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考える力

恥ずかしがらず挑戦することで身に付く、自ら考え体現する力

公開:2015年2月24日 更新:2015年2月25日

キーワード:スペイン少年考える力質問

■失敗をしても『我』を出しつづける姿勢が、体現する力を育てる

小堺さんが子どもたちへの指導の中で感じた『我』の強さは、スペイン代表の選手たちにも多く見られるものです。筆者がスペイン代表の練習を取材した際、各選手がそれぞれ自分本位にプレーする場面がたびたび見られました。多彩なパスワークが持ち味のスペイン代表の選手たちがです。あとになって同代表のカソルラ選手(イングランド・アーセナル所属)にそのことを質問したところ、このような答えが返ってきました。
 
「必ずしもパスワークで崩せる相手と戦うとは限らない。パスでダメなら個人技でいく必要も出てくる。そういったときにそれぞれの選手がどのようにプレーするか、各自アイディアがないとうまくいかないし、そういうのは練習でもやってないと本番で出てこないもの。連係は時間を積めば良くなるけど、個々の想像力はそうはいかない。そこでいいプレーができれば監督へのアピールになるし、ダメでも次へのヒントになる。それぞれが色々なアイディアを持っていて、それが連係するからこそ攻撃の選択肢も増えるんだよ」
 
彼ら代表選手も子どもの頃より『我』を出す文化の中で育ち、失敗しても諦めずに思い描いたプレーに挑戦し続け、『体現する力』を身に付け、磨きを掛けてきました。その結果として、秀でた技術、イマジネーションが備わったのです。
 
言われたことだけをやっているだけでは、体現力や想像力を養うことはできません。小堺さんは『発言する力』同様に、この『体現する力』も日本の子どもたちに欠けているものであり、この点を伸ばせばもっと成長できると感じでいます。もちろん過度にエゴイスティックにプレーさせる必要はありません。チームワークを構築していく中で、ときおり体現力を育むための個人のプレーも許容し、それを促す。幼少のときよりこのように体現力を磨くことで、想像力も一層養われますし、サッカー以外の場でも自身のアイディアを具現化できる、行動力をともなった人間を育むことができるのではないでしょうか。サッカー少年のお父さんお母さんは、子どもたちがミスを恐れることなく、各自のアイディアを自発的に出させるアプローチを考えてみるといいかもしれません。
 
 
小堺めぐみ
CEサバデル選手・U-11女子監督。2011年慶應義塾大学を卒業後に渡西。3シーズンCEエウロパに所属し、現在はCEサバデルで選手と指導をしている。2014年にスペインサッカー指導者ライセンス最高レベルを取得。その他サッカーをメインに通訳・翻訳また遠征コーディネートなどをしている。HP:http://megu0408.wix.com/megumirakuru
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取材・文 一色伸裕 画像 田川秀之

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