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お父さんコーチでもすぐに実践できるトレーニング

状況判断とボールを扱うスキルを同時に磨く!指導歴の浅いコーチも明日から取り組める再現性の高い練習法

公開:2023年11月16日

サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。

低学年の子どもを指導する際、「どのようにして、周りを観る力を養えばよいのだろう?」と悩むコーチも少なくない。

そこで前回より、エルマルカサッカースクール代表の山本雅史コーチによる「周りを観る力を養う、基本トレーニング」を紹介中だ。

後編では「エリアストップ」「オフザボール」のトレーニングを通じて、周りを観る力の向上にアプローチしていく。(文・鈴木智之)

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ボール、相手、位置の3つをドリブル中に観て判断し、動きを合わせる

今回のテーマは「動きながら視野を確保する」。試合中はボールや周囲の状況に合わせて、動きながら視野を確保する必要がある。

周囲を観る方法として「身体の向き(ボールと相手を同一視)」「首を振る(常に情報を入れる)」、「眼を動かす(間接視野)」がある。

それらに働きかけるため「エリアストップ」のトレーニングを実施。3色のフラットマーカーをそれぞれペアで計6個置き、2人1組で実施する。

攻撃と守備に別れ、攻撃の選手がいずれかの色のマーカーへドリブルをし、そこでボールを止めるので、守備の選手も同じように、同じ色のもう1つのマーカーへドリブルし、ボールを止める。

攻撃の選手は守備の選手より、先にマーカーにボールを止めることができれば1点となる。時間で攻守が切り替わり、何点取れるか競う。

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山本コーチは「できれば3点取れるように。相手とぶつかることはないので、ボールと相手をしっかり観てやりましょう」と声をかけ、トレーニングがスタートした。

子どもたちのプレーを観ながら「あわてない」「いいね」「上手」などの声をかけ、「守備の人は何を観る?」と質問。子どもたちから「ボール、相手、フラットマーカー」といった答えが返ってくる。

「相手に背を向けてドリブルをすると、違うところに行かれたときに、気がつくことができないよね」と話し、相手を視野に入れた状態で、ボールを引きながら後ろに下がる動きをデモンストレーション。

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「どうやったら、相手に背中を見せずに、相手のことが見れるかな?」と声をかけるとともに、横向きでドリブルをするなど、相手のプレーが見えないと思ったら、体の向きや首振りで情報を入れることを伝えていった。

続いては、マーカーの場所をチェンジ。そうすることで、ボールと相手を同時に見ることが難しくなる。「これは高学年用の練習なので難しいけど、チャレンジしてみよう」

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ここでも、相手を観ながらマーカーを見るために、どういう体の向き、ポジションをとればいいかをデモンストレーション。詳細は動画で確認してほしい。

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ボールしか見ない子供たちが取り組みたいオフザボールの状況判断

2つ目のトレーニング。テーマは「オフザボールで周りを観る」。ここでは「オフザボール」のトレーニングで、ボールを受ける前に周りを観ることに働きかけていく。

山本コーチは「ボールを受ける前に、相手もしくは味方を見て、ドリブルなのか、パスなのかを判断していきます。このトレーニングをすることで、低学年のうちから、試合の中で周りを見る力を養うことができます」と解説する。

設定としては、シュート役の選手が真横からのパスを受け、前方にいるコーチの動きを観て、パスをしてリターンをもらう(ワンツー)、もしくはパスをせずにドリブルでゲートを通過するのいずれかを選ぶ。

パスかドリブルかの判断基準としては、コーチがパスを要求していたらパス、背を向けてボールを見ていなければドリブルでゲートを突破し、シュートを打つ。

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ポイントは、最初のパスは出し手から見て、真横に出すこと。それにより、受け手はスペースでボールを受ける練習になると同時に、コーチの様子を観る時間ができる。

そして、パスの受け手は、ボールを受ける際にコーチの状況を確認するのではなく、受ける前に顔を上げて観ることが重要だ。

さらに受け手はボールに対して一直線に進んで受けるのではなく、膨らむ動きでボールを受けることで、時間と選択肢に余裕が生まれる。このあたりも、ていねいに説明しているので、詳細は動画で確認してほしい。

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発展形としては、DF役でコーチを投入。最初のパスが出た瞬間、DF役のコーチが縦、斜め、どちらかのコースを塞ぐので、空いている方を選択して、ドリブルかワンツーで突破する。

今回のトレーニングは、オフザボールで重要な「身体の向き(ボールと相手を同一視)」「首を振る(常に情報を入れる)」、「眼を動かす(間接視野)」にアプローチすることのできる内容になっている。

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低学年の場合、どうしても自分とボールとの関係になりがちだが、周りを観るためのポイントを教えることで、たくさんの情報を取得できるとともに、状況に応じたプレーの選択が可能になる。

ぜひ山本コーチの声かけやデモンストレーションを参考に、日々のトレーニングに役立てていただければと思う。

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【講師】山本雅史/
埼玉スタジアム2002サッカースクールで長年指導し、専門学校講師やスポーツ幼児園コンサルタントなどを経験。各年代の監督・ヘッドコーチを歴任し、
現在は、///自己肯定感を高める///をコンセプトとした【エルマルカサッカースクール】の代表として活動している。
→2022年度U-16サッカー 日本代表2名輩出。
また、(一社)日本凸凹支援スポーツ協会の代表理事として、発達障がい児たちにサッカー教室を通じてスポーツ療育『ジャッジをしない個育て』を行っている。

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