考える力
キャンプで育まれた、「優しさ」とサッカーの本質的な楽しさ。 この冬、苦手な言語化にも向き合い、最後の参加をキャンプ集大成に!
公開:2025年10月24日
サッカーの技術だけでなく、人としての成長も掲げているサカイクキャンプ。
近年のサッカーでも、高い技術力や戦術理解力などと合わせ、ますます人間性が重要視されている傾向にあるようです。
今年の冬キャンプで5回目にして最後の参加となるユウシン君(小6)。
リピートし続けたキャンプの魅力や抱えている課題について、お母さんにもお話をうかがいました。
(取材・文 木村芽久美)

■サッカーノートがきっかけでキャンプに参加。ノートの継続には苦戦中だが、少しずつ理解も
サッカーを始めたのは、小学3年生ごろだというユウシン君。
キャンプ参加は11歳の時、サッカーノートを通じた案内から、お母さんの「行ってみる?」という一言がきっかけでした。
初めて宿泊参加した時でも「緊張しなかった」というユウシン君は物怖じしない性格で、人見知りせずに誰とでも喋れるタイプ。そこはお母さんも安心していると言います。
ただ言語化することが苦手で、文章を書くのもあまり得意ではないそうで、キャンプを離れるとサッカーノートが続かず、書いてある内容も抽象的だとお母さんは話します。
ユウシン君自身は最初、書き方自体が理解できなかったそうですが、2回目のキャンプ以降、少しずつ書き方がわかるようになったと言います。ただ、書き続けることには難しさがあるようです。
■サッカーの基礎が身につき、自信がついた。やりたい練習もできて充実したキャンプに

ユウシン君は今まで4回キャンプに参加しています。リピートした理由を聞くと「楽しかったから」と素直に答えます。
一番成長した部分については「サッカーの基礎の部分が身についてきた」「止めて蹴るができるようになってきた」という実感があると言い、「最初、自分はサッカーが上手くなかったから」と振り返ってくれました。
所属チームはゲーム中心のトレーニングがメインで、改善点を自分で見つけて練習していくスタイル。チーム練習中に個人練習ができないそうですが、その中で自分の好きな1対1の練習もでき、充実感があったようです。
■キャンプの中で自然と育まれた人間性。「優しい声かけ」が仲間をつなぐ
回数を重ねる中で、変わったのはプレーの技術だけではありません。仲間との関わり方にも大きな成長が見えました。
キャンプでは年下の子と接するときに「きつい言葉が出ないようにした。優しい言葉のほうがいいと思った」とユウシン君は話します。
所属チームでは同世代同士、強めに声をかけ合うこともあったそうですが、キャンプでは年下や初参加の子が多いため、先輩として声のかけ方を工夫するようになったのです。
「優しい言葉で声をかけたら、ちゃんと伝わった気がした」と本人も実感しています。
キャンプ中、ユウシン君を見守っていた柏瀬コーチは「最初に参加した時は、受け身でコミュニケーションに苦手意識があるようでした。今では下級生に積極的に声をかけ、自然にユウシン君の周りに仲間が集まっていく。コーチも頼りにさせてもらっている選手です」と語ります。
所属チームでも、初参加の子に話しかけたり、年下の子の面倒を見たりする姿が見られ、保護者から感謝されることもあるそうです。
「いわゆる『みんなを引っ張るリーダー』ではなく、共感力があって周りをサポートできる現代的なリーダータイプ」だと、コーチは今後の成長に期待を寄せています。
■今後の目標はジュニアユース昇格。サッカーノートを武器にたくさんのチャレンジをしてくれることに期待!

ユウシン君は「まずは上(ジュニアユース)に上がれるように頑張りたい」と、これからの目標を掲げています。
所属チームではセレクションはないものの、日々の練習や試合を通じて昇格が決まり、A・Bチームに振り分けられる仕組みだそうです。日々の積み重ねが直接未来につながっていくのです。
思春期に入り、あまり口うるさく言わないように距離感を大切にしているお母さんは「具体的な改善点を見つけるためには自分を分析することが必要。好きなサッカーのことなら向き合ってノートも書けると思う。考える力を身につけてほしい」と期待を込めて語ります。
サッカーノートの継続のコツについては、これまでサカイクでも特集していますが、「まずは短い文章でも自分の言葉で振り返ることを積み重ねていくことが、次の成長につながるはず」と柏瀬コーチもアドバイスします。
キャンプ中、書き方やどんなことでも質問してくれて構わないとコーチは言っています。現段階でわかっている課題もあるそうなので、ノートを活用して、課題にチャレンジをし続けてくれることを期待しています。
■枕投げと最終日の試合がキャンプの醍醐味。最後のキャンプが、大きな集大成に!

「キャンプで一番楽しかったことは?」と聞くと「枕投げ!」と話すユウシン君。
さらに「最終日の試合も楽しい。ポジションも作戦も自分たちで決められるのが面白い」と語ります。試合を重ねるにつれ、仲間との連携が深まる実感があり、サッカーの本質的な面白さを感じている様子です。
最後のキャンプに向けては「年下の子に優しくしたい。いろいろ教えてあげたい」と力強い言葉も言ってくれています。
この冬、仲間たちと過ごすユウシン君の最後のキャンプは、きっと彼にとって大きな集大成となるはずです。
ユウシン君のような優しい先輩がいるから、初参加の人も安心です。
ぜひこの冬のキャンプに参加し、多様な視点で楽しめる、サカイクならではのサッカーキャンプを体験してみてください。
冬キャンプ参加者募集中
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チームでサッカーを長く続けている子も、初心者も大歓迎!
子どもたちが自信をつけて帰ってくるサカイクキャンプを箱根と大阪で開催します。
サッカーのトレーニングももちろんですが、サカイクキャンプ独自のプログラム「ライフスキル」で、サッカーに役立つ思考力やコミュニケーション、周囲への感謝の心などオフザピッチの大切さも学びます。
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