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こころ

2019年1月29日

子どもにも必要な資質「メンタルタフネス」とは【英国サッカーの最新事情】

キーワード:イングランドサウサンプトンバーンアウトミス塚本修太心理学心理的ストレス

皆さんは「メンタルタフネス」とどういう意味をイメージされますか?

ふわっとメンタルの強さを意味するというのは想像つくかもしれませんが、どういう意味かを改めて聞かれると答えるのが難しいのではないでしょうか。

イングランドでは、「メンタルタフネス」を、スポーツをする上で要求されたことに対しての対処が相手よりも秀でている、プレッシャーがかかった中でも高い水準でパフォーマンスを発揮できる、心理的な特徴のことを指します。

では子どもたちのメンタルタフネスを成長させることはできるのでしょうか。

今回は前橋育英高校サッカー部でプレーした後、イングランド・サウサンプトンにあるソレント大学に通いながら、現在はバッシュリーFCという9部(セミプロ)のトップチームコーチと、下部リーグを中心にチェックするノンリーグジェムズというスカウト団体にも所属する塚本修太さんにお話をうかがいました。

塚本さんはイングランドサッカー協会の心理学ライセンスを5段階中4段階取得するなど、心理学に精通しているので、非常に学ぶべき点が多い内容になっています。

今回は主にストレスの原因と、それの対処法について言及しています。
(取材・文:内藤秀明)

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小学生にとっての主な「ストレッサー」は...(写真はサカイクキャンプ)

 

<<関連記事:英国サッカーの最新事情「燃え尽き症候群を防ぐために親、指導者がすべきこと」

■サッカーにおけるストレッサーには様々なものがある

イングランドではストレスの原因となる何らかの要素を「ストレッサー」と呼んでいます。主なストレッサーとしては、コーチご両親、自身のプレーミス、11人のスターティングメンバーに入れるか、さらには審判の理不尽なジャッジ、自身の怪我...など様々な要素が挙げられます。

これらのストレッサーは主にその時の年齢に応じて変化していく傾向にあります。イングランドで収集したアンケートによると小学生~中学生くらいの年代では、ストレッサーがご両親やチームメイトのご両親である割合が大きいです。パフォーマンスに対するプレッシャーだけでなく、ご両親の目の前で試合に出場できるか、その試合で活躍できるかといった部分が、お子さんからの立場からすると一番のストレスになってくるのです。

そして高校生年代になると、ご家族やご両親が原因のストレスは相対的に減少し、自身のプレーミスが1番のストレスの原因になります。また、コーチからのプレッシャーやチームのメンバーに選ばれるかどうか、という要素も次第に大きなストレスの要因となっていきます。

■ストレッサーに対する3つの対処方法


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ストレス耐性を上げる方法を身につけるために、親もサポートしてあげましょう (写真はサカイクキャンプ)

 

こうしたストレッサーの対処方法には、大きく分けて3つのやり方が挙げられます。

1つ目がストレッサーに焦点をあてて解決する、問題焦点型です。

例えば、もし自分がPKを失敗したことで試合に負けてしまったとしたら、その後の自主練習でひたすらPKの練習をし続けます。こうしてひたすら弱点を克服しようと努めることで、ストレスを対処することができます。この時に保護者や指導者はなぜお子さんがプレーミスをしたのか、どうすれば克服できるのかを一緒に考えてあげる必要があります。

2つ目が感情をコントロールして切り替えることに焦点を当てる、感情焦点型です。

具体的に言うと、大事な試合に負けた次の日にサッカーと関係ない自分の好きなことをして切り替える、などは感情焦点型に当たります。あるいはミスに対して「自分の欠点がわかったので収穫のある試合だった」などとポジティブに解釈するのも感情焦点型です。

保護者や指導者は、プレー時に焦らないようリラックスさせるコーチングをしたり、ミスをしたプレーから焦点をズラすために「ボールを失ってもいいから、すぐに取り返そう」などとコーチングをしたりすることが望ましいでしょう。あるいは「ミスは誰にでも起こるものだから」と気持ちを切り替えさせることでも、子どもたちの気持ちはだいぶ楽になるはずです。

最後の対処法が、無視です。

例えばPKに失敗したらもう蹴らない。試合に負けたらその試合について一切話さないといったパターンが該当します。これは上に挙げた2つの方法と比べると、1番簡単な方法だと思います。あまり大人が教えなくても、子どもが勝手にやっていることが多いですからね。

もちろん時には無視も必要ですが、ここでは無視の仕方を教えるというより、どういうタイミングで無視すべきかを教えてあげる必要があるかもしれません。例えば観客からの野次などは無視させるべきですよね。

これら3つの対処法には、人それぞれ得意不得意がありますが、どの方法も使えるようになっておくのがベストです。指導者や保護者は、子どもたちがストレスに対処できるように、これらの方法を教えて、実践できるように環境を整えてあげる必要があります。

<<関連記事:英国サッカーの最新事情「燃え尽き症候群を防ぐために親、指導者がすべきこと」

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取材・文:内藤秀明

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