな」と言っていた。子どもはもう「サッカー」と聞くだけで耳をふさぐ状態に。指導者によるいじめが許せない。

だけど親の私もコーチが怖くてちゃんと対話できるかどうか......、というお悩みをいただきました。

今回も、スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、ご自身の体験と数々の取材活動で得た知見をもとに、子どもを守るためのポイントを3つご紹介します。選手いじめをする指導者からお子さんを守ってください。(文:島沢優子)

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※写真はサカイクキャンプです。ご質問者様とは関係ありません

<<おまえは負け組だ!と罵倒。夫の行き過ぎた指導をやめさせたい問題

<サッカーママからのご相談>

現在12歳の息子は5歳からサッカーを始め、小3から今の少年団に所属しサッカーを続けてきました。

小4までは、上の学年の試合にも優先的に出してもらえていたのですが、小5で担当コーチが変わってから、試合にほとんど出してもらえなくなりました。

サッカーを長く続けてきているので、技術はあっても性格や体格の面で試合中ぐいぐい行けず、そういう姿を見て「戦っていない!」とよく怒鳴られていました。

しまいには、目が合っただけで面と向かって「うざい」と言われたり、コーチ達の会話の中でも息子の事をけなしているんだろうなと思われる会話が聞こえてきたりしていました。

だんだん息子も少年団に行くのが嫌になり、反抗期も相まって、コーチに対する態度が悪くなってしまっていたとは思います。

息子にはその部分は注意し「悔しかったら陰で練習したら?」と何度も何度も言ってきましたが、息子は心が完全に折れてしまっていて「サッカー」という言葉だけでも耳をふさいでしまう状態。

それでも週に一度通っているスクールでは生き生きとプレーしていて、サッカー自体は本当に好きなんだな、と感じていました。

ところが先日
「試合の時はいつも泣きたくなる。(特定の)コーチや代表に『お前はボールを触るな』と言われるし、他のチームメイトには、『あいつにはパスを出すな』とみんなの前で言うんだよ」

と言われて、これはひどすぎる、と怒りと悔しさが収まりません。

卒団まであとわずか。
もっと早く辞める事を考えればよかったのでしょうが、息子が辞めたいと言わないので、ここまできてしまいました。

辞めたいと言わないものの、サッカーの話をすると、チックがひどくなったり、学業や私生活にもよくない影響が出ているように感じます。

子どもが言っている話なので、事実関係を確認しようと思ってはいますが、人を罵倒するコーチなので、私も正直怖くて、ちゃんと話せるかどうか...

それと、息子は副キャプテン、私は役員の仕事もあるので他の方に迷惑かけるのも心苦しかったりします。

あと少しで卒団なのですが、辞めるべきか、悔しい気持ちを押し殺してなんとか続けるべきか悩んでいます。

<島沢さんのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。

もう1月なので、もしかしたら答えをすでに出されたかもしれませんが、お話しさせてください。

お母さんに言えるのは、たったひとつ。
ぜひ勇気をもって、お子さんを守ってあげてください。

■指導者による「選手いじめ」は許されるべきではない

経緯をあらためて振り返ってみましょう。

コーチに対する態度が悪くなったとありますが、ウザいと言われたり、あからさまに目の前で大人たちが自分をけなす会話を聴いていたと言うことであれば、少し話は違ってきませんか。そこで「悔しかったら練習しろ」というのは、息子さんには酷な話しですよね。

その時点で、コーチの方及び団長さんときちんと話をすべきでした。お父さんがいるのなら、御両親で話してほしかったと思いました。

しかし、もう過去のこと。「たられば」で話しても仕方ありません。

大変だと思いますが、わが子が直面している事実に、まずはしっかりと向き合ってください。

・大人であるお母さんが一度たりとも面と向かって話せないほど、人を罵倒する怖いコーチとお子さんは日々向き合っている。

・サッカーの話をするとチックが出る。

・コーチや代表に「お前はボールを触るな」と言われ、チームメイトにも「あいつにはパスを出すな」とまで言われる。

私はこの三点だけで、すでにお子さんの成長にとってマイナスでしかないクラブだと感じます。

特に、最後のボールを触るなと命じて、さらに他の子にパス出すなと命じるのは、どんな理由があろうとも指導者による「選手いじめ」です。これが事実であれば、指導者として、決して許されるべきことではありません。

次ページ:子どもを守るための3つのポイント

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文:島沢優子

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