■スポーツ活動は自己肯定感を高め、やり遂げる達成感を経験できる
スポーツや身体活動で必ずしも、学業成績が上がるとは言えないかもしれません。それでも子どもが身体を動かして活発に過ごすことは、少なくとも学業にはマイナスの影響を及ぼさないようです。
ところで、休み時間はその学校に通う全ての子どもに与えられるので調査しやすい項目だと思いますが、子どもたちの放課後の活動形態は様々ですよね。はたしてどのような活動環境が学業成績の向上に結び付くのか、についても調査結果をご紹介します。
ニューヨーク大学がニューヨーク市内の低所得世帯の中学生を対象に、放課後の活動と学業成績への影響を調べたところ、スポーツ活動や地域のボランティア活動に参加していることと、良い学業成績を修めることはリンクしていたそうです。
その結果を受けて研究者は「子どもたちが自分の居場所があることを感じられることや、得意なものがあると感じられること。また、難しいことでも挑戦すると、報われると感じられること理由ではないか」と分析します。
そして、スポーツやボランティアなどの活動で得たことが、自信になり学校生活にも生かされているのではと言います。
「子どもたちは自分の居場所があるという安心感、自己肯定感や物事をやり遂げる力、スポーツなどの活動で得たスキルを、学校の宿題などをするときなどでも使っているのではないか。自分が所属する集団の一員であり、何かをやり遂げられるという感覚を与えるためにも放課後の活動機会は提供されるべきだ」
いかがでしょうか。これらの調査からは、子どもたちにとってスポーツ活動によって自分の居場所があると安心できることや、達成感を経験することが、学習にも生きてくると言えそうです。
よく学び、よく遊ぶ。スポーツを楽しむ中で、学んだことが身体に染みこんでいく年代です。大人はそれを安心して挑戦できるようサポートしてあげればよいのではないでしょうか。
後編では、サッカー選手の認知力調査の結果をもとに、「サッカーをすることで頭がよくなるのか」をご紹介します。