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お父さんコーチでもすぐに実践できるトレーニング

U-8から周りを観る力を養う!設定を工夫して行う「わかりやすく、飽きさせない」トレーニング

公開:2023年11月 2日 更新:2023年11月16日

サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。

低学年の子どもを指導する際、「どのようにして、周りを観る力を養えばよいのだろう?」と悩むコーチも少なくない。

そこで今回より、エルマルカサッカースクール代表の山本雅史コーチに「周りを観る力を養う、基本トレーニング」をテーマに指導を実施してもらった。

過去にもCOACH UNITED ACADEMYに登場している山本コーチの指導は「説明がわかりやすい」「集中の続かない、低学年の子たちにもできそう」など、好評を博している。

動画では「周りを観る3つのポイント」「ドリブル中に観る習慣をつける」をテーマに、鬼ごっこと様々な設定を加えたコーンドリブルを実施。

トレーニングメニューの内容だけでなく、山本コーチの説明や雰囲気作りもぜひ参考にしてほしい。(文・鈴木智之)

この内容を動画で詳しく見る

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遊びの中で3つのポイントを意識して観る力を養う

トレーニング前、山本コーチは「低学年のうちはパスを相手にぶつけてしまったり、ドリブルしながら味方を観ることができず、ボールをとられてしまうことがあります。そこで低学年のうちから、周りを観るトレーニングをすることで、高学年になったときにプレーの幅が広がります」と説明し、実践に入っていった。

最初のトレーニングは「しっぽ取り」。山本コーチは「簡単にしっぽを取られないために、どのような体の向きが有効なのかをトレーニングしていきます」と狙いを説明する。

「しっぽ取り」はグリッドの中に鬼が2人、それ以外のしっぽをつけた人、6人程度で実施。ビブスを腰のあたりに入れ、鬼はそれを取る。時間内でしっぽを取れた数を競っていく。

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また「一度しっぽを取られた選手は、グリッドの外にあるビブスを取ってつけ直し、プレーに参加する」というルールになっている。そうすることで、取られたら終わりではなく、連続して動くことができる仕組みだ。

山本コーチは子どもたちに「しっぽを取られなくするためにはどうすればいい?」と質問し「鬼に背中を向けると取られやすい」と説明していく。さらに「周りを観る方法は3つあります」と話し、「首振り」「体の向き」「目」をポイントに挙げていく。

続いて「間接視野で、この辺に誰がいるかを見ること。鬼がどこにいるかを感じてみよう」と話し、2回戦目に突入。すると、子どもたちの動きが良くなっていく。

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そこで「次はボールありでやってみよう」とルールをチェンジ。鬼も逃げる人も、ボールをコントロールしながら行うことで、サッカーへと近づけていく。

子どもたちへのアドバイスとしては「いつ周りを観た方がいい?」「鬼が捕まえに来たとき?」「逃げているとき?」と声をかけ、観るタイミングに意識を向けていく。

「ボールを見ながらドリブルをして、鬼が来たらどうしようと周りを観ている人がいた。状態がいいときに周りを観よう。常に首を振ったり、体の向きを作っていれば、相手が来ても怖くない。それは状態がいいときに周りを観ているからだよ」

最後はチーム戦で実施。相手チームのしっぽを取ることを通じて「味方と協力してプレーすること」を働きかけていった。

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ゲーム性を入れて飽きずに取り組める周りを観るドリブル練習

2つ目の動画は「ドリブル中に観る習慣をつける」をテーマに実施。山本コーチは「最初は自由にやらせ、徐々に観るものを増やしていきます」と話し、「コーンドリブル」がスタートした。

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まずはジグザグにコーンの間をドリブルで通過し、次に「コーチがグリーンカードを出したら進む、レッドカードを出したら止まる」というルールに移行。ゲーム性を持たせることで、集中力の高い状態を作り出していく。

次は「カードの色を3つに増やし、コーチが出したカードの色のコーンを観る」というルール。ここでも、しっぽ取りで確認した、体の向きや、首を振ること、間接視野で観ることで、コーチが出すカードに素早く反応できるようアプローチしていった。

最後はコーンを地面に横に倒し、ボールを一度止めてスライド(ボールをインサイドでタッチし、横に動かす)、もしくはドラックバック(足の裏でボールを引いて、進行方向を変える)でコーンをかわしていく。

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加えて、「コーチが出したカードの色と同じ色のコーンを観る」ことは継続して行う。

山本コーチは「スライドかドラックバックをする前に、必ずボールを一度止めること」「観るタイミングが重要。いつ観る?それは自分で覚えよう」などの声掛けで、周りを観ながら技術を発揮することにアプローチしていった。

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トレーニングの設定によって、自然と観ることに意識を向けさせるとともに、実戦でよく使うボールコントロールを高めるという秀逸な設定だ。

以上で前編のトレーニングは終了。小スペースで楽しみながら実施でき、認知と判断、技術の向上に働きかけるメニューなので、ぜひ日々のトレーニングに取り入れてほしい。

きっと、体を動かすことを楽しみながら、サッカーの上達につながるはずだ。

この内容を動画で詳しく見る

【講師】山本雅史/
埼玉スタジアム2002サッカースクールで長年指導し、専門学校講師やスポーツ幼児園コンサルタントなどを経験。各年代の監督・ヘッドコーチを歴任し、
現在は、///自己肯定感を高める///をコンセプトとした【エルマルカサッカースクール】の代表として活動している。
→2022年度U-16サッカー 日本代表2名輩出。
また、(一社)日本凸凹支援スポーツ協会の代表理事として、発達障がい児たちにサッカー教室を通じてスポーツ療育『ジャッジをしない個育て』を行っている。

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