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考える力

2016年2月15日

「どうしたら良いと思う?」人生に役立つ"自分と向き合う心"を育てる方法

キーワード:しつもん作戦会議チームメンタルトレーニング質問

しつもんメンタルトレーナーとして活動する藤代圭一さんが考案されたチームの会議運営キット『しつもん作戦会議』。それはクラブの子どもたち、そして監督やコーチにどんな効果をもたらしたのでしょうか。2回にわたって紹介する短期集中企画の第二回は、選手・保護者の目線でお伝えいたします。(取材・写真/鈴木蹴一  文/木之下潤)

<<前回記事『"お互いを知る"ことの大切さ。「しつもん」がチームを団結させる理由』

shitumon05.jpgカードにはサッカーだけでなく様々な「しつもん」が書かれている

■選手自身が感じる「しつもん作戦会議」で変化した"こころ"

このクラブでは、小学4年生の時から、しつもんメンタルトレーナーの藤代圭一さんによるメンタルトレーニングを始めました。ある選手が『しつもん作戦会議』などメンタルトレーニングと向き合い、自分自身が変化したことをこう語ってくれました。

「メンタルトレーニングをやる前は、プレーでうまくいかなかったら周囲のせいにしていました。でも続けるうちに、自分の悪いところが冷静に見えるようになりました。それは、きっと仲間の考えに触れる機会があり、自分のことを見つめる機会に出会ったからだと思います」

また、ある選手はこんなことを教えてくれました。

「サッカーがうまくなるには練習だけが必要かと思っていましたが、こんなトレーニングもあるんだなって。メンタルトレーニングとサッカーノートは、今の自分に本当に生きています。落ち着いて物事を考えられるようになりました。たとえば、車に一度ボールを当てたことがあったんです。そのときは瞬間的に逃げてしまったのですが、立ち止まって『謝ろう』と考え直しました。『今、謝れば許してもらえる』って」

■「今の自分を見つめる」ことがサッカーの上達にもつながる

一人一人、学んだことは様々です。しかし話を聞いていると、自分自身の弱い面や悪い面を見直し、自らで前向きに改善していく『自己改革』につながっていることに気づきます。指導を行った藤代さん自身もメンタルトレーニングを通じて『自己分析』をしてほしいと言っています。

「指導者と選手との間で行うしつもんでの振り返りも、選手間で行う『しつもん作戦会議』も、結局は自分のことに気づくことから始まります。サッカーがうまくなるには課題を見つけ、それをどう克服するかが大切ですし、自分の長所が見えるから自信を持ってプレーできるのです。相手があるスポーツだから競い合いますよね。自分とも戦いますよね。今の自分を常に見つめられないと成長につながりません」

shitumon01.jpg選手たちも自分の"こころ"の変化に気づいている

そして、『しつもん作戦会議』がもたらした効果の一つをこう紹介してくれた選手がいます。

「人前で意見を言うことが怖くなくなりました。もちろん、この会議の3つのルールがあったからだと思います。

  • 答えはすべて正解
  • 「わからない」もOK
  • 仲間の答えを「そうだよね」と受け止める

でも仲間の意見を聞き、その上で思ったことを発言できるようになったことは本当によかったです。僕はGKなのですが、『しつもん作戦会議』をやる前まではDFにも『行け』などとしか指示ができませんでした。会議をやるようになってからは『この場合はこのコースを消そう』と、事前にDFと話し合って準備することができるようになりました

■お母さんの心も楽にした「しつもん」でのコミュニケーション

前回、監督が語っていた「いい意味で選手と監督という上下関係のようなものがなくなり、お互いに言いたいことが言い合えるいい関係になりました」という言葉。おそらく監督と選手との間だけでなく、選手間でもお互いが対等に意見を言い合える雰囲気ができあがったのではないでしょうか。

また、お母さんたちも子どもの変化に気づき、何より自分たちも意識するようになったそうです。

shitumon04.jpg インタビュー中もお互いの意見を聞く雰囲気ができている

「以前は、子どもに『ああしなさい』と言ってやらなかったらイライラしていました。でも、しつもんメンタルトレーニングで『なんで?』と問いかけると言い訳ばかりが返ってきて問題を解決できないことを教えてもらい、子育てに活かしました。そうしたら『どうしたら良いと思う?』と問いかけた後、『じゃあ、次は何をしたらいい?』と導けるようになったんです。それまで自分の責任のように背負いこんでいたものがなくなり、私自身、心が楽になりました。結局、やるやらないは子どもの責任なんですよね」

また、あるお母さんはメンタルトレーニングがこんなふうに社会に出て活きると捉えていました。

「今は、大学受験や高校受験で面接が増えています。そこでは自分の意見をしっかりと伝えられないといけません。子どもたちは4年生から『しつもん会議』をすることでみんなの前で自分の考えを話すことに慣れているから、受験での面接にも活きるんじゃないかと感じています」

このクラブで話をうかがった選手は現在、中学生になっています。彼らが歩んだ道はサッカーだけでなく、バスケットボールや陸上など違う道に進んだ選手もいます。しかし、どの選手も『しつもん作戦会議』をはじめとするしつもんメンタルトレーニングを、今も活用して自分の選んだ部活を励んでいました。サッカーに限らず、スポーツでのプレーの成長は心の成長とも深くかかわっています。そこをクラブのスタッフだけでなく、お母さんとお父さんも意識できれば、子どもたちは大きく羽ばたけるはずです。この機会に、ぜひ心の成長も見つめてみてください。

<<前回記事『"お互いを知る"ことの大切さ。「しつもん」がチームを団結させる理由』

fujishiro1_03.jpgのサムネイル画像

藤代圭一(しつもんメンタルトレーナー)
小学校や中学校、高等学校で「子どものやる気を引き出す」をテーマとした講演を行う傍ら、スポーツスクールや少年団へのセミナーやワークショップを精力的に実施。子どもたち選手が潜在的に持っている力を信頼し、伸ばしてあげたいと考える両親や指導者の方々に好評を得ている。U-15女子サッカーチーム全国大会4位入賞、フットサル全国優勝、U-18インターハイ出場に貢献。


「しつもん作戦会議」を使ってみたい方はこちらから>> sakusen_setimg.jpg

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取材・写真/鈴木蹴一  文/木之下潤

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