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その情熱、子どもに届いてますか? イングランドサッカー協会の指摘とは

公開:2014年9月10日 更新:2014年9月11日

キーワード:イングランドコーチコーチング成長育成

サッカーに取り組む子どもと接していると、親としてつい熱が入ってしまうもの。しかし親の情熱は、子どもにとってはプレッシャーとなり、時として成長をはばむ要因になりかねません。こうしたことは日本だけでなく、イングランドでも同様に見られます。
 
イングランドでは、サッカースクールが市街地から遠く離れた不便な場所で実施されることも多く、子どもの送り迎えのための時間的な負荷が、保護者に大きくのしかかります。その分、子どもに活躍してほしいと思ってしまうのも、致しかたないことかもしれません。こうした背景を踏まえ、イングランドサッカー協会ではフィクションストーリーのDVDを無料配布して、保護者の啓発に取り組んでいます。今回はその映像を参考に、子どもへの接し方を考えてみましょう。
 

文/永田到 引用:Football Academy Channel
 
 

■あなたからの助言、子どもはそれを求めてますか?

映像は、試合を直前に控えた小学生の子どもジョー・スミス君に対して、父親がアドバイスを送る場面から始まります(上記動画1:36~)。「お前にはアドバイスが必要だな。ちゃんと聞いておくんだぞ。今日は地元クラブが競うダービーマッチだ。全てが普段通りには進まなくなる。ゴールに背中を向けてばかりいたらダメだからな。テクニカルなプレーも今回は控えるようにしろ。ボールを前に出すことだけに集中するんだ。もっと真剣にプレーしろ。もっと集中するんだ。おい、俺の話しを聴いてるのか?お前、今日はウイングでプレイするんだろう。いいか、もう一度言うが守備に気をとられてばかりいるんじゃないぞ」
 
試合が始まると、父親は感情を抑えきれなくなってしまい、ウィングでプレーするジョーにピッチ外から大声で指示を出すようになります(上記動画4:40~)。「ラインを上げていけ!相手の動きを封じろ!スペースを与えるな!ちゃんとマークするんだ!」興奮が止まらなくなった父親は、ジョーの一挙手一投足に注文をつけるだけにとどまらず、ボールをキャッチした味方GKにまで「ジョーへパスしろ!」と指示を出す始末。
 
こうなると、子どもたちはもはや自分の意思でプレーできなくなり、指示を実行するだけになってしまいます。
 
あきれた味方GKが、持っていたボールをやむなくジョーにパスを出すものの、落ち着きを失ったジョーは相手選手にすぐさまボールを奪われます。運の悪いことに、これが失点につながります。自責の念にとらわれるジョーを、父親は励まそうとします。「気持ちを切り替えろ!」しかし、もはや冷静な精神状態を維持できなくなったジョーに、大声のアドバイスは通じません。
 
試合内容に不満の父親は、試合後こんな言葉を矢継ぎ早にジョーに投げかけます。「顔を上げてプレーしろと前にも言ったじゃないか!地面を見るんじゃなくて、味方選手の居場所を確認しながらプレーできていたか?ファーストタッチの時に色んなアクションができるはずだ。ボールを奪われる回数も多すぎるぞ。そもそもコーチ自身が勝つ気でいるのか全くわからない。こんなクラブにいたって埒が明かない。もう別のクラブに移ろう」
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文/永田到 引用:Football Academy Channel

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