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子どもは小さな大人ではない。親も取れるJFA公認資格「キッズリーダー」の指導ガイドラインとは?

公開:2017年10月23日 更新:2021年1月27日

キーワード:キッズリーダーゴールデンエイジ小学生指導者育成

前回は10歳以下の選手、子どもたちに関わる「体を動かすことの楽しさを伝える」指導者を育成するための「キッズリーダー」の講習について、FC東京の鯨井コーチにお話を伺いましたが、実際に東京都で開催されたU-10のキッズリーダー講習会に参加してみました。

キッズリーダーの資格は、指導者ではない保護者の方も取れる資格で、早期教育・専門的英才教育を目指したものではありません。年代ごとの発達に応じたアプローチ法を学ぶ場なので、サッカーの経験は不問。まずは90分の座学で10歳以下の子どもたちのことや指導のポイントなどを学び、その後90分の実技を行います。初対面の受講者たちともワークショップや実技を通じて仲良くなれ、サッカーの楽しさを実感できました。(取材・文:前田陽子)

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<<前編:サッカーを続けるために、ゴールデンエイジまでにどんな接し方をすればいいの?

■子どもは小さな大人ではない。子どものサッカーを

サカイク10か条にも「親御さんに理解してほしいこと」として掲げていますが、キッズリーダー講習会でも「子どもは小さな大人ではない」がキーワードになっています。

座学では、私たち親が子どもだったころと、今の子どもたちが置かれている環境の違い(昔に比べて外遊びができなくなった、かつてのように他人の子どもを叱ったり、規律やモラルを教育する環境が少なくなったことによる影響)や、キッズと呼ばれる6~10歳の子どもの発育や発達の段階についてなどを学びます。子どもは大人と全く異なった心理的、生理的、身体的特徴があります。そしてその特徴は年齢を重ねるごとに変化していきます。

「あたりまえ」と思っていたことも、改めて学ぶことで再認識ができ、子どもと関わるときに気にかけることができるようになります。

この日の参加者には、「サッカー経験はないけれど、子どものチームで指導を頼まれた」というお父さんコーチや、お父さん審判、教育関連職の女性など様々な立場の方がおり、みなさん年代に合った指導をしたいという熱意を持って講義を受けていました。

座学の後半は指導のガイドラインについて。6~10歳ぐらいまでのサッカーはゲームでもあり、遊びの延長でもあるので、まずは笑顔で楽しむことが大切です。そのためにまずは、自分とボール、自分と相手とボール、みんなでプレー、チーム対チームと段階を踏んで指導し、ボール遊びからチーム競技としてのサッカーをスタートさせます。

この年代に大切なのは、勝つことより楽しむこと。これを念頭に置くことが大事です。キッズリーダーは子どもにとって最初に出会う指導者。子どもたちの将来につながる、記憶に残るような指導者になることを目指します。

■大人は子どもたちに夢を与える責任がある

座学で講師を務めたFC東京・普及部の権東勇介コーチと、会場であるFC東京パーク府中の支配人である安藤孝太郎コーチ、前編でお話を伺った鯨井コーチらが指導を務める実技は、は鬼ごっこなどの遊びの要素を入れたものからスタートして、まずは他の参加者たちとコミュニケーションを取ることで、緊張をほぐします。

その後は、ペアを組んでのボールコントロールの練習や少人数のグループワークで、手でボールを投げてのパス交換などサッカー初心者でもできるものから始まり、パス交換の際に体の一部を口頭で指示し、言われた部位をタッチしてからボールをキャッチするゲームなど、徐々に頭を使って体を動かすものにレベルを上げていきます。

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2人組でパス交換からのシュート練習では、エンドラインの両側からスタートし、ピッチの真ん中あたりで向かい側から来るペアとぶつからないようにパスを出したり、走るコースやスピードを変えるなどの工夫を求められました。また、終盤には7~8人のチームを作り、
コーチが指示した人数で対戦するゲームも。

ゴール前にチームの全員が並び、コーチが「2人」と言ったら右から2名が相手チームと対戦、ゴールを決めるか、相手チームのディフェンスのラインを越えたらメンバー交代となるこのゲームでは、残りのメンバーは戦っているチームメイトに指示を出し、ゴールに迫ってくる相手チームをディフェンスします。

そして、良いプレーには笑顔で「ナイス!」と声をかけるなど、それぞれ今自分がすべきことは何かを考えて実行していました。どのグループも協力しあい、どうすればボールを奪えるのか、シュートが打てるのかなど声を掛け合うなど、この日初めて会った方々とは思えないほどのチームワークを発揮していました。

実技の最後は試合を行いました。男女混合でサッカーの経験もバラバラですが、みなさん声を掛け合って楽しそうにボールを追っていました。

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(全工程が終了すると終了証がもらえる)

そうして実技を終えた後はJFA公認と印字されたグリーンの「修了証」をもらい、全員で記念撮影をして全行程が終了となります。

次ページ:子どもの試合を大人のモチベーションにしないこと

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文:前田陽子

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