考える力

2021年7月 5日

成長を実感することで自己肯定感UP! 子どもたちが自分で考えてプレーしだすサッカーキャンプの指導内容とは

サッカーのスキルだけでなく、子どもの自立心も身につくと評判のサカイクキャンプ。夏休みの開催を控えた6月中旬、サカイクキャンプでのコーチ陣がクラブチームにうかがい、1日キャンプを実施しました。

はたして、1日体験で子どもたちはどのような刺激を受けたのでしょうか?

(取材・文:鈴木智之)

 


サカイクキャンプで導入している内容をFCリアルの選手たちに体験してもらいました

 

■目標を立てるには「いまの自分を知る」ことが大事

サカイク1日キャンプに協力したくれたのが、埼玉県で活動する、FCリアルのみなさん。この日は小学3年生から5年生までが参加してくれました。

プログラムは、通常2泊3日で行われるサカイクキャンプの内容をギュッと凝縮したものになっています。なかでも特徴的なのが、トレーニング前にセミナーを通じて「目標設定」「いまの自分を知る」という取り組みをすること。

サカイクキャンプの菊池健太コーチは、その意図を次のように説明します

「子どもたちがどんな目標を持っているか、どうなりたくてサッカーをしているのかを、僕らコーチ陣が知ることは、すごく大切なことだと思っています。目標を子どもたちと共有すると、そこに向かっていく手助けができます。目標をイメージできていない子は『自分はどうなりたいんだろう?』と考えることが、成長していくための第一歩になります」

それらをもとに、サッカーのトレーニングをして、練習後は「トレーニングを終えてどうだったか」「どこが成長できたか」などを、サカイクサッカーノートを使って振り返っていきます。

菊池コーチは「サッカー面では、サカイクキャンプでで重点的に取り組んでいる『考えて動く』こと。気持ちの面では、『チャレンジする』ことをテーマに設定しています」と教えてくれました。

 

■子どものチャレンジを促す声掛け

トレーニングは対人形式やゴールを設定した競争形式のものが多く、子どもたちは暑さをものともせず、夢中になって取り組んでいました。

なかでも印象的だったのが、子どもたちのプレーに対して、コーチが常にポジティブな声掛けをしていること。「いいね」「ナイス」「いまのチャレンジ、よかったよ」などと、子どもたちの背中を押す掛け声をしていました。

菊池コーチは汗をぬぐいながら、次のように言います。

「小学3年生でも、僕たちが『チャレンジすることって大事だよね』と言ったら、5年生相手にドリブルを仕掛けたり、積極的にボールを奪いに行ったりとチャレンジしてくれました。本当は学年ごとに分けて試合をする予定でしたが、子どもたちの様子を見て、できそうだったので全学年をミックスしてやりました。非常に良かったと思います」

小学5年生の子に感想を聞くと、「3年生の子がうまくプレーするためにはどうすればいいかを考えてプレーした。普段はあまりそういうことを考えないので、できてよかった」としっかりと話してくれました。

 

■子どもたちにチャレンジさせるための工夫、その狙いとは

子どもたちにチャレンジさせるために、コーチ陣も工夫をこらしています。この日のトレーニング中、あえて難しい「4人1組でのヘディングゲーム」に挑戦しました。4人連続でバックへッドを成功させるというもので、難易度が高いのでなかなかクリアできません。


みんなで失敗を体験することで、「もう一回、もう一回」「順番変えようか」など協力し合っていい雰囲気になっていました

 

菊池コーチは、その狙いを次のように明かします。

わざと失敗するゲームを入れました。失敗するんですけど、みんなが笑顔で練習に入れる雰囲気を作ると、失敗に対して文句を言わなくなります。導入の部分はいつも気を使っています。口で『失敗してもいいよ』と言うのもいいですが、みんなで同じ体験をすることで生まれる雰囲気や関係性も大切にしています」

 

自分で考えて行動する力がつくサカイクサッカーキャンプとは>>

 

■成長を実感することで自己肯定感が高まる

サッカー面では「考えて動く」ことをベースに、周囲の状況を観て、どのプレーが良いかを選択することや判断スピードを速くすること。そのために味方の選手が助ける(サポートをする)ことなどを学んでいました。

90分のトレーニング終了後、子どもたちはサカイクサッカーノートを書きながら、トレーニングの振り返りをします。菊池コーチは言います。

「これは、サカイクキャンプでで大切にしている『ライフスキル』の中の『自分を知る』作業です。練習を振り返ることで、練習前の自分と比べて、成長した部分がわかります。それをチャートにすることで視覚的にも成長が実感できるので、自己肯定感も高まります」

FCリアルの委文佑樹コーチは「トレーニングでは、子どもたちが率先して考えて、味方に声をかける姿を見ることができました。目標があって練習して、それに対してフィードバックをするという流れは大切ですよね」と感想を話してくれました。

 

■たった3日間で確実に子どもに変化が起きる

夏のサカイクキャンプでに向けて、菊池コーチは意気込みを語ります。

「僕ら大人がするべきは、子どもたちが楽しんでチャレンジできる環境を整えること。もともと、子どもたちは楽しむ力を持っています。僕らはそれを後押ししたいと思い、子どもたちと接しています。キャンプの3日間で、確実に変化が起きる、変わるきっかけがあると思います。夏休みにしかできない経験、小学4、5、6年生、その時期にしかできない経験が必ずあるので、ぜひ興味があるお子さんは参加してもらえたらと思います」

自立心やチャレンジ精神、感謝する心など、サッカー以外の成長にも目を向けるサカイクキャンプで。サッカーの技術、戦術に加えて、生活面での成長も期待できるプログラムを受けてみたい方は、ぜひアクセスしてみてください。

 

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