考える力

2017年12月 8日

ゆるい指導なのに強い大豆戸FCが支持される理由は「持続可能なクラブマネージメント」

■持続可能なチームマネジメント

(写真提供:大豆戸FC)

「働き方改革をしなければ」なんて言うサッカーコーチは珍しい存在です。末本さんは、15年前は外食産業に身を置き「アルバイトの若者をその気にさせるカリスマ店長」としていくつもの店を立て直した経験を持ちます。

「やる気にさせるには、小さな"できる"を見つけてやって認めること。子どもを同じように伸ばせると思って転身しました」
雇用環境を整備しなくては、みんなでがむしゃらに頑張っても結果は一時的なもので継続しない。そんなことが身に浸みていました。つまり、経験したビジネスのノウハウをアスリート教育やクラブ運営に転換しているわけです。

大豆戸FCのクラブ運営は、高サスティナビリティ(持続可能性)なチームマネジメントの良い事例でもあります。

いま、大企業がこぞって頭をひねる「サスティナビリティ」。持続可能な事業形態を、すべてのサッカークラブがあらためて考え直すべきではないでしょうか。

あくまでも主体は子ども。そこにともに歩む大人も加わる。

末本さんの15年間の道のりを取材し、あらためてそう思いました。
変えるが勝ち、なのです。

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は、ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)。

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