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考える力

日本サッカーの育成に必要なのは「ゲームを観て議論する文化」

公開:2014年7月29日

キーワード:指導育成

 
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Photo:2012-11-17_Hamburg3 / Markus Unger
 
ちなみに、ファンルーツで海外遠征のサポートなどを行っているのですが、先日ドイツへ海外遠征に行ったときも、日本のチームはせっかくだから6本でも7本でもゲームをやりたい。逆にドイツのチームはそんな長時間やっても意味がないという。結局、30分×2本しか対戦させてもらえなかったほどです。これは逆をいえば、長時間やることで、プレーの質が落ちてしまう。短時間でやることで質を高く、高い運動量のなか、集中してプレーできるのです。」
 
それだけ負荷が高く、実戦に限りなく近いミニゲームなどのトレーニング環境があるからこそ、そこで出てきたエラーを読み取る力が指導者にとって大きな意味を持つのは言うまでもありません。
 
しかし、欧州にそうした『試合を観る環境』がごく日常的にあるのも、日本との大きな差なのだと平野さんは指摘します。
 

■試合を観て議論し合える環境が必要

「子どもたちは贔屓のクラブの試合観戦に行ったり、テレビでライブを観たりするのが日常の一部。そこでプロ選手たちが、ゴールへの意識だったり、球際の激しさだったりを体現していれば、子どもたちも自然と感化され、トレーニングや試合に臨む姿勢も自ずと高まっていくのは当然のことなのです」
 
平野さんは「日本サッカーが短期間で急成長を遂げたことを世界は認めている」ことを実感しながらも、その豊富な国際経験からくる個人的な感覚として「日本は欧州からまだまだ遅れていることを感じます。というよりも、常に欧州は進化しようと努力をしています」といいます。
 
「子どもたちが試合をよく観るという環境もそうですが、日本には指導者たちが一つのゲームを観て、それを題材に議論し合うような文化がまだ浸透していません。オランダやドイツでは、平均的な指導者の質を上げるために『いかにゲームを観るか』という部分にフォーカスして徹底的に指導者同士が議論をしながら試行錯誤を繰り返しています。
 
以前、丘の上から自分が指導する様子をビデオで撮影して、それを題材に議論をしたことがあります。厳しい言葉をもらい、落ち込んだ記憶もあります。ただ、そのように自分の指導を映像を通して見ることで、自分が思っていたものと違ったことに気付いたのも確かでした。だからこそ、積極的な議論というものは大切だと思います。そのような経験をした私はラッキーだったのだと思います。真剣に議論しあう環境を作ることも大切かもしれません。」
 
 
平野 淳さん
平野 淳(ひらの・じゅん)
大学卒業後、欧米にコーチ留学。UEFAライセンスをはじめ、イングランド、スコットランド、オランダ、ドイツ、米国などで指導者ライセンスを取得。横浜F・マリノスやFC東京などJクラブのジュニアからユース年代の指導に携わったほか、海外でも子どもたちの指導経験を持つ。現在はファンルーツアカデミーおよびFCトレーロスの代表を務め、国内外で普及活動を展開している。
 

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取材・文/杜乃伍真  写真/Schwarz Johann、Markus Unger

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