こころ

2015年12月16日

女だからってなめるな!未来のなでしこを育む負けん気のつくり方

「なんで女なのにサッカーしてるの?」
去年まで日テレ・ベレーザでプレーしていた元なでしこジャパンの小林弥生さんが、小学生のころ所属していたサッカー少年団の男の子たちから言われたひと言です。
少年団に所属するサッカー少女たちのなかには、似たような経験を持つ子もいるでしょう。
小林弥生さんは当時の気持ちをこう振り返ります。
「"女だからってなめるな!"と思ってプレーしていました。男の子にはもぜったいに負けたくなかった」
そういった負けん気を強く持っていたからこそ、女子サッカー選手として成功することができたのでしょう。しかし、サッカー少女の誰もが小林さんのような思考をもてるわけではありません。とても嫌な思いをしてそれでもサッカーを続けたくて我慢している子、もう辞めたいと思っている子もいるかもしれません。
 
そんなサッカー少女たちにこそ、サッカーの楽しさを伝えたいと小林さんは言います。子どもたちに「サッカーは楽しい」と思ってもらうことの大切さを今一度振り返っていきましょう。(取材・文 出川啓太[サカイク編集部])

■サッカー少女・弥生が体感したサッカーの魅力

もともと父親がサッカーをしていた小林家。兄がサッカーをはじめると、小林さんも当然のようにくっついていって、ボールを蹴り始めたそうです。
「サッカーが楽しくてしょうがなかったです。たとえば、リフティングは練習するほど回数が増えてうまくなっていることを実感できます。試合になれば勝ったら嬉しいし、負けると悔しくて次は勝とうと思える。だから、ボールに触れるたびサッカーに夢中になっていきました」
小学生のころは背が小さく、学校の背の順ではつねに最前列。背が低くても、女子でも、サッカーで勝てることを証明したくてピッチに立っていたと言います。
「人一倍負けん気の強いタイプでした。それは両親が私を縛らずに好きなようにプレーさせてくれていたおかげでもあります。試合に負けた悔しさが、次はどういうプレーをしようか考えるエネルギーになります」
試合に負けて大人に「ああでもない、こうでもない」と言われてしまうと、悔しさよりも"怒られるのいやだな"という思いのほうが先立ってしまい、次へのエネルギーが生まれなくなってしまいます。小林さんは、いま、子どもに指導する立場になって、そういうことにも注意を払うようにしていると言います。では、大人はどのように接すれば、子どもの負けん気ややる気を引き出すことができるでしょうか。

次ページ:サッカーが楽しいからがんばれるし自分で考える習慣がつく


※メールアドレスを入力して「登録」ボタンをクリックしてください。

メールアドレス

1  2

関連する連載記事

関連記事一覧へ

関連記事

関連記事一覧へ