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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

2018年7月25日

土日も連休も丸つぶれなのに... わが子が試合に出られないと親が報われないぜ問題

キーワード:ベンチモチベーション保護者小学生意欲移籍補欠ゼロ

練習場所が遠くなったので近所のチームに移った息子。同級生がたくさんいて楽しんでいるけど、周りが上手くて試合に出られなくなった。親は土日も連休も丸つぶれで観戦に行くのに、まったく出場せずただ雨に打たれてベンチにいるだけ。そして風邪をひく...。サッカー自体向いてないから方向転換したほうがいいのか、と悩むママ。同じような経験を持つ方もいらっしゃるのでは?

サッカーママとして先輩の島沢さんが、今回もご自身の経験を通してアドバイスを送ります。お子さんがサッカーを楽しんで続けるために、ぜひ参考にしてみてください。(文:島沢優子)

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※写真はサカイクキャンプでコーチの指示を聞いているところ。 質問者及び質問内容とは関係ありません

<<勝利至上から全員出場にチーム方針が変更。息子のモチベ下がっちゃう問題

<サッカーママからの相談>

息子は小3で年中からサッカーを続けています。

クラブチームを4月より変更しました。以前のチームは週1回、練習時間1時間というもので、技術の向上というよりはサッカーを楽しむことに重点をおいていました。しかし3年生以上になると、片道40分離れたフィールドでの練習になるため送迎が難しく、近くのチームへ移ることにしました。

新しいチームでは、同級生がたくさん在籍しており、出だしは好調だったのですが...。周りがみんな上手で、息子は練習試合や大会ではいつもベンチにいるだけ。週4日、各日とも3時間以上の練習があり、帰宅後に宿題等をするのですが、疲れてはかどらず、日々の生活に支障が出るようになってきました。

また、もっと上手くなりたいとうような本人の意思もまったく感じられず、せっかくの土日もGWもサッカーで丸つぶれ...

試合観戦にも行くのですがまったく試合にでれず、雨にただうたれてベンチにいるだけ。ついには風邪を引く...というパターンです。そもそもサッカー自体向いてないのか、と方向転換すら考えています。本人は友達がいっぱいで楽しいのだそうです。

が、あまりの報われなさに親が辞めたいです。

お子さんがサッカーをしていたそうですが、島沢さんはこのようなモヤモヤを抱えたことはありますか?

アドバイスお願いします。

<島沢さんのアドバイス>

ご相談、ありがとうございます。

そして、正直にご自分の葛藤を話していただいたことも感謝します。
お子さんが試合に出られずずっとベンチにいるのは、親のほうもストレスですね。私も息子が小学1年生のころ、2年生の試合に連れて行かれた際、何試合もあるのにまったく出られなかったことがありました。

いま振り返ると情けない話ですが、若気の至りだと思って聞いてください。

 

■息子が不憫で試合の前半で帰った時、夫に言われた言葉

一緒に参加した1年生の子は試合に出ていたため、息子が不憫なのと、ベンチにいる姿を見ているのが私自身非常に辛かったですね。試合に出ていた同じ1年生のお母さんと一緒に観ていたのですが、最後の試合の前半で先に帰った記憶があります。

帰り道に泣きながら休日出勤の夫に電話しました。すると、夫は私からの報告を聞いた後「それで、いま、どこなの?」と聞くので、「いま、先に帰ってる」と言うと、少し笑いながら「それだと、○○(息子の名前)が、終わった後、ママは僕が出られないから先に帰っちゃったんだ、ってがっかりするんじゃない?」と言ったのです。

親として、心から反省しました。自分の感情ではなく、子どもの気持ちを優先して考えるべきでした。

「その子をよりよく成長させるために、親はどうすればいいか?」
逐一立ち止まって考えれば、そのたびに答えは出ます。

そして、それが子育ての原点だと思います。ご相談者様がおっしゃる、親が報われるか、報われないかは、その親の物差し次第です。

「元気で、楽しく生きてくれていればそれでいい」という物差しをもつ親ならほとんどの場合報われるでしょう。が、そうならないからみんな悩む。でも、その実は、元気で楽しく生きているからこそ、子どもはすくすくと自分の力で成長していくものです。

話を戻しましょう。
そのときは、最後まで見守るべきだったと後悔しました。子どもの気持ちに寄り添うことを目指さなくてはいけません。本来なら、親は試合を観るときはわが子だけでなくチームを全員を応援しなくてはいけないのですが、まだ入団したばかりの1年生でチームに愛着もなく、そのような価値観に辿り着いていませんでした。

さらにいえば、10数年前のことですが、当時は全員出場させるチームなどほとんど見かけませんでした。低学年でさえ、実力主義で勝たなくてはいけないという空気が充満していたように思います。

その意味でいえば、ご相談者様は余計にモヤモヤが募ることでしょう。今は「全員出場させる」「小学生の間は楽しませる」といった正しい価値観で運営するチームも出てきましたから。

■池上正さんとの出会いをきっかけに「ああしろ」「こうしろ」と言わなくなった

私はその後まもなくして、今では少年サッカー指導を変えたと言われる池上正さんに仕事で出会います。当時はジェフ千葉の育成コーチでした。

「全員出場させる」「小学生の間は楽しませる」ことを提唱され、子どもがサッカーを終えて帰ってきたら「楽しかった?」と聞いてあげて、と教わりました。

サッカー記者をしていたため、子どもにああしろ、こうしろとうるさく言う親だった私は、池上さんのおかげで少しずつですが変われたのだと思います。

ただし、新しい価値観に出会ったため、古い価値観の指導者との軋轢も生じました。息子が所属していたのは地域の少年団で、お父さんコーチが運営していました。そのチームでは当時、お父さんコーチのほとんどが自分の息子がエースやレギュラーだった人たちでした。

中学年になったころ、ある大会で息子の同級生ひとりだけを試合に出場させなかったことがありました。2学年合同で下級生も来ていたのですが、その子だけ出られず、お母さんは辛そうでした。

私はコーチに対し、なぜ出さなかったのか? 親も理由がわからなくてかわいそうだ、と話したら、「そんなこと、わかれよ」と言われました。つまり、下手だから出さない、ということです。

10数年前の話ですが、取材活動をしていたり、みなさんからの寄せられる相談を読んでいると、状況は今でもあまり変わらないのかなと感じます。新しい価値観のクラブが出てきたので、保護者は余計揺れてしまいますよね。

次ページ:サッカー向いてない? 方向転換? 判断は...

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あなたが抱えるお悩みに、先輩サッカーママ島沢優子がお答えします!

※ご相談者様のお名前、チーム名等は掲載いたしませんのでご安心ください。

文:島沢優子

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