考える力

2011年6月20日

シャビを育てた元バルセロナカンテラコーチの教えに迫る!<9>U-12年代の指導に対する考え方

FCバルセロナ(スペイン)の下部組織監督として、数多くの選手を育ててきたジョアン・ビラ。彼の教え子であるシャビ、プジョル、V・バルデスたちは、現在のバルセロナの中心を担っています。ジョアン・ビラは現在、FCバルセロナを離れ、「サッカーサービス」という組織を作り、ヨーロッパやアジア各国を回り、育成年代の選手を指導しています。

今回は、ジョアン・ビラに「U-12年代の指導に対する考え方」について、聞いていきます。

■スペインのサッカー事情

スペインでは、親が子どもにサッカーを教えることはほとんどありません。指導について勉強をしたコーチが、子どもたちを教えています。監督はサッカーに対する知識を持っているので、一般的にいつ、何を教えるべきかを知っています。以前、親は自分の子どもが「いいサッカー選手になれるだろうか」、「うまくなれるだろうか」と心配していましたが、現在のスペインは、そのような状況から変わってきています。

スペインが今のような状況に来るまで、3つの段階がありました。1つ目は30年前、保護者がサッカーチームの監督をしていた時期です。今の日本の状況と似ているかもしれません。2つ目に来たのが、あまりにも競争意識が高まり、勝利を優先する意識が強くなった時期です。そして現在は、3つ目の段階に来ています。

子どもたちが、『サッカーを楽しみながら学ぶ』という世の中になってきました。私はカタルーニャ・サッカー協会でも仕事をしていますが、幼少期から激しい競争をして、レベルの高い一部の選手が上のカテゴリーへ進むピラミッド型ではなく、ピラミッドの土台の部分を広くして、多くの選手を高いレベルへ押し上げようと考えています。

■サッカーを理解している選手

その考えが広まってきたのも、最近のことです。それまで、子どもたちは勝つことだけに関心があり、サッカーを学ぶこと、いいプレーをすることに、それほど興味はありませんでした。監督も試合に勝つために、体が大きい、足が速いなど、フィジカルに優れた選手を探していました。しかし現在、下のカテゴリーでは、『サッカーを理解している選手』を育てることを意識しています。勝ち負けが最優先ではなく、学ぶことを目的にやっています。14歳までに大切なことは、効率よく勝つことよりも、サッカーを学び、学習することです。そして、14歳以降に競争の段階に入り、選ばれた選手がプロになります。

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