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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
少年団からクラブチームに移籍して自信を失った息子、入りたいチームに受かるため自信を復活させたい問題
公開:2026年7月15日
本人の意志で少年団からクラブチームに移籍したけど、自分の力が出せず自信を失った息子。一番良かった時の半分ぐらいしか力を出せてない。
最近では「サッカーおもしろくない」とも。辞める選択肢があることも伝えたけど、中学年代で入りたいクラブチームがあるという。自信を取り戻すにはどんなサポートをすればいい? と悩むお母さんからのご相談。
スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんに「やることリスト」をお伝えします。
(構成・文:島沢優子)
(写真は少年サッカーのイメージ ご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)
<サッカーママからのご相談>
はじめまして。こんにちは。
小学6年の息子がいます。小1からスポ少でサッカーをはじめ、本人の希望で高みを目指して小5でクラブチームに移籍しました。
初めは順調でしたが、徐々に強いチームとしかあたらず、さらに新しい環境に1人で飛び込んだことなど重なり自分の力が出せなくなってしまい自信を失ってしまいました。
最初は両親共に熱くなってしまい、叱ったりアドバイスしたり色々な方法で声がけしていましたが、何を言っても黙ってしまうようになってからは、関わり方が悪かったと2人で反省して見守る姿勢で様子をみせていました。
しかし、本人の自信はいまだ取り戻せず、萎縮したプレーばかりになって、1番生き生きプレーしていたときの実力の半分以下しかだせていません。
久しぶりに最近どうしちゃったの? 何かあった? と聞いてみたら「何をやってもうまく行かない、自分はできない、サッカーがおもしろくない」と。
私たち親は、サッカーをやめる選択肢もあるということも伝えました。 やめる以外にも、サッカーを続けたいなら部活、クラブチームなど色々あることも。
が、本人はクラブチームでやりたいようです。
入りたいチームもありますが、今の自信のないプレーではとても受からないように思います。どのように声がけして浮上するサポートができるのでしょうか?
できることなら本人が希望するチームに受かって欲しいです。
<島沢さんからの回答>
ご相談ありがとうございます。
スポーツ少年団からクラブチームへ移籍した後、自信を失ったのでしょう。5年生時は少年団で跳びぬけていたため、思い切って強豪クラブで新たな挑戦を始めた。けれど、思ったよりも他の選手が上手だったのか、伸び悩んでいるようです。6年生になっても「萎縮したプレーばかりになって、1番生き生きプレーしていたときの実力の半分以下しか出せていない」とお母さんのメールに書かれています。
率直に言えば、今所属するクラブのプレー環境が、息子さんの現時点での実力に適していないようです。なぜ「現時点での」に下線を引いたかと言うと、小学6年生の体格や運動能力、技量はこれからいくらでも変わっていくからです。
つまりは、非常にアンバランスな状態でいくら親が励まそうが、叱り飛ばそうが、状況は変わらないでしょう。
■子どもを「良い方向に導かねば」ではなく「好き」をつぶさないようにしよう
「親が頑張れば子どもが伸びる」
エネルギーや情報収集能力があり、ご自分も何かを頑張って何かを乗り越えたり成就させた親御さんほど、そう考えてしまいます。私自身もそうでした。
共働きのうえにワンオペで、どうしてもほったらかしになることがあり「ちゃんと育てなくては」と力が入りました。力が入れば入るほど、子どもに良い影響は与えないことを、このライターという仕事を通じて理解し軌道修正できました。
「どのように声がけして浮上するサポートができるのでしょうか?」と書かれていますが、私たち親に大したことはできません。
育つ時代も違い、そもそも個体や個性も違う親のアドバイスが有効でしょうか。ぜひとも「良い方向へ導かなくては」と考えないで、子どもの意欲や「好き」をつぶさないよう振る舞うことをぜひ心がけてください。
そこで、子どもの意欲や「好き」をつぶさないために、お母さんが「やることリスト」を以下にお伝えします。一読して納得できたものだけでよいので取り組んでみてください。
■やることリスト1 子どもに「ありがとう」を伝える
息子さんに「何かあった?」と聞いたのはグッジョブです。そこで「何をやってもうまくいかない自分はできない。サッカーがおもしろくない」と本音を息子さんから引き出しました。その際「自分の気持ちを言ってくれたね。ありがとうね」と伝えましたか? まだであれば、ぜひ言ってあげてください。
「叱ったりアドバイスしたり色々な方法で声がけしたら、何を言っても黙ってしまった」と以前にあまりよろしくない対応をしていたようです。試合に出られないとか、出ても良いプレーができないといったことが続いたのだと察します。
では、サッカーでいつもレギュラーで活躍してほしくて、そうではない息子さんを許せないのでしょうか? そうではありませんよね?
■やることリスト2 子どもにどうあってほしいのか、原点に還る
まずは子育ての原点に還ってみましょう。「私は何のために子育てしているのかな?」と、一度胸に手を当てて考えてみてください。子どもにどうあってほしいのか。例えば「元気に自分らしく楽しく生きてすくすくと成長してほしい」は、親であれば誰しもが願っていることです。
そこに注目すれば、息子さんを少しずつ肯定できるようになるでしょう。例えば、以下のように考えられないでしょうか。
私の息子は移籍したことで苦境に陥っているけれど、決して逃げずに向き合っている。
私の息子は試合に出られなくても、こんなにサッカーを楽しんでいる。
私の子は、少し伸び悩んでいるけれど、練習を休まずコツコツと努力を続けている。
そのように、お母さんが肯定することが、何よりも息子さんの力になります。逆に、お母さんやお父さんが息子さんに対して心配する感情や、不安な気持ちは、息子さんの自己肯定感を下げます。彼の深層心理を言葉にするとしたら「僕のことを一番知っているはずのお母さんにこんなに心配されてしまう、ダメな僕」と感じてしまうのです。
■やることリスト3 多少の不安があっても鈍感でいるか、強がる
自分とは違う生命体を預かるのですから、私たち親はその都度不安に襲われます。特に子どもが受験やサッカーのセレクションなど何かにチャレンジするときは不安でいっぱいです。とはいえ、そこで心配してオロオロするのではなく、多少不安なところがあってもわが子を「大丈夫、大丈夫」と信じてあげてください。
わざと鈍感でいるか、強がること。今のお母さんのように「入りたいチームもありますが、今の自信のないプレーではとても受からないように思う」などと考えないこと。ああ、受かりっこないよねと親が思っているなんて、子どもにとってはショックです。お母さんの鈍感さや強がりが息子さんの力になります。
もしもあまりに実力とかけ離れたところを希望しているのならば「お父さんも、お母さんも、すぐに試合に出られるチームがいいと思うよ」とか「強豪じゃなくてもいいんじゃないかな。試合に出ないと面白くないもんね」などと伝えてください。ほかに「そんなところ受かりっこないだろ」などとこころない言葉は言わないこと。一貫して息子さんを肯定し続けてください。
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